レーサーレプリカブームに沸いた80年代。ホンダはついに50ccバイク市場にも本格的なミニサイズのスポーツバイクをリリースした。
1987年6月15日に発売されたホンダ「NSR50」は、もう二度と生まれることはないであろう、奇跡の50ccバイクだ。
“50ccのレーサーレプリカ”とも呼べる本格スポーツバイク
水冷2サイクル49ccエンジンはクラス最高の7.2PS/10000rpmを発揮。6段変速のミッションと組み合わされた。
足周りは路面追従性の高い油圧式ダンパーを前後サスペンションに採用し、S字断面スポークで軽量の12インチ・アルミ製キャストホイールに、前・100/90、後・120/80のワイドタイヤを組み合わせ、油圧式ディスクブレーキを前後輪に装備する。
当時のワークスレーサー、「NSR500」のデザインイメージをもたせた車体は、軽量・高剛性のダイヤモンド式ツインチューブフレームに、フルフェアリング、スリムで長い7.5Lのフューエルタンクを装備する。
さらに、スポーティなライディンポジションや深い動的バンク角を生む、アルミ製のハンドルやステップの位置もあり、全長1580mm、乾燥重量76kgとコンパクトなボディながら、スポーティな走り味が楽しめる本格派のミニスポーツバイクとなった。
車両価格はいくらだった?
21万9000円。
1995年2月23日発売以降のモデルは中古車で100万円オーバーの車両も!
進化を続けたNSR50は、1995年2月23日にモデルチェンジをはたす。
以降に発売されたモデルは、中古車市場で100万円を超す車両が続出している。また、1987 〜89年の初期型はタマ数も少なくコンディションが良い車両は激減している。
そして、ロスマンズカラーの1994年モデルでは、何と150万円を超す中古車もある。
おそらくNSR50はコレクターアイテムとして上物の値段は上昇の一途をたどる可能性が高い。欲しいなら今。手の届く価格で購入できるラストチャンスになるかもしれない。
文/中馬幹弘