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【開発秘話】累計70万本以上売れているSALONIAの「ストレートヒートブラシ」

2021.01.09

通勤通学の準備で忙しい朝。髪を整える時間は、ほとんどないのではないだろうか。

乱れた髪を短時間で整えられるとして評判なのが、I-neが手がける美容家電ブランド『SALONIA(サロニア)』から発売されている『SALONIAストレートヒートブラシ』である。2018年10月に発売された『SALONIAストレートヒートブラシ』は、電源を入れて普段通りにブラッシングするだけで、寝ぐせ、うねり、広がりを簡単に直せる。キャッチコピーは「たった2分で、ナチュラルストレートヘア」。まずワイドタイプ(フレーム幅68mm)を発売し、2019年10月にスリムタイプ(同43mm)を追加した。累計出荷本数は70万本を超えている。

右がワイドタイプで左がスリムタイプ。カラーはブラック、ネイビー、グレーの3色だが(グレーは公式ウェブ限定販売)、ネイビーとグレーはスリムタイプのみでの展開になる。

テクニック不要で簡単にストレートヘアをつくる

商品が構想されたのは2017年末頃のこと。背景には、ストレートヘアアイロンを使いこなすにはコツがあり、いつもうまく使えるとは限らないことがあった。使い慣れている人でも、ヒドい寝ぐせをキレイにストレートにするのは面倒。手首をかえして毛先や前髪をゆるくカールさせるような場合も、理想通りにカールさせることが難しいことがある。初心者はなおさら、思った通りに使えないものである。

SALONIAでもストレートヘアアイロンやカールアイロンなどのヘアアイロンを展開していた。そのため同社にも、ストレートヘアアイロンを使いこなすことの難しさに関する声が届いており、テクニックを必要とせず簡単にストレートヘアにできるものが模索された。

マーケティング本部マーケティング部商品開発課の梁卓健(リャン・チャキン)氏は次のように話す。

「SALONIAのコンセプトは『BEAUTY is simple 使い続けられるキレイを』。シンプルで、使い続けたいと思えるものを提供することをブランドミッションとしています。ストレートヘアアイロンの扱いに苦手意識を持っている方たちにも簡単に使えキレイなストレートヘアに仕上げることができるアイテムにはニーズがあり、使い続けてくれるのではないか、と考えました」

ryan I-ne
マーケティング本部マーケティング部商品開発課 梁卓健氏

商品に込められた4つのこだわり

 SALONIAストレートヒートブラシ』の開発では、こだわったポイントが4つあるという。

第1のこだわりはデザイン。シンプルを原則としつつ、SALONIAブランドがターゲットとしている2030歳代女性を意識した。

ターゲット層が支持するデザインのトレンドを知るために、まずは情報を収集。ヘアブラシの市場調査や社内の女性社員から意見を聞いたりしたほか、同社が独自開発したAI予測システム『インサイトスコープ“KIYOKO(キヨコ)』の前身となるトレンドハントシステムを使って、ブラシのデザインに関するトレンド情報の収集につとめた。

これらを元にデザイナーが4案程度、デザインを立案。協力会社にそれぞれのモックアップ(実物大模型)をつくってもらい、社内で評価した上で決めた。

第2のこだわりは扱いやすさ。見ただけで使い方がわかるほど操作を簡単にすることを目指した。

操作は、電源コードをコンセントに差し込んで電源ボタンを押し、温度を設定するだけ。設定温度表示画面の点滅が止まると設定温度に達したことになり、後は髪をとかせばよい。

SALONIAストレートヒートブラシ』には電源スイッチと温度設定ボタン、温度を表示する液晶表示画面しかなく、操作が簡単。温度は100210℃までの間を5℃きざみで調整でき、液晶表示画面の点滅が止まると設定温度に達した合図となる。

 第3のこだわりは安全性。温度が100210℃と高温になることから、ヘッドやブラシ先端に耐熱素材を使ったほか、消し忘れによる火災防止のために電源を入れたら約30分後に電源が自動的に切れるオートパワーオフ機能を搭載。やけどしないよう、出荷に当たっては工場での安全性試験を念入りに行なうことにした。

第4のこだわりは構造。具体的には、くし通りがよく髪をきちんとキャッチできるようにすることである。

ポイトンはピンの長さと配列にあった。現在のピンは長さ2cmほどだが、試作段階ではより長いものもテスト。「ピンが短すぎると浅くて髪が抜けてしまいますし、長すぎると引っかかってしまいます。市販されているブラシを参考にしながら、最適なピンの長さを探りました」と梁氏。ピンの配列についても、現在のように規則正しく並べたものだけではなく、不規則に並べたものもテストした。

