スマートフォンには「CPU」や「GPU」を内蔵したチップセットが搭載されています。例外こそありますが、多くのAndroidスマートフォンには「Snapdragon」というシリーズ、iPhoneには「Aシリーズ」が採用されています。
「Aシリーズ」は、アップルが開発しているチップセット。では、iPhone 12シリーズに搭載されている「A14 Bionic」は前モデルと比較してどのように進化しているのでしょうか。
そもそもCPUってなに?
まずは、簡単にCPUとはなにかについて紹介していきましょう。CPUはスマートフォンだけでなく、パソコン製品にも搭載されているのですが、今回は「スマートフォンに搭載されているCPU」を前提に解説していきます。
CPUは処理性能に関わる重要なパーツ!
CPUとは、「Central Processing Unit」の略称で、様々な処理を行うための「演算処理装置」のことを指します。人間に例えると脳みそともいえるでしょう。
処理とひと口にいってもその役割は多種多様。動作の速さだけでなく、消費電力を減らしたり、複雑なマルチタスクを処理するといった仕事も担っています。
先に少し触れましたが、iPhoneにはアップルが開発したAシリーズが、Androidスマートフォンの多くには、クアルコム社が開発したSnapdragonシリーズが搭載されています。
余談にはなりますが、各メーカーが発売しているAndroidスマートフォンの中に入っているチップセットが、実は1つのメーカーが開発しているものなんてことも起こり得るわけですね。
実際、XperiaシリーズやAQUOSシリーズにはSnapdragonが搭載されています。
Aシリーズ一覧表はこちら
Aシリーズのチップセットとして、アップルの「技術仕様」のページで確認できるのは、「iPhone 5c」に搭載された「A6」が始まり。
もちろん、iPhone 5以前の端末にもAシリーズが採用されていた可能性はありますが、こちらは確認できませんでした。
iPhone 5c以降のどのiPhoneにどのチップセットが搭載されていたのかを、簡単にまとめたので、気になる人は下図をご覧ください。
【参照】アップル サポート 技術仕様
iPhone 12に搭載! A14 Bionicは何が進化した?
ここからが本題。iPhoneの最新モデルである「iPhone 12」シリーズにはA14 Bionicが採用されています。前モデルであるA13 Bionicと比較してどう進化しているのでしょうか。
ちなみに、このA14 BionicはiPhoneだけでなく、最新の「iPad Air」にも搭載されています。
トランジスタが118億個!?
A14 Bionicでは、5ナノメートルプロセステクノロジーを採用することで、トランジスタがなんと118億個も内蔵されています。これはA13 Bionicから40%増加した数値です。
トランジスタ数を増加させたことによって、電力効率の面でパフォーマンスが向上します。4Kビデオの編集、美しいアート作品の製作、没入感あふれるゲームをプレイするなどを、これまで以上に快適にします。
また、省電力によってバッテリー消費も少なくしてくれるでしょう。
「Neural Engine」の性能も大幅アップ!
iPhone Xに搭載されたA11 Bionic以降のAシリーズには、機械学習関連の処理に特化した「Neural Engine」が搭載されています。
Neural Engineは、例えばFace IDでユーザーの顔を認識したり、ポートレート撮影時に被写体を認識して背景をぼかす、ナイトモード撮影では、複数の画像を合成して明るい写真に仕上げるといった役割を果たします。
A14 BionicのNeural Engineには、A13 Bionicdでは8コアだったのに対して、16コアが搭載されています。公式HPによると、負荷が高い機械学習のタスクを最大80%速くこなし、毎秒11兆回の演算を可能にします。
※データは2020年11中旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