新型コロナウイルス感染症の感染対策として、顔に付着した菌については徹底して意識している人は多いだろう。メガネを常に使用している場合、メガネの菌対策も考えたいものだ。しかし、メガネの菌対策の正しい方法を知っている人は少ないようだ。
そこで今回は、メガネブランド「Zoff」のメガネを常用するスタッフたちはどんな風にメガネの菌対策を行っているのかを聞いた。
約7割が「メガネへの菌の対策をほとんどしていない」
一般的に、メガネに対する菌対策はどのくらいされているのだろうか。
2020年10月、Zoffが全国の20代から60代の男女500名を対象に実施した「抗菌に関する意識調査」の結果によれば、コロナ禍で86%もの人が「以前よりも菌への対策を意識するようになった」と回答し、特に「目」「鼻」「口」の菌の付着には気を付けないといけないという意識を持つ人が多くいた。
しかし、実際にメガネをかけている人の中で、「メガネへの菌の対策を行っている」と回答した方は26.1%に留まる。そしてメガネへの菌の対策をほとんどしていない人は全体の73.9%という結果に。
メガネへの菌の対策をしていない人のうち、56.5%の人が、対策をしない理由として「適切な除菌の仕方がわからない。」と回答。意識は高いが、メガネにおいては適切な菌対策方法が不明という状況のようだ。
メガネの菌対策の方法5つ
実際、どんなメガネの菌対策にはどんな方法があるのか。Zoffによれば次の5つがあるという。
1.メガネ専用クリーナーで除菌する
除菌のできるメガネ専用クリーナーでふいて除菌する方法だ。このレンズクリーナー「プラクリーン」は除菌に加えて、帯電防止効果も備える。
2.水洗いする
中性洗剤などを利用して水洗いする方法だ。ちなみにお湯で洗うのはNG。レンズ表面のコーティングがはがれてしまうなど、メガネ劣化につながるためだ。
3.抗菌仕様のメガネを使用する
「Zoff SMART ANTI-BACTERIAL ZJ201017_72B1」
抗菌仕様のメガネを使用して、できるだけ菌の増殖を防ぐことも一つの方法。例えば、Zoffの抗菌モデルの一つ「Zoff SMART ANTI-BACTERIAL(ゾフ・スマート アンチバクテリアル)」シリーズは、肌に当たる部分、フレーム、鼻パッド、モダン(耳にかける部分)などに抗菌加工が施されており、菌の増殖を防ぐことができる。
4.フード付きのメガネを使用する
目元への飛沫対策としてフード付きメガネを使用する方法もある。
例えば、Zoffには次の商品がある。
●「AIR VISOR」シリーズ
「AIR VISOR(エアバイザー)」シリーズは、メガネと一体型になっているクリアなフードと、くもり止めレンズが特徴。飛沫と共に花粉対策にもなる。
●「Zoff +PROTECT ANTI-BACTERIAL」シリーズ
「Zoff +PROTECT ANTI-BACTERIAL(ゾフ・プロテクト アンチバクテリアル)」シリーズは脱着式フードで、くしゃみや咳をした際に飛び散る飛沫の目への侵入を軽減する。抗菌仕様にもなっている。フードなしで通常のメガネとしての使用も可能だ。
手指消毒用アルコールは使用NG!Zoff店長が伝授するメガネの菌対策
実際、Zoffのスタッフでメガネを常用している人は、どんな風にメガネの菌対策を行っているのだろうか? そこでZoff原宿店の店長、五十嵐さんに、スタッフが実際に行っているメガネの菌対策を教えてもらった。
●メガネ専用のレンズクリーナーで外出時や帰宅時に拭きあげ
「Zoffスタッフが実際に自宅で行っているケアとしては、メガネ専用のレンズクリーナーを使用し、外出時や帰宅時にメガネ拭きで拭きあげています。誤って行っている方も多いのですが、手指の消毒などに使用するアルコールやアルコールが含まれたシートなどは、メガネを劣化させてしまう恐れがあるので、使用しないでください」
●中性洗剤での洗浄
「その他のおすすめは、ご自宅にある食器用などの中性洗剤(界面活性剤)での洗浄です。弱酸性やアルカリ性の洗剤はメガネを傷める恐れがありますので使用を避けてください。中性洗剤をワンプッシュ程度、軽くレンズの表裏とテンプル(つる)の部分に指でやさしく伸ばし、水で洗い流します。お湯の使用は避けてください。
洗い終わったら、水分をティッシュなどで軽く吸わせた後に、メガネ拭きで仕上げます。金属のパーツは錆(さ)びてしまう可能性があるので、その部分を避けて洗っていただくか、しっかりと水気をふき取ってください」
メガネの菌対策は、意外と多くの方法があるようだ。対策が分からなかった人も、ぜひメガネに優しい正しい方法で実践したい。
取材・文/石原亜香利