DIME MAGAZINE
新しいパソコンやスマホなどのデバイスを購入した際や、インスタのようなSNSを始める時、あるいはアプリをダウンロードした時などに「デフォルト設定」「デフォルト表示」という言葉を目にする。この「デフォルト」とはどんな意味なのか疑問に思ったことはないだろうか。おおよその意味は検討がついても、正確に把握しているか？と言われると自信がない人もいるのでは。
そこで本記事では、意外と説明しづらい「デフォルト」という言葉について、語源や使い方を解説する。
デフォルトとは何？語源や関連語の意味
まず、「デフォルト」というのはどういった意味の言葉なのだろうか。元となった語源や、よく使われる関連語について見てみよう。
デフォルトは英語の「default」が由来
デフォルトは、英語で表記すると「default」。「失敗する」という意味の「fault」が「de」で強調された単語であり、義務を怠る、不履行、欠場といった意味を持つ。
そしてもう一つ、コンピュータ用語としても「default」が使われる。この場合は、「de（除去、否定の意味）＋fault（誤り）」という意味になり、パソコンなどの電子機器において、設定しておかないと生じてしまうプログラムのエラーを防ぐため、出荷時に一定の数値などを設定しておくことを指す。「初期設定」や「規定」と訳されることもある。
デフォルト設定、デフォルト表示とは
冒頭でも触れたように、日常生活、特にパソコンやスマホを使う際によく使われる「デフォルト表示」や「デフォルト設定」という言葉。これは何を表しているのかを解説しよう。
・デフォルト設定
デフォルト設定とは、毎回そのように動作することが定められた設定を指す。例えばiPhoneの場合、インターネットに接続する際に使われるブラウザは「Safari」が採用されているが、このSafariがインターネットブラウザの「デフォルト設定」。何もしなければ常にこのブラウザが選択され便利である一方、他のブラウザを利用したい場合は自分で設定を変更する場合がある。その他にも、メールやカレンダーなどデフォルトで設定されているものは多い。ちなみに、「デフォルト設定」に対して、自分で好きなように変更した設定のことを「カスタマイズ設定」と言う。
・デフォルト表示
InstagramやTwitterなどのSNSにおいて、自分のホーム画面やフィード（更新状況や新着記事などをわかりやすく表示した画面）での記事や投稿の表示順序は最初から予め決められており、これを「デフォルト表示」と呼ぶ。例えばInstagramの場合、以前は時系列順がデフォルト表示になっていたが、スパムアカウントの増加に伴い、現在は独自のデフォルト表示を採用。具体的には、機械学習による分析に基づき、そのユーザーが興味を持つと思われる投稿が上位に来やすくなっている。
ネットスラング、日常用語として使われるデフォルトとは
日常生活でデフォルトは、「初期設定」から派生した「標準」「いつも通り」「定番」といった意味で使われることが多い。短い略語が好まれるネット上では「デフォ」とも言い、「あのアイドルは塩対応がデフォ」「デフォで遅刻してくる友達」のような使い方をする。
また、トッピングの種類が多いラーメン屋などでは、そのお店の基本となるメニューをデフォルトメニューと表現することもある。
その他の場面で使われるデフォルト
「初期設定」から派生したデフォルトが日常生活でよく使われていることは先述の通りだが、その他の分野では「義務を怠る」「欠場」の意味で使われることがある。主な例を挙げてみよう。
金融、経済用語のデフォルトは「債務不履行」を表す
企業や国、地方自治体が資金調達のために発行する債券のことをデフォルトと呼ぶ。通常、購入者は満期までその債権を保有していれば、元本の金額と利息を受け取ることができる。しかし、発行元が破綻するなどの原因によって、元本や利息の支払いが遅延したり、停止したりすることがある。これが「債務不履行」であり、金融用語ではデフォルトと言われる。
類語として、滞納や未払いも近い意味を持つ。デフォルトには、「利払いの停止」「額面金額（元本）の支払いの停止」「額面金額の一部のみ払い戻し」などいくつかのパターンがある。企業だけでなく、国がデフォルトに陥る事例も複数ある。特にアルゼンチンやエクアドルなど中南米諸国で頻発しているが、2015年にはギリシャがIMF（国際通貨基金）への負債額を返済できず、IMFに対して先進国として最初の債務不履行国となった。これは「ギリシャ危機」としてニュースでも大きく取り上げられたため、記憶に残っている人も多いだろう。
スポーツ用語としてのデフォルトは「棄権」の意味
「欠場」という意味のデフォルトは、スポーツ用語としては棄権・リタイヤという意味で用いられる。スポーツによっても異なるが、テニスの場合、相手の棄権による勝ちを「デフォルト勝ち」と呼ぶ。以前は如何なる理由の欠場もデフォルト勝ちとしていたが、現在はルールが少し変わり、相手がルール違反やペナルティを犯したことによる失格をして勝利した場合のみ「デフォルト勝ち（DEFと表記されることも）」という表記がなされる。
文／oki
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