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医師が解説!免疫力に関するよくある誤解とこの冬意識したい栄養の話

2020.12.26

コロナ禍で健康への関心が高まり、栄養摂取に関する興味が高まったという人も多いのではないだろうか。さらに今年の冬はより一層、感染予防を意識し、免疫力を考えた食事や生活習慣を心がける必要がありそうだ。しかし、情報があふれる中、どんな対策を取ればよいか迷うところもある。そこで今回は、医師が勧める栄養素や生活習慣を紹介する。

医師が解説!免疫力向上に関するよくある誤解

総合内科専門医の大竹真一郎先生によると、免疫力の向上や免疫調整に関して、よくある誤解が2つあるという。

【監修】

大竹真一郎先生
医師。総合内科専門医、特に消化器内科のスペシャリスト。神戸大学医学部を卒業後、愛仁会高槻病院でスーパーローテート研修(多科研修)を行い、その後は消化器専門医として内視鏡検査を中心に研鑽に励む。大腸内視鏡検査は通算1万例以上行い、おおたけ消化器内科クリニックを赤坂に開院。テレビ出演ほか、健康法やダイエット関連の著書も多数上梓している。

1.「疲労・睡眠・栄養」をトータルで意識しないと免疫力は向上しない

大竹先生によると、「疲労・睡眠・栄養不足・免疫と、一端だけを意識したケアではいつまで経っても感染リスクを低減することができない」とし、トータルにどれも意識することが重要となる。

つまり、疲労・睡眠・栄養いずれも対策を取る必要がある。

睡眠の質が悪かったり、睡眠時間自体が確保できていないと疲労が蓄積する。疲労が蓄積し、食欲が落ちると栄養不足になる。不足している栄養素があると、さまざまな器官の働きが失調し、自律神経の乱れなどが現れる。こうなるとさらに、睡眠の質が低下し、身体が休養を取ることができず、回復力が低下。この悪循環の中で、免疫バランスも当然崩れてしまうという。さらに、疲労からくる精神的なストレスも、腸内環境を悪化させ、これも免疫バランスに悪影響を及ぼすという。

2.栄養バランスを考慮せず、特定栄養素だけを摂っても意味がない

よく、免疫力に関連する栄養素として、ビタミンCやビタミンD、乳酸菌、食物繊維などが挙げられるが、大竹先生は、これらの特定栄養素だけを摂っても免疫調整はできないと述べる。

「桶理論」という理論がある。これは、身体が必要としている栄養素のうち、何かの栄養が不足していたり極端に少なかったりすると、その最も少量の栄養素と相互作用できる範囲でしか、他の栄養素も働かないというものだ。

つまり、「栄養のバランス」を考慮せずに、ビタミンCだけ、ビタミンDだけ、乳酸菌だけなど、免疫によさそうなものだけを重点的に摂取することだけでは、免疫力の向上につながらない可能性が大きいという。

免疫に効果が期待できる栄養素

この2つの誤解を持っていたなら、すぐに正しい認識を持ちたい。その上で、本当に免疫に効果が期待できる栄養素について、大竹先生は次のものを挙げる。それぞれ含まれる食品例も示しているため、食生活にバランスよく取り入れよう。

●乳酸菌

ヨーグルトなど

●β‐グルカン

・マイタケやシイタケなどの茸、酵母、穀物など
・β‐グルカンの一種「パラミロン」を含む藻類であるユーグレナ

ユーグレナ

●LPS(リポポリサッカライド)

野菜、穀類、海藻類など。明日葉、メカブ、葛根(クズの根) に多い

●ビタミンA

鶏や豚のレバー、あんこう肝、うなぎ、卵黄、にんじん、小松菜、ほうれんそうなど

●ビタミンE

魚介類、アーモンド、ナッツ、アボカドなど

●ビタミンC

ブロッコリー、ケール、キウイフルーツなど

●ビタミンD

干しシイタケ、サケ、キクラゲ、内臓ごと食べられるししゃも、しらすなど

●身体を温める食品

ショウガ、根菜類など

この中で、特に耳慣れないのは「β‐グルカン」と「LPS(リポポリサッカライド)」だ。どんな栄養素なのか?

β‐グルカンは食物繊維の一種で、一般的に免疫を上げる効果が報告されている。

また藻類のユーグレナに含まれるβ‐グルカンの一種「パラミロン」には、免疫調整効果があるという結果が発表され、ワクチン効果を高めることがわかっている。

ユーグレナは藻の一種でありながら植物のように光合成をしつつ、自分で動くことができる特異な生き物。肉・魚・野菜などが持っているような、人が必要とする栄養素をほぼすべて網羅している。「睡眠の質向上や疲労回復といったトータルでの体調調整効果が見込める注目の食材」と大竹先生は述べる。

LPSは、土の中にいる細菌由来の成分で、畑で育つ野菜、穀類、海藻類などに含まれている。パラミロンに似た働きを持ち、免疫細胞を活性化させることが分かっているという。

栄養バランスを考えた食生活を

免疫に関係する栄養素を知ったものの、偏った摂取は意味がないと大竹先生が述べていたように、バランスよく摂取していく必要がある。

日本栄養士会の公式サイトでは、中村丁次会長のメッセージとして「新型コロナウイルスの状況下、今、栄養指導に必要な一般生活者へのアドバイス」が紹介されている。

出典:日本栄養士会『中村会長のメッセージ「新型コロナウイルスの状況下、今、栄養指導に必要な一般生活者へのアドバイス」』

その一部によると「免疫能を維持するには、栄養バランスの取れた食事により、免疫システムの正常な機能を維持する各種の栄養素関連物質が適正に摂取されること、つまり、栄養不良を起こさないようにすることが第一に必要になります」と、やはり栄養バランスの取れた食事が勧められている。

そして、「健康的でバランスの取れた食事を維持するためには、さまざまな食品を食べることが必要で、そのヒントになるのが、厚生労働省が示している『食事バランスガイド』です」と述べている。

「栄養バランスってどうやってとるの?」と疑問に感じている人は、まずは食事バランスガイドを参照してみると良さそうだ。

食事バランスガイドは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考になる、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものだ。

出典:農林水産省「食事バランスガイド 【基本形イラスト】(コマと料理例)」

夏より水分摂取を意識する

大竹先生は、「夏場と違って喉が乾きにくい冬は、水分摂取も意識しましょう」とも述べる。

なぜなら、空気の乾燥や身体の水分不足により、ウイルスをブロックする「粘膜」がうまく機能しなくなる可能性が高まるからだ。

喉や鼻などの粘膜の表面には「繊毛」と言われる細かい毛のようなものが生えており、粘液による湿り気の中で細かく動き、付着したウイルスなどを外へと押し出す。

しかし空気が乾燥すると粘膜が渇き、また、知らずに脱水を起こすと分泌される粘液が減り、繊毛が機能しづらくなり、ウイルス感染リスクが上がってしまうこともあるという。

冬は水分補給を怠りがち。夏よりも意識して水分補給をしたいものだ。

さまざまな情報があふれる中、正しい情報を得て、偏りなく、バランスのよいケアを心がけることが重要と言えそうだ。

取材・文/石原亜香利

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