これら4つのこだわりが結実して誕生したわけだが、その過程で軽量化に頭を悩ませた。梁氏は次のように話す。

「女性がメインターゲットなので、スタイリッシュなだけではなく軽くないと使い続けてもらえないです。実は当初のデザインは現在より少し薄かったのですが、耐熱対策の関係から厚くせざるを得ず、重量もやや増えました。安全性を担保するためには仕方がなかったことなのですが、それでも可能な限り薄くするため、私とデザイナー、製造する工場で調整を繰り返し、着地点を見出しました」

 ピンの立ち方がワイドタイプとは異なるスリムタイプ

こうしてまず、『SALONIAストレートヒートブラシ』のワイドタイプが完成・発売となったが、発売間もなくから、ショートヘアやボブヘアの女性から「ブラシがうまく入らない」といったレビューが見られるようになった。ヘッドの幅が大きかったためである。

そこで2019年に入り、ショートヘアやボブヘアでも使いやすいスリムタイプを企画。ワイドタイプの良さはそのままに、サイズ感を見直したものをつくることにした。

しかしスリムタイプは、ワイドサイズとヘッドのサイズだけではなく、ピンの立ち方も異なる。ワイドタイプのピンは垂直に立っているのに対し、スリムタイプのピンは左右に開いて立っているのである。

最初はワイドタイプと同様のピンの立て方だったが、「検証で『前髪がキャッチできない』という声がありました」と梁氏。問題解決の糸口を見つけるべく、市販のブラシを細かく観察したところ、幅がスリムなブラシの中にはピンが開き気味に立っているものがあることに気づく。試しにピンを左右に開いて立ててみたところ、前髪がしっかりキャッチできるようになった。

 

pin wide/slim
ワイドタイプ(左)とスリムタイプ(右)のピンの立ち方の違い。スリムタイプは垂直に立っているワイドタイプと異なり、左右に開くようにして立っている。

 YouTubeでの動画再生数が18万回を突破

 主なユーザーはSALONIAブランドのメインターゲットである2030歳代女性だが、他の商品と違い4050歳代の女性も目立つという。中には、子どもが自分でヘアセットするために買い与えるケースもあるほど。簡単に使えることから、今までとは違うユーザー層も開拓できている。

幅広い層に認知してもらうために活用したのが、動画であった。動画はワイドタイプ、スリムタイプそれぞれで制作。どちらも使用前/使用後を紹介した。

動画はSALONIAブランドのYouTubeチャンネルのほか、店頭や東京メトロ全線での車内などで流した。YouTubeチャンネルでの再生数は2つ合わせて18万回を超えている。 

bob before/after
ブラッシングする前と『SALONIAストレートヒートブラシ』を使ってブラッシングした後の違い(SALONIA公式YouTubeチャンネルより)

また、ユーザーの中には自発的に、SNSに使用前/使用後の写真を掲載したり、YouTubeで使用前/使用後の動画を公開したりした人もいるほど。それらが拡散したことも商品の認知拡大につながっている。

 取材からわかった『SALONIAストレートヒートブラシ』のヒット要因3

1.簡単に使える

面倒な操作が不要で、普段使っているブラシと同じ要領で使うだけで寝ぐせやうねり、広がりが直せる。ストレートヘアアイロンがうまく使いこなせない人や使える自信がない人たちをユーザーとして獲得できた。

2.時短できる

「たった2分で、ナチュラルストレートヘア」のキャッチコピーが示すように、簡単に使え短時間でストレートヘアにできることから、時短アイテムとして支持された。

3.使い続けやすい

本体重量が電源コード込みでワイドタイプが約360g、スリムタイプが約325gと軽量。飽きがこないシンプルなデザインと簡単に使えることが相まって、負担を感じにくく使い続けやすい。

同社は『SALONIAストレートヒートブラシ』のことを当初、ストレートヘアアイロンのファミリーの1つと捉えていた。しかし予想以上に売れ、ストレートヒートブラシというカテゴリーを確立するまでになった。今後は、徐々に出始めてきた競合品とともに、堅調に市場をつくっていくことが求められているといえよう。

製品情報
https://salonia.jp/heat_brush/

文/大沢裕司

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