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ビジネス用語でもあり、単位でもある「PPM」の意味と正しい使い方

2021.01.03

「PPM」という略語を見聞きしことがあるだろうか。日常生活の中では、大気汚染のニュースや自宅で除菌剤を作る際などに使われる、濃度の単位として認識している人も多いのでは。

しかし、「PPM」はビジネス用語としても使われることがあり、その際はまったく違う意味の略語になる。そこで本記事では、使用する場面によって変化する「PPM」の意味や使い方について、それぞれのケースごとに解説していく。

PPMの意味その1:単位

ビジネス以外の場面でもっとも多く使われているのが、単位としてのppm。最近ではコロナ対策として、次亜塩素酸を希釈して除菌剤を手作りする人も増えているが、その際に用いられるのがこのppmだ。

主に濃度や組成を測る目的で使われる

ppmは、「Parts Per Million(パーツ・パー・ミリオン)」の略で、一言で言えば「100万分の1」を表す単位。しかしこれは、kgやcmのように何かの大きさや重さを測るものではなく、「ある気体・固体・液体の中に、特定の物質がどのくらいの割合で含まれているか」を表すものだ。

例えば、ppmは100万分の1なので、100万ppmが100%であることを示している。大気汚染物質の濃度や、岩石に含まれる微量元素の組成などでよく用いられ、気体中に含まれる物質のppmは「体積比」を、液体や固体中の物質のppmは「重量比」を用いるのが一般的。

また、「不良品発生率」などの確率を表す際にもppmが用いられるケースもある。

ppmの計算方法

ppmは化学分析などの際、他の単位に変換して用いられることがある。先述した次亜塩素酸などの水溶液(液体)の場合、ppmはmg/L(ミリグラムパーリットル)に変換されることが多い。水1Lを1kgとすると、1㎏は1,000gなのでこれをさらにm(ミリ)の単位である1,000分の1に換算すると1,000,000mgとなり、1mg/Lは1ppmとして表される。

また、固体の場合はmg/kg(ミリグラムパーキログラム)に変換され、この場合も同様に換算すると「1mg/㎏=1ppm」という図式が成り立つ。

ちなみに、ウイルス対策として次亜塩素酸を用いる場合、50ppmは手洗いや除菌スプレーとして、100ppmは食器などの消毒や付け置き用になど、用途によって適切な濃度を使い分ける必要がある。

PPMの意味その2:Pre Production Meetingの略

PPMには、ビジネスで使われる略語としての側面もある。その一つが「Pre Production Meeting(プリ・プロダクション・ミーティング)」だ。これは、映像や広告制作でよく使われる言葉。具体的にどういったものなのだろうか。

主に広告、撮影業界で使われる略語

PPM(プリ・プロダクション・ミーティング)には、大きく分けて2つの意味がある。1つは、広告制作の現場において、広告主や広告会社、制作会社のスタッフが実際に映像を撮影する前に行う最終確認のこと。企画や台本、演出や出演者といったさまざまな項目に関して、細部に至るまでの話し合いが行われ、これが終わると実際の撮影に移る。

もう1つは、プリプロダクションそのものをPPMという場合。略して「プリプロ」とも言われるプリプロダクションとは、映画・テレビCMなどの動画を撮影する際、事前に行われる準備作業のこと。具体的には、制作会社に依頼が入ってから実際に撮影を行うまでの、企画の構成・台本の制作・カメラマンやメイクなどのスタッフ、キャストの選定・美術の作成・ロケハンなどの全体の作業を指している。

音楽制作の現場でもプリプロという言葉はよく使われるがこの場合、本格的なレコーディングの前に行われる仮録音や事前準備のことを指している。この事前作業そのものをPPMと呼ぶこともある

PPMの意味その3:Product Portfolio Managementの略

ビジネス用語としてのもう一つの意味は、「Product Portfolio Management(プロダクト・ポートフィリオ・マネジメント)」の略。こちらは主にマーケティングや経営で使用されることが多い言葉で、経営資源の投資配分を判断するための分析手法を意味している。

経営、マーケティング業界で使われる「PPM分析」とは

PPM分析とは、1970年代にボストン・コンサルティング・グループが提唱した分析手法。自社の事業が市場においてどの位置にあるのかを把握し、今後、経営資源をどのように分配していくのが最適かを検討するもの。事業の強化、撤退などの判断にも役立つため、経営戦略を立案する際などによく利用されている。

PPM分析は、縦横を「市場成長率」「市場占有率」の2つを軸とし、4分割されたエリア(象限)によって表される。4つのエリアはそれぞれ、「花形」「金の成る木」「問題児」「負け犬」と呼ばれており、対象となる事業がどのエリアにあるかによって、今後の方針が変わっていく。4つのエリアは以下のように分類される。

1.花形(Star)

市場成長率、占有率ともに高い「花形」は、成長率が高く、競争率も非常に高い事業。市場占有率が高いため、利益を出しやすい状態と言える。競争に勝ち残るために積極的な投資を行い、「金の成る木」を目指すことが目標となる。

2.金の成る木(Cash Cow)

市場成長率が低く、占有率が高い「金の成る木」は、新規参入が少なく競争が緩やかであるために積極的な投資は必要ないフェーズ。占有率も高いため安定して利益を生み出せる状態であり、ここで得た利益を他の事業に分配していくことが望ましい。

3.問題児(Problem Child)

市場成長率が高く、占有率が低い「問題児」。ここに分類される事業は、利益を出しにくい状態ではあるが成長が期待されるため、他の事業で生み出された利益を積極的に投資していくことが求められる。

4.負け犬(Dog)

市場成長率、占有率がともに低い「負け犬」は、今後の成長も見込めない事業で積極的な投資を必要としない。ここに分類される事業は早期に撤退や整理を行い、余剰となる経営資源を他の事業に分配することが望ましいとされている。

文/oki

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