数々の50ccバイクが誕生した80年代。ホンダは50ccでもアメリカンカスタムが楽しめる1台を用意した。それが、1982年6月1日に発売された、ホンダ「MCX50」だ。
7.5Lの燃料タンクと7馬力のハイパワーで旅に出たくなるバイク
全長1885mm、ホイールベース1220mmの大柄なボディは、乾燥重量が78kgと意外なほど軽量。
空冷2サイクル49ccエンジンは、最高出力7.0PS/8000rpmを発揮。5段リターン式の変速機を持ち、フロントには70/90-19-40P、リアには100/90-16-54Pと、当時としてはワイドで大径なタイヤがおごられている。
フロントに油圧式ディスクブレーキやオリジナルデザインのキャストホイールが採用され、足下を引き締めている。
また、シートの厚みがあり、鋭角的な直線で構成されたカバーを持つアップハンドルとあいまって、ロングツーリングも余裕で楽しめた。
車両価格はいくらだった?
16万9000円。
50ccバイクの車格を超えた品質、サイズで若者を魅了したMCX50。このバイクもまた、エンジンを換装すれば現代でも十分に通じる1台と言えそうだ。
文/中馬幹弘