建物を建てる際に、完成予想を図面よりもよりイメージを伝えられるものとして作られる建築模型。建築家の寺田尚樹さんが2011年に開発・発売した「テラダモケイ」は、建築事務所の業務として建築模型を作るなかで、建築物自体よりも家具、街路樹などの「添景」と呼ばれるものの存在も重要だと考えるように。かといってこだわり出すとスタッフの作業も増えてしまう。そこであらかじめ「添景」を量産しておけば、日々の作業が楽になるのではないか? 趣味のプラモデルからアイデアを得て誕生した「テラダモケイ」は約9年で通算93種類。そのバリエーションは春夏秋冬の光景、スポーツ、オーケストラなどの建築模型に使える「添景」が必要なシチュエーションに加え、イベントや施設とのコラボレーションなど販売エリアや期間限定販売のものなども登場しました。
機動戦士ガンダムの世界を1/700サイズのテラダモケイで再現
2020年12月19日に発売されたのが、こちらの「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G01」「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G03」。アニメ「機動戦士ガンダム」の世界観をテラダモケイで再現できるセットです。
寺田さんによると、劇中に登場する全モビルスーツを収録したいという意図と、連邦、ジオンの両陣営にフォーカスしたものということでこの3種になったそうです。
左から「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G01」「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G03」で、各¥1500(税別)
「テラダモケイ」では建築用模型1/100のサイズを採用していますが、こちらのシリーズ3点では機動戦士ガンダムに登場する艦船の模型でポピュラーな縮尺の1/700に合わせてモデル化。モビルスーツのシルエットの違いで連邦軍とジオン軍の設計思想の違いを表現しています。「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G01」には連邦軍とジオン軍双方のモビルスーツを収録しています。
ちなみにそのラインナップはコアファイター、ガンタンク、ガンキャノン、ガンダム、ジム、ボール、ザクⅠ、ザクⅡ、シャア専用ザクⅡ、グフ、ドム、ゴッグ、ゾック、アッガイ、ズゴック、ギャン、ゲルググ、ジオング。
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G01」 完成例
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」には、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンク、など連邦軍が秘密裏に進めていたV作戦の全貌を再現。加えてジムとボールも収録しています。
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」 完成例
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G03」にはシャア専用ザク、量産型ザク、旧ザクなどを収録し、一年戦争序盤のジオン軍の攻勢を再現できるセットになっています。
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G03」 完成例
製作にはカッターナイフ・ボンド・ピンセットが必須
テラダモケイは、はがき大のなかにベースのシートと一定の強度があるタント紙で作られているので細いパーツもまっすぐ立つものの、非常に繊細なのでアンテナなどが切れてなくなってしまう可能性もあります。パーツを組み立てるには、カッターナイフ・ボンド・ピンセットなどの道具が必要です。寺田さんは、カッターはNTカッターの「プロ繊細30°カッター AD-2P」、ピンセットはタミヤの「精密ピンセット (ストレートタイプ)」、ボンドはコニシ「ボンド 木工用速乾」を使用しているそうです。
切ってみました。鼻息でも飛んでいきそうなので、小さなお子さんやペットがいる場所では厳禁ですね。
フィギュアと並べてみました。最初は横浜のリアルサイズとこれを撮ろうかと思ったのですが、行くまでに失くす自信があったので断念。
これを全部切って、並べていくわけですが、事前に並べ方を考えておかないと危険ですね。
シートの裏にはどれがどのモビルスーツで、武器なのかがわかるように番号がつけられています。
テラダモケイでは購入した人だけにわかる遊び心が隠されています。テラダモケイの色を際立たせるために入れてあるシートを出すと、そこに一言「かくしメッセージ」が書いてあるのです。「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」の場合は、「ぼくが…一番ガンダムをうまく使えるんだ!」。寺田さんいわく今回のガンダム篇はバンダイの担当者の方と相談したうえで、ガンダムで通好みの「名ゼリフ」をモビルスーツに合わせて決定。ほかの2つにはどんなセリフが選ばれているのかは、購入した人のお楽しみに。
「1/700建築模型用添景セット スペシャルエディション 機動戦士ガンダム G02」のシート。
テラダモケイでは、添景を並べる専用ケースも販売しています。
「1/100建築模型用添景セット ディスプレイケース(2L)」150×105×80mm ¥2,000(写真左)、「1/100建築模型用添景セット ディスプレイケース(S)」50×105×75mm(写真右) ¥1,500(価格はいずれも税別)
GUNDAM FACTORY YOKOHAMAでは、会場限定で食玩「機動戦士ガンダム 添景カードウエハースfeat. TERADA MOKEI」(¥250・税別)も販売。こちらは着彩済で、5種類販売しています。
今回の「機動戦士ガンダム」シリーズ3品は数量限定ではないですが、定番商品ではないため、気になる方はお早目の購入がおすすめです。年末年始の自宅時間にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
テラダモケイ
https://www.teradamokei.jp/
(C)創通・サンライズ
取材・文/北本祐子