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今年6月に義務化される「HACCP」って何?飲食に関わる人は覚えておきたいキーワード

2021.01.11

「HACCP(ハサップ)」という言葉をご存知だろうか。実はこの言葉、飲食店やパン屋、弁当屋、スーパー、給食施設など飲食に関わる業界に携わっている人なら、必ず覚えておきたい用語の一つ。

本記事では、HACCPとは何なのかを基本から解説する。実は、HACCPはすべての事業者において、2021年6月に完全義務化される。期限が迫っているため、しっかりと内容を把握しておこう。

HACCPとは何?簡単に解説

HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとった言葉で、「危害分析重要管理点」と訳す。世界で用いられている食品製造のための衛生管理手法を指し、原料の受け入れから製造出荷までのすべての段階で、「何が健康上の危害要因になるか」を明確にし、その危害要因をどの工程で管理するかを定めるものだ。

それぞれの工程が確実に管理されているかをリアルタイムで監視記録し、必要に応じて改善措置を行う。製品の安全を確保するのがHACCPの目的だ。

HACCP1960年代のアメリカで、宇宙食の安全確保のために設けられたのが始まり。日本では、20186月に厚生労働省が改正食品衛生法を改定し、2018年から2年以内にハサップ導入を義務化することが決定された。法律の施行から1年間は猶予期間として定められるため、20216月にはHACCPが完全義務化されることになる。 なお、HACCPの名称は「ハサップ」「ハセップ」、どちらの読み方でも問題ないとされているが「ハサップ」が用いられているケースが多いようだ。

【参考】HACCP(ハサップ)厚生労働省

HACCP導入のための7原則12手順とは?

HACCPの導入ではあらかじめ「HACCPプラン」という、衛生管理のためのマニュアル作成が必要。このマニュアルには、「衛生管理のために重要な7つの原則を含む12の手順を必ず盛り込むこと」が定められている。原則12手順の具体的な内容は以下の通り。

【HACCAP 7原則12手順】

手順1:HACCPチームの編成
手順2: 製品についての記述
手順3:意図する用途の特定
手順4:製造工程一覧図の作成
手順5:製造工程一覧図の現場での確認
原則1(手順6):危害要因の分析
原則2(手順7):重要管理点(CCP)の設定
原則3(手順8):管理基準の設定
原則4(手順9):モニタリング方法の設定
原則5(手順10):改善措置の設定
原則6(手順11):検証方法の設定
原則7(手順12):記録の保持 

この手順に沿って、事業所ごとにHACCPプランを決める必要がある。つまり、企業形態や製造しているもの、従業員の人数や工場・店舗の規模などで、まったく異なるオリジナルプランになるということ。これだけ多くの手順を踏むからこそ、不具合が起こった場合の原因究明や、影響を受けた商品ロットの特定が従来よりも素早く行える。

【参考】HACCPとは?HACCP7原則12手順とは」農林水産省

HACCPの導入状況 

農林水産省が行った食品製造業への実態調査によると、令和元年時点でHACCPを「導入済み」としている事業者の割合は22.5%。「導入途中」を加えると40.5%ほどだ。また、「導入を検討している」割合は21.0%、「導入未定」と答えた事業者は18.9%だった。「HACCPに沿った衛生管理を良く知らない」と回答した事業所は19.7%も存在している。

20216月には、今まで除外されてきた小規模事業もHACCPに沿った衛生管理の制度化の対象になる。該当する事業者は、早めに準備を進めておこう。

【参考】令和元年度 食品製造業におけるHACCPに沿った衛生管理の導入状況実態調査結果

HACCP導入支援はある?補助金は?

HACCPを導入するための施設や設備の整備を行う際には、「HACCP支援法」による支援措置を受けることができる。HACCPに対応するための施設や設備にかかる資金に関しては、特別に低金利融資が受けられるという内容だ。

この支援措置を受けるためには、指定認定機関に「高度化基盤整備計画」または「高度計画書」の提出が必要。この指定認定機関は、食品の種類によって区別されており、指定認定機関から認定を受けることで⽇本政策⾦融公庫の⻑期低利融資を受けられる。

支援措置の対象となる企業は、食品の製造または加工の事業を行う中小企業者。資本金3億円以下または従業員300人以下等の条件もある。支援限度額は、事業費の80%以内または20億円のいずれか低い額となっており、物の整備、衛生管理設備の設置、監視制御システムのための機械・設備の設置に充てることができる。

【参考】HACCP支援法」農林水産省

HACCP認証とは?

先述した通り、2021年にはHACCPは完全義務化される。導入の有無については、書類の提出および定期的な視察によって確認する予定となっているが、それとは別に「HACCP認定」というものも存在する。

HACCP認証とは、自社の衛生管理システムがしっかり機能しているということを、HACCP認証資格を有している第三者から評価してもらうための制度。HACCPを徹底し、衛生管理に努めているというアピールになる。

HACCPには、大きく3つの団体認証と審査機関が存在し、経営の規模や流通の範囲、食品の種類などによってどのHACCP認証が適しているのかを選定する必要がある。

地方自治体によるHACCP認証

1つ目は、地域HACCPと呼ばれている「地方自治体によるHACCP認証」。中小企業でも取得しやすいのが特徴だ。各自治体が独自に定めた基準で審査を行う。

業界団体認証

全国菓子工業組合連合会(社)日本給食サービス協会、(社)日本食肉加工協会といった「業界団体認証」。適用範囲がその業界や業種に限られているのが特徴。

民間捜査機関による認証

民間捜査機関による認証は、比較的コストがかかりやすい傾向があるが、フードチェーン全体、事例や手引書がない特殊な業種も対象としているのが特徴だ。3つの認証機関の中で最も件数が多い。

【参考】指定認定機関一覧 -農林水産省-

HACCP認証は必須ではないが、認証を受けておくとメリットもある。例えば、HACCPに対する正しい知識を得られることで、自社の衛生管理を向上できること。もう一つは、認証を受けることでもらえる“HACCP認証マーク”を自社ホームページや店舗に掲載できること。HACCPを導入していることを知らせるステッカーが付くことで、消費者からの信用も得やすくなるはずだ。 

手引書は厚生労働省の公式サイトからダウンロードできる 

20216月から、すべての食品等事業者に対してHACCPに沿った衛生管理の実施が義務付けられているが、「何から始めたらいいかわからない」という事業者も少なくないだろう。

そこで活用したいのが、HACCP導入のための参考資料。厚生労働省の公式ホームページでは、HACCP導入のための手引きや、業種別の具体例、HACCPについてわかりやすくまとめられた動画などが用意されている。

一見、ハードルが高いと思われがちなHACCP導入だが、原則や手順を守りながら進めればそう難しくないはず。困った時は、公的機関で開催される研修会に参加したり、市区町村の保健所の相談窓口を活用たりしながら導入を進めよう。

【参考】HACCP導入のための参考情報(リーフレット、手引書、動画等)-厚生労働省-

文/oki

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