2020年はコロナ禍において、社会現象になった『あつまれ どうぶつの森』の大ヒットや次世代ゲーム機の『PS5』と『Xbox Series X』が発売されるなど、ゲーム業界が注目を集める機会が多かった。そんな中で話題を集めたゲームが、Epic Gamesが提供する『フォートナイト(Fortnite)』だ。
2017年(日本上陸は2018年)にスタートしたオンラインゲームで、2020年5月には登録プレーヤー数が3億5000万人を突破するほどの大ヒットゲームに成長。ゲーム実況動画も盛んで日本では子供達からも絶大な人気を集めるタイトルだ。
基本プレーは無料で家庭用ゲーム機、パソコン、Androidなどさまざまなプラットフォームでプレーできる。自分がプレーしているプラットフォームと異なる機種のプレーヤーとも一緒に遊べるクロスプラットフォームプレーに対応。機種の性能によってフレームレートなどが違い、プレーする時の有利不利があるので、同じプラットフォームのプレーヤーだけでプレーすることもできる。
ゲームモードは、100人のプレーヤーが参加して最後の生き残りになるまで戦う「バトルロイヤル」や他のプレーヤーと協力してストーリーを進める「世界を救え」(有料)など。コミカルなグラフィックでコツを覚えればすぐにプレーできるが、『フォートナイト』独特の用語やルールがあるので、ゲーム初心者にはハードルを高く感じる人もいるはずだ。そんな人やこれから始めたい人のために基本的な用語を解説していこう。
タイトル:『フォートナイト』
ゲームジャンル:バトルロイヤル
価格:基本プレー無料(アイテムなどに課金要素あり)
対応プラットフォーム:『PS4』、『PS5』、『Xbox One』、『Xbox Series X』、『Nintendo Switch』、パソコン、Android
ゲームの基本は「PvP」と呼ばれるプレーヤー対プレーヤーのオンラインゲームで、100人のプレーヤーがひとつの島で最後の生き残りになるまで戦うバトルロイヤルスタイル。TPS(サードパーソンシューティング)と呼ばれる自分の操作するキャラクターが表示される三人称視点のシューティングアクションゲームで、マップ内にある武器やアイテムを集めながら他のプレーヤーと戦う。ちなみに自分の操作するキャラクターの一人称視点でプレーするシューティングアクションゲームはFPSと呼ばれている。
ゲームモードには、最後のひとりになるまで単独で戦う「ソロ」、2人一組でタッグを組んで戦う「デュオ」、4人でチームを組んで戦う「スクワッド」がある。他にストーリーを進めながら目標を達成すると報酬がもらえる「PvE(プレーヤー対エンバイロメント)」の「世界を救え」やゲーム内でイベントやストリーミング上映が開催される「パーティーロイヤル」なども用意されている。
ゲームモード選択画面。ここからプレーするゲームを選ぶ。「世界を救え」以外はプレーするのは基本無料だ。
ゲームは「バトルバス」と呼ばれる飛行船からスタートし、ここから降下地点を決めて落下する。島の場所によって激戦区になったり誰もいない場所だったりするので、降下地点はゲームの戦略上で重要なポイントになる。降下したら武器やアイテムを集める。プレーヤーは最初に「ツルハシ」を持っているが、これを使うと建築物や地形を壊して資材を入手することができる。
『フォートナイト』の大きな特徴が集めた資材で壁や階段を建築する「クラフト」の要素があること。建築に使える資材は、木材、石材、鋼材の3種類。敵の攻撃を防御したり、砦を作って拠点にしたりと「クラフト」を使いこなすのが上級者への道ともいえる。
「バトルパス」から降下するタイミングは自分で決められる。落下の時に使う「グライダー」はさまざまなデザインがあるが、すべて性能は同じだ。
敵を攻撃するだけでなく、壁や階段を建築する「クラフト」を使いこなすことが上級者への道。敵と撃ち合いながら「クラフト」で防御する猛者もいる。
武器はアサルトライフやショットガンといったアクションゲームではおなじみのアイテムが登場する。各武器には「レアリティ」と呼ばれるランクがあり、同じ武器でも連射速度や攻撃力などの性能が違う。ちなみに「レアリティ」は、「コモン(グレー)」、「アンコモン(グリーン)」、「レア(ブルー)」、「エピック(パープル)」、「レジェンダリー(オレンジ)」の順番でランクが高くなる。プレー中にランダムで降ってくる物資「サプライドロップ」には強力な武器やアイテムが入っていることも多いが、他のプレーヤーも狙っているので駆け引きが大切。物資を回収にきたプレーヤーを狙う敵もいるので注意が必要だ。
