Googleマップに新機能が搭載! 「自転車用のルート」も検索できるようになった。
日常的に使用するアプリとして、かなり上位に挙げられると思われるGoogleマップ。自動車のナビや電車の乗り換えなどにも利用することができますが、この登場により「道に迷う」という概念がなくなった感じすらあります。そんなGoogleマップに「自転車用」のルート検索機能を新しく搭載。コロナ禍によって通勤・通学、買い物など、自転車の利用が増えていますが、果たしてどれだけ使えるものなのか、その新機能をテストしてみました。
通いなれたルートで実走テスト
これまでGoogleマップで自転車のルートを検索するときには、「自動車」か「徒歩」のルートを検索してそのどちらかを使うしかありませんでした。しかし「自動車」で検索すると、自動車専用道路を案内されることがありますし、「徒歩」で検索すると歩道橋を通るルートを案内されることもあり、自転車で使うには不都合も多くありました。
海外ではすでに使用されているサービスだっただけに、普段から移動に自転車を使用している筆者にとっては自転車専用のルート検索の搭載は「ようやく日本でも!」というところ。
さて、テストしたのは自宅から事務所までの通勤ルート。雨天以外はほぼ自転車通勤を行っているため「快適なルート」についてはいろいろ試してすでに調査済み。ほぼストレスのない通勤をしています。
ここでいう自転車にとっての「快適なルート」とは・・・
① 安全かどうか
② 信号が少ない
大きく上記2点に絞られます(人によっては”上りが少ない”というのも入るかもしれませんが・・・)。
①の「安全かどうか」は、言うまでもなく重要なポイント。自転車は「車両」に分類されるため、基本的に車道を走ることになりますが、車道の走行レーンが広いところは安全だし気持ち的にも安心して走ることができます。
②も自転車にはかなり重要。漕ぎ出しが軽い性能の良い自転車に乗っていても、信号によるストップ&ゴーが多いと快適に走れません。停止する場面が多いと気持ちよく走れずストレスになるし、目的地までの時間も余計にかかってしまいます。
さて、Googleマップの新機能が、これら①、②の自転車にとっての快適さをもっているのか実際に使用してみました。
今のところは「まずまず」かな、という印象。
Googleマップの使い方に関しては問題ないと思いますが、現在地と目的地を入力後、丸で囲んだマークをