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「特定口座源泉徴収あり」の口座でも確定申告をすると得することがある?

2021.01.17PR

特定口座源泉徴収あり口座は確定申告不要の証券口座です。

それでも、確定申告することによって税金が還付され、得することがあります。

そもそも特定口座源泉徴収あり口座とは?

株式、投資信託、国債、社債などの証券会社で購入できる金融商品は、保有期間中には配当金や分配金、売却時には売却益の利益がでると、申告分離課税の一律20.315%(所得税15%、住民税5%、所得税額×2.1%の復興特別所得税)が課税されます。

証券会社で口座開設をすると「特定口座」を開設します。特定口座は、上記のような利益がどのぐらい出ているかを計算してくれる口座です。かつ源泉徴収ありを選択していれば利益に対する税金を計算し利益を受取るときに自動で先取りして代わりに税務署に支払ってくれます。そのため、特定口座源泉徴収あり口座での取引の場合には確定申告が必要ありません。また、前述のような金融商品は申告分離課税となっており、他の所得とは分離されて課税されるため、独立して課税され特定口座源泉徴収あり口座内での取引であれば、その中での自動徴収で課税関係は終了します。

なお、特定口座に入れることができるのは株式、ETF、REIT、投資信託、公社債等で、FX、仮想通貨、日経225オプションなどの先物取引等の金融商品は特定口座に入れることができません。

特定口座源泉徴収ありでも確定申告すると得する3パターン

特定口座源泉徴収ありの口座は確定申告が不要ですが、確定申告することで得するつまり税金が還付されるパターンがあり、以下の3パターンです。

①2社以上で取引をしており、どちらか一方が損失で終了し他方が利益で終了したとき「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算」

証券会社や銀行など2社以上で取引しており、あるA証券では年間の利益がプラスで終了したものの、B証券では年間取引がマイナスで終了してしまったときに、確定申告することで税金が還付されます。

1社のみで取引している場合は、その証券会社での取引において利益や損失が出た場合に利益と損失を自動で相殺されます。例えば、○○株式で売却利益20万円がでて税金が約4万円引かれた後に、××株式で売却損を20万円出してしまったときに売却代金と一緒に○○株式売却時に支払った税金4万円が還付されます。

しかしながら、違う証券会社で損失を出した場合には相殺されません。

上記例の○○株式の売却はA証券会社で、××株式の売却はB証券会社で行った場合には、これ以外に取引がなかったとするとA証券会社で税金約4万円が引かれたままとなります。

B証券会社の損失をA証券の利益と相殺して、A証券で引かれた税金約4万円を取り戻すには確定申告が必要になります。

②1年間の取引が損失で終了したとき「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除」

年間の取引が損失で終了した場合、この損失を翌年以降に繰り越すことで、翌年以降に利益が出た場合にその利益に対してかかる税金に還付を受けることができます。

年内で相殺しきれない損失が出た場合、損失の繰越控除の確定申告することにより、損失を3年間繰り越し、翌年以降3年間の利益と相殺することができます。繰越控除を選択した場合には翌年以降必ず確定申告することが必要になります。

例えば、2020年▲20万円の損失だった場合、3年間繰越控除を申告すると

・2021年+10万円→2020年の▲20万円と相殺、約2万円の税金が還付
・2022年+5万円→2020年の▲10万円と相殺、約1万円の税金が還付
・2023年+5万円→2020年の▲5万円と相殺、約1万円の税金が還付

③配当控除

株式は保有期間中に配当金が受け取れますが、配当金に対しても税金が20.315%かかっています。この配当金にかかる税金の一部を確定申告により取り戻すことができます。

配当控除は全ての課税総所得(総合課税を選択した配当金含む)が1,000万円以下の場合に12.8%(所得税10%住民税2.8%)の税額控除ができます。

例えば、配当金が20万円なら25,600円の税金還付を受けることができます。

これは、特に売約時に損失が出ていなくても取り戻すことができます。

損失がでていなくても配当金にかかる税金が還付されるのはなぜでしょうか。

配当金は会社の当期純利益が積み立てられた「繰越利益剰余金」(その他資本剰余金からも配当は可能)から出されます。当期純利益は、税引前当期純利益から法人税等が既に引かれた後に導かれます。その後の繰越利益剰余金に積み立てられ、そのうち株主に配当として分配されますが、そのときにまた株主に対して一律20.315%の源泉徴収が行われるため、法人税等、配当金の源泉徴収で二重課税となってしまいます。

そこで、その二重課税を軽減するため、確定申告により配当控除を受けることにより税金の還付を受けることができます。

配当控除を受けるためには配当金(株式型投資信託の分配金も含む)のみ総合課税を選択しなければなりません。株取引等にかかる課税は申告分離課税で、他の所得から独立して課税(一律20.315%)されますが、総合課税は他の所得と合算して、その合算した所得金額に対する税率(累進課税)で課税されます。そのため、主な所得が高い方がこの配当控除を受けると、配当金の税率が20.315%より高くなってしまい逆に損をしてしまう可能性があるため注意が必要です。

配当控除で得をするのは、課税総所得金額が900万円以下の方です。

なお、課税総所得金額とは所得から給与所得控除などの控除を差し引いた後の金額です。

源泉徴収票でみると、【給与所得控除後の金額】-【所得控除の額の合計額】を差し引いた金額になり、さらに配当金の金額を加えます。

超える場合は、配当控除の適用により総合課税を選択することで配当金に対して20.315%以上の税率がかかり、損をしてしまいます。

確定申告で注意すること

確定申告で税金の還付を受けられる場合に該当するなら、是非確定申告をするのがおすすめです。マイナンバーカードとスマホがあれば簡単に家で確定申告をすることができます。

会社員の方なら、証券会社のログイン後に見られる特定口座年間取引報告書と源泉徴収票を用意すれば簡単にできます。

ただ、以下のような方には注意が必要です。

①NISA口座での損失
②会社に株式取引を知られたくない
③扶養に入っている、自営業者の方など

①NISA口座での損失

現在証券会社で株式等から得られた利益が非課税になる(一般)NISA口座が開設できますが、NISA口座での損失は相殺したり、繰越控除することができません。

NISA口座内の取引は全て損益がゼロとみなされるため、損失がでても他の口座の利益との相殺、損失を繰り越すことはできません。

②会社に株式取引を知られたくない

株式を副業とするところは少ないと思いますが、どうしても株式取引をしていることを会社に知られたくないという方もいるかもしれません。

確定申告をすると、確定申告後の6月に会社に送付される住民税決定通知書にその旨が記載されます。

特定口座源泉徴収ありは会社の通知に掲載されませんが、確定申告すると所得税の支払いは申告時に支払いますが、住民税の支払いは翌年の6月以降に特別徴収といって会社の給与等の住民税と合せて徴収されるため、確定申告により住民税の支払いが必要になった所得金額が会社の住民税決定通知書に掲載されます。確定申告時に会社を通して支払う「特別徴収」ではなく「普通徴収」を選べば別で支払い会社の住民税決定通知書に掲載されませんが、そもそも株式取引等で確定申告をする場合というのは損失がでたときであるため、住民税を支払う場合に該当しないことがほとんどです。

損失の繰越等で還付を受けるだけの支払う住民税がないときでも、相殺前の所得金額が住民税決定通知書の株式等の欄に記載されます。

③扶養に入っている、自営業等の方など

特定口座源泉徴収あり口座は、課税関係が源泉徴収で完了し、分離課税であるため、他の所得に合算されず、株取引の利益が扶養の基準となる収入に算入されません。しかし、確定申告することで扶養から外れることがあります。

専業主婦や無職の方で会社員の配偶者等の扶養に入っている方が確定申告すると、株取引の利益が扶養の基準となる「総所得金額」に所得が算入されてしまいます。

また、損失で確定申告したとしても、3年間の繰越控除で翌年以降の利益は繰り越した損失と相殺され相殺された分は利益がゼロとなり課税されませんが、総所得金額には相殺後の金額ではなくプラスの部分のみが算入されます。

繰越控除で損失を出した年はよくても、翌年以降のプラスは総所得金額に算入され、扶養から外れてしまう恐れがあります。

一方、扶養に入っていない自営業等の方でも、確定申告で所得が増え国民健康保険料が上がってしまう恐れもあります。

地方自治体によっては、特定口座源泉徴収ありを選んだ上で株式譲渡損の繰越控除や損益通算の確定申告を所得税と住民税で異なる課税方式で申告することもできます。所得税を確定申告し、住民税はそのまま確定申告不要にすることで、住民税分の繰越控除による税金還付はあきらめることとなりますが、所得税の還付を受けても扶養から外れないようにしたり、国健康保険料の値上がりを防げたりします。

特定口座源泉徴収ありで繰越控除等を受けたい場合で、自営業の方等は住んでいる市区町村に住民税の課税方式を別にできるか聞いてみると良いでしょう。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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