自宅で過ごす時間が増えている中、大事な腕時計のメンテナンスを自宅で行うのもよいかもしれない。そこで腕時計のセルフケアの方法やグッズを紹介する。
しかし大事な腕時計であれば、基本的に、自分ではいじらず、専門家に依頼したほうがいい。今回は、あくまでセルフケアでできることをお届けする。
腕時計専用クリーナー&コーティング剤を利用する
一般的に、腕時計の掃除は、クリーナーで拭いたあとに、コーティング剤を塗るという方法で行う。
今回、最初に紹介するグッズは、シュアラスターというブランドの「腕時計専用クリーナー&コーティング剤 Purify Time(ピュリファイ タイム)」だ。
よく、腕時計の掃除というと、固く絞ったおしぼりで拭き上げた後、乾拭きをするといった方法が案内されることがある。しかしこの方法は「手の脂を乾拭きしながらまんべんなく広げているだけという側面もあり、一般的なケアとしては限界がある」と都内百貨店の時計外販担当を20年務めるM.A氏は語る。
そんなとき、Purify Timeを専用のクロスで拭き上げると細かいところの汚れも落ち、付属のクロスで 乾拭きすると拭きスジが残らず、本来の美しい輝きが戻ってくるそうだ。
シュアラスターは1947年にカリフォルニアで誕生したカーケア用品で知られるブランド。クリーナーやコーティングなどのカーケア用品の開発で長年積み重ねてきた知見と技術により、腕時計専用のケア製品を作った。
カーケアにも用いる「ガラス系特殊ハイブリッドコート」を採用し、汚れを落とすと同時にコーティング被膜を形成。ツヤを出し、小傷や汚れをつきにくくする。また「帯電防止剤」を配合することで、精密機器の大敵である静電気を抑制する。
シュアラスターの代表 菊地英雄氏は、この商品の名称や背景について、次のように話す。
「腕時計もまた、車と同じくオーナーさまが特別な想いをもって所有されるアイテムです。『Purify Time』という商品名は、時計を綺麗にするという意味はもちろん、大切な腕時計を愛でながらケアしているその時間が、オーナーさまにとって自分らしくいられる時間であって欲しいという意味を込めてつけました」
●使い方
早速「腕時計専用クリーナー&コーティング剤 Purify Time(ピュリファイ タイム) 」の使い方を見ていこう。シュアラスターの担当者は次のように解説する。
「使い方は本当に簡単です。ボトルをよく振り、付属のクロスにスプレーし、全体を拭き上げてください。伸びも良く、少量で充分効果を発揮します。クリーナー・コーティング・帯電防止・防汚効果を兼ね備えておりますので、定期的なお手入れで良い状態を保つことができます」
また初心者向けに、失敗しがちなことを教えてもらった。
「使用方法がシンプルですので、どなたでも失敗なくご使用いただける商品ですが、強いて言えば、必ず付属のクロスをご使用いただきたいです。クロスには長い毛足で傷をつけにくく、また、かき取り力に優れたマイクロファイバークロスを採用しています。汚れた場合は中性洗剤で洗って繰り返しご使用いただけますが、買い替えの場合はシュアラスター マイクロファイバークロスをおすすめいたします」
腕時計のちょっと汚れが目立つ、ツヤがなくなってきたという場合には、利用してみるのもいい。
腕時計をセルフケアする際に役立つグッズ
その他、腕時計をセルフケアする際に役立つといわれるグッズを紹介する。
1.ハープ「セーム革〈鹿革〉」
出典:ハープ
中国産の野生の鹿キョンの皮を使用したセーム革。腕時計のほか、宝石貴金属、メガネ、美術品、あらゆる器物に使え、汚れも除去するという。何度でも洗って繰り返し使えるのも便利なポイント。また、シリコン加工が施されており、密着しつつもスムーズな拭き取りができるという。
2.HELI「マイクロファイバークロス」
出典:SWEETROAD
ドイツの時計・ジュエリーのケア用品専用ブランド「HELI(ヘリ)」によるマイクロファイバークロス。こするだけで腕時計のガラス・ケース・ベルトの油汚れや皮脂汚れなど、あらゆる汚れ落としに使える。繊維構造がやわらかなところから、磨き傷がつかないのが特徴だ。革ベルトのツヤ出しにも使える。
3.HELI「革ベルト用・消臭スプレー」
出典:SWEETROAD
同じくHELIの革ベルト用消臭スプレー。革ベルトタイプの腕時計は、たまには革ベルトをにおってみて、もしヤバいと感じたなら、この消臭スプレーを利用するのも一つの方法だ。
時計のベルトのにおいの原因である「カビ」を長期間にわたって取り除くという。1週間に2回程度、革ベルトの裏面に軽くスプレーして使用する。
おうち時間が多い今こそ、腕時計に最低限のセルフケアを行うチャンス。自己責任で、丁寧にケアしてみよう。
【取材協力】
シュアラスター
https://www.surluster.jp/news/20201127/
取材・文/石原亜香利