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日本クオリティーで復権、2019年の国産タオル売上規模は過去10年で最高

2020.12.26

「ブランド化」など日本製タオルの高付加価値化で業績拡大目指す

今、タオル業界が好調だ。

帝国データバンクの調査では、タオルやブランケット等を製造するタオル専業メーカーの売上規模(事業者売上高ベース)が2019年には合計677億円に達し、過去10年で最高となった。近年はやや頭打ちの傾向もみられるものの、売上規模は10年間で約4割拡大するなど業界の成長が続いている。

かつて国内のタオル業界は、バスタオルなど家庭向けの汎用品を中心に、中国をはじめ外国製の安価な輸入製品が流入。国内消費の低迷も背景に、割高な国産タオルが市場から押し出され苦戦が続いていた。

しかし、近年は高付加価値・高品質タオルによるブランド戦略が進み、「今治タオル」「泉州タオル」などの産地ブランドも定着。SPA(製造小売)化や輸出の増加など、販売チャネルの多様化も進んでいる。海外製品と競合しやすい低価格帯の汎用品から脱却し、高付加価値化で「量より質」に転換、高い技術力と品質、販売力を手にした国産タオル復活の道のりが見えている。

国産輸出タオルの単価は輸入品の約5倍、ブランド化と海外販売で業績拡大に寄与

国内タオルの生産量は総じて低迷が続いてきた。経済産業省の調査によると、国内のタオル生産数量は2019年で約1万1000トンとなり、前年比96.4%にとどまる。3年連続で前年を下回り、15年間で生産量は半減した。

一方、中国製やベトナムなど東南アジア製が多くを占める輸入タオルの数量は同年で約7万2000トンと、国内生産量の6倍超にも達する 。これらのタオルは、国産品に比べて低廉な人件費と大量生産を背景とした価格の安さこそが最大の強みで、一般家庭向けのバスタオルやスポーツタオルなどで爆発的に普及した。

一方で、品質面で優れていても価格競争で対抗できない国産品が市場から押し出されたことで、国内タオルメーカーは生き残りを図るため様々な変革や差別化に迫られてきた。その中の一つが、タオル産地の「ブランド化」など高付加価値路線への転換だ。価格競争に巻き込まれやすい汎用品から脱却し、今治タオルや泉州タオルなどに代表される、各生産地が独自の品質基準を設けたタオルブランドを創造。贈答品用などを中心とした国産高級タオル市場を形成したことで、価格競争に左右されない収益の確保に成功した。

産地のブランド化以外にも、ベビー用品などでニーズが高いオーガニック原料を多用した環境配慮型のタオルや、手触りや吸水性に優れた高機能商品の開発など、各社の技術力を生かした高付加価値商品が登場。こうしたタオル業界の一連の取り組みが、国産タオルの安心・安全・高品質という評価に繋がり、高価格帯でも売れる要因となっている。

販売チャネルの多角化も各社が積極的に取り組んでいる。自社で製造から販売まで手掛けるSPA業態への転換、EC市場への参入などで消費者がより高品質なタオルに接する機会を増やし、新規顧客やリピート客の確保に成功した企業もある。

なかでも成果がみられるのは、国内販売に比べても高価格帯中心の商品が多く売れる海外市場向けの販売だ。昨年の輸出タオルは1kg当たり単価で4000円台を突破、今年も10月までの累計で約3700円となっている。

これは、フェイスタオル1枚相当が150円、大きく嵩張るバスタオルでも1枚1000円に迫る製品単価となる。輸入タオルに比べると4~5倍近い価格差があるなど、国産の輸出タオルは決して安くない。

しかし、品質の高さを最大の強みとして中国や台湾などアジア市場を中心にシェアを拡大。グローバルな高級タオル市場で確固とした地位を確立したことで、小ロット生産・高単価なタオル生産でも業績拡大可能な業態へ転換しつつあることも、業績改善を後押しする要因の一つとなっている。

コロナ禍で贈答用など中心に受注減も発生、年間売上規模は一時的に縮小と予想

今後の国内タオル業界も、高級タオル市場で収益を確保する展開が続く点に変わりはないとみられる。ただ、足元ではインバウンド需要の蒸発に加え、緊急事態宣言の発出による営業自粛などで百貨店などでの販売が落ち込んでおり、前年比3割程度の減収となったタオルメーカーもあるなど、販売に大きな影響が及んだケースも少なくない。

業務用でも、稼働率の低迷が続くホテル向けなどでは大幅な需要減がみられ、回復にはしばらく時間を要するとみられる。衛生面の意識変化を追い風に、タオルの使い捨てといったニーズの変化や、エステサロンなど業務用の高付加価値タオル需要が底堅いメーカーもあるが、タオル需要全体の減少分を補うことは難しいとみられる。

そのため、2020年の国内タオルメーカーの売上規模は一時的に前年を下回る傾向で推移すると予想される。

構成/ino.

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