ホンダは80年代に、「スリーター(三輪車)」ブームを起こさんと様々なモデルを投入した。
そんな中、1984年7月20日に発売された「ロードフォックス」は、スリーターの中でも異彩を放つモデルとして、多くのバイク好きの記憶に焼き付いている。
パラレルフレームやチャンバータイプのマフラーなど三輪バギー感覚
ロードフォックスは1595mmの全長に対して全幅は605mmと、ほかのスクーターに比べてそこまで幅広いわけではない。
しかし、パイプ構成のパラレルフレームと、チャンバータイプのマフラーやバケットタイプのシート、後輪のワイドタイヤの組み合わせで、ワイドアンドローな三輪バギー感覚のスタイルとなった。
空冷2サイクル49ccエンジンは、4PS/ 6000rpmを発揮。2速オートマッチクと組合されて、安定した走りを生む。
車両価格はいくらだった?
13万9000円。
結局スリーターは他社の追随もなく、ブームになることはなかった。しかし、「GYRO X」「GYRO CANOPY」など、現在もビジネススリーターの系譜は続いている。
文/中馬幹弘