コロナで生活が困窮。生活保護を受給してしのぎたいけど
コロナの感染拡大により、多くの業種が深刻なダメージを受けています。
働いていた会社や店がつぶれたという話や、コロナにかかった後も症状が回復せず解雇されたという話、20代、30代のホームレスが増えているという暗いニュースも…。
生活に困窮して立ち行かなくなった時、最後の頼みの綱は生活保護ですが、「ペットは贅沢品だから、生活保護を受給したら愛猫を手放さなければならなくなる」「別れるなんてできない」と、申請をためらっている人もいるようです。
生活保護は「生活保護法」により、生活に困窮している人に対し、程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的として定められている制度です。
「生活保護を受給すると、贅沢品を所持してはいけない」という話をよく耳にします。確かに受給の条件として、預貯金、生活に利用されていない土地や家屋、自動車などは売却して生活費に充てるのが基本的な方針。「生活保護法」では、ペットは贅沢品とみなしているのでしょうか?
生活保護とペットの飼育は無関係
結論から言うと、大丈夫です。生活保護法では、犬や猫などの飼育を禁止する規定はないので、ペットと暮らしていても生活保護を申請することができますし、受給後もそのままいっしょに暮らすことができます。
支給された生活保護費の範囲内でやりくりをして猫の世話をするのであれば、問題はありません。ただし、いくら猫が家族同然であっても、猫の分の支給額が増えることはありません。
不妊去勢手術は自治体により、飼い猫の助成金制度もあり
最近は、完全室内飼いであっても生活の質を高めるために不妊去勢手術を施すことが、ペットとの暮らしで常識になりつつあります。生活に困窮しているとそういうこともあきらめてしまいがちですが、自治体や獣医師会、動物愛護団体などが助成金制度を設けている場合もあります。
代表的なものが、猫の遺棄を防ぎ、飼い主のいない野良猫を増やさないようにするための、自治体による不妊去勢手術費用の一部補助制度です。助成金は自治体によってさまざま。飼い主のいない地域猫に限定しているところもありますが、飼い猫についても助成対象としているところもありますので、問い合わせて調べてみましょう。例えば東京都の渋谷区では、以下のようになります。
◎条件
*渋谷区内に飼い主が住んでいること。
*渋谷区内において猫を飼育していること。
*獣医師に手術可能と判断されること。
◎助成金額
去勢手術(オス猫) 5,000円
不妊手術(メス猫) 7,000円
品川区もまた飼い猫の不妊・去勢手術費の一部を助成しています。金額は以下のとおり。
オス猫
品川区助成金 4,000円
獣医師会助成金 4,000円
メス猫
品川区助成金 8,000円
獣医師会助成金 8,000円
マイクロチップの助成金も
犬や猫が逃げ出し迷子になった時に個体識別ができるマイクロチップも、自治体や獣医師会による助成事業が増えています。私が住んでいる横浜市の去勢・不妊治療の助成金は「飼い主のいない猫」限定でしたが、マイクロチップに関しては犬の助成金制度がありました(猫もありましたが、2020年3月で終了)。
文・桑原恵美子(PETomorrow編集部)
関連資料/「ねこの法律とお金」(弁護士・司法書士 渋谷寛著/廣済堂出版)
関連サイト
◎渋谷区 「飼い猫の去勢・不妊手術費助成」(https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/pet/neko/cat.html)
◎品川区 「飼い猫の不妊・去勢手術費の一部助成」(https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kenkou/kenkou-pet/hpg000000916.html)
◎神奈川県「マイクロチップ装着促進活動補助金について」(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/e8z/ks01/microchiphojyo.html
構成/inox.
人間の心揺さぶる犬猫情熱記事はPETomorrow!!
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