新通勤スタイル
21世紀になっても変わらなかった満員電車に揺られながらの通勤風景。奇しくもコロナ禍が、そのあしきスタイルに変化を及ぼした。
コロナ禍の通勤ストレスを解消するクルマが続々
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、通勤の「脱電車」がじわりと広がった。3密を避けるため、自転車やクルマでの通勤を認める企業が増えたほか、ちょっとした移動にシェアサイクルの利用も増えた。
実際、駐車場シェアリングサービス「akippa」はコロナ禍で打撃を受けながらも、事業を伸ばし累計会員数が200万人を突破。これは一例にすぎないが、企業や個人の通勤スタイルに変化を起きていることの証明といえるだろう。
そして、2020年はこうした状況に適した高い経済性と実用性、趣味性を備えたクルマのデビューが続いている。というのも、2021年に欧州では燃費規制(CAFE規制)が強化されるが、これは車種ではなくメーカー全体の二酸化炭素排出量に規制をかけるというもの。そこでコンパクトカーやSUVといった〝売れセン〟モデルに、最新ハイブリッド車や電気自動車といった電動車が積極的に投入されるなど、魅力的なモデルの登場が続いている。
また、ワーケーションや2拠点生活にも注目が集まっているが、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるクルマのサブスクプランも増えている。新しい通勤スタイルへと移行を検討中ならば、今は絶好のチャンスでもあるのだ。
e-Bikeでe通勤
政府は感染拡大防止の一環で自転車通勤を促進。自転車産業振興協会によると、4~6月の自転車の生産・輸入台数は、10万円の特別定額給付金の効果もあってか12%増。今後も、その割合は増えていきそうだ。
交通手段別の検索数
自転車の検索数は、3月に入ってから週を追うごとに増加。6月初めには検索数が約2倍となった。
スタートアップのバンムーフは42億円の資金を調達
VanMoof『VanMoof S3』25万円
同社は世界的なロックダウンの中でもグローバル売上高220%を記録した。写真は世界初の自転車用オート変速機「Eシフター」を搭載した最新モデル。
[ヒットのひみつ]フレームにバッテリーを埋め込んだスタイリッシュなデザインが人気の理由。盗難時に愛車の位置を追跡できる機能で安心だ。
通勤・通学タイプは前年比190%増
パナソニック サイクルテック『ティモ・S』11万8800円
電池満タンの約80%まで急速充電した後は過充電にならないよう少しずつ充電。電力をスピーディーに充電しつつ、電池の劣化を防ぐ。横幅46㎝の大容量バスケット付き。
[ヒットのひみつ]盗難の不安を軽減する1キー3ロックを搭載。1つのキーで後輪サークル錠、バッテリーロック、ワイヤ錠を開錠できる。
新アプリ導入で利用回数が年間1200万回に
ドコモ・バイクシェア
利用者が必要な時に自転車を貸し出し・返却できる同社のシェアサイクルの利用者が急増。ステイホームの影響で需要が伸びる出前サービスの利用をうまく取り込んだ。
[ヒットのひみつ]6月に新アプリによるサービスを開始。アプリからの直接予約、マップ上でレンタル可能な台数、バッテリー残量の確認ができるなど利便性がアップ。
取材・文/村田尚之