武器関係の用語では「エイム(Aim)」と「ヘッドショット(HS)」が使われることが多い。「エイム」は標的に狙いをつけること。銃をかまえると画面中央あたりに表示されるマークを目印に敵を狙い撃つが、照準を合わせることを「エイム」と呼ぶ。『フォートナイト』では、連射したり移動しながら銃を撃つと照準がブレるので気を付けよう。上級者になるには「エイム」の技術を鍛えることが重要だ。「ヘッドショット」は頭を狙撃して一撃で相手を倒すこと。「エイム」や「ヘッドショット」は他のアクションゲームでも使われる用語なので覚えておこう。
毎プレーごとに武器は入手しないといけない。ゲーム序盤は自分に合った武器を見つけることが重要。自分の戦うスタイルによって、好みの武器を見つけよう。武器の「レアリティ」は色でも判別できる。
銃をかまえて画面中央に表示される照準で狙いを付けて撃とう。連射できる銃や攻撃範囲が広いショットガンが初心者にはオススメ。
キャラクターのHP(体力)はグリーンのゲージで「シールド」は青色のゲージで表示される。「シールド」は「シールドポーション」で補充でき、攻撃を受けるとHPの代わりに減っていく。「デュオ」や「スクワッド」などのチーム戦では、プレーヤーのHPが0になった時に「ダウン」状態になる。素早い移動や攻撃ができなくなり、とどめを刺されたりそのままだと死んでしまう。味方の救援で復活することができるので、協力プレー中はお互い復活させるなど助け合うことも大切だ。
他のプレーヤーを倒すとアイテムを落としてくれるので、戦闘後に武器やアイテムの補強ができる。
ゲームは一定時間ごとに「ストーム」と呼ばれる嵐によってプレーできる範囲が狭くなっていく。建物などにずっと隠れていても「ストーム」によって場所を移動することになるので、そこも考えつつ移動しよう。ちなみに「ストーム」のエリア外は安全地帯の略称として「安置」と呼ばれることもある。移動については車やヘリなどに乗ることもでき、「デュオ」や「スクワッド」では仲間のプレーヤーと一緒に移動できるのでぜひ活用したい。
『フォートナイト』では「バトルロイヤル」で1位を獲得すると「Victory Royale」と表示されるため、1位になったことを「ビクロイ」と呼ぶ。ちなみに「ビクロイ」になると特別なアイテム「パラソル」がもらえる。スタート時の「バトルバス」からの落下時に「パラソル」を使っている人は実力者の可能性が高い。
「ストーム」に巻き込まれるとHPがどんどん減っていくので、「ストーム」に巻き込まれそうなエリアにいる時は早めに動き出そう。
マップ上にある車やボートなどは自由に乗ることができる。自分で走ったり泳ぐより早いので移動する時に活用すると便利だ。
『フォートナイト』は課金によってゲームが有利にならないのも大きな特徴だ。ゲーム内貨幣「V-BUCKS」は、主にコスチュームなどの「スキン」と特別なゲームモードに参加するための期間限定のチケット「バトルパス」などに使う。「バトルパス」の進行度は「ティア―」と呼ばれ、条件をクリアするごとにシーズン限定のゲーム内アイテムを入手できる。
『フォートナイト』には、約2か月周期でシーズンがあり、シーズン終了時に「バトルパス」や「ティア―」がリセットされるので、シーズン限定のアイテムを狙っている人は注意しよう。ショップで購入できない限定品も多いので、アイテムコレクションをする人は「バトルパス」に挑戦してみよう。
シーズンごとにテーマがあり、現在は「チャプター2シーズン5」。今シーズンの「バトルパス」には人気ドラマ『マンダロリアン』のコスチュームも登場。他コンテンツとコラボした期間限定アイテムも人気だ。
アイテムショップでは「V-BUCKS」を使ってゲーム内アイテムを購入できる。販売しているのは、コスチュームなどの「スキン」、最初の装備である「ツルハシ」、降下時に使う「グライダー」、チャットやゲーム中にダンスやアクションで感情を表現する「エモート」、入手した武器や乗物のカラーリングを変えられる「ラップ」、降下中のエフェクトの「コントレイル」、BGMにできる「ミュージック」、アイコンとして使える「バナー」だ。こういったゲーム内アイテムを使ってキャラクターをカスタマイズできるのも『フォートナイト』の魅力だ。
「ロッカー」で入手したアイテムの着せ替えができる。アイテムの種類が多いので、自分だけのキャラクターを作り上げることができるのも人気の要因。
「チャプター2シーズン5」の開始日である12月2日よりサブスクサービス「フォートナイトクルー」もスタートしている。月額1320円で、「シーズンバトルパス」アクセス権、毎月1000「V-BUCKS」のボーナス、メンバー限定の「マンスリークルーパック(限定の新規コスチュームと対応する「グライダー」、「ツルハシ」、「エモート」を含む)」などさまざまな特典が用意されている。やり込み派の人はチェックしよう。
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取材・文/久村竜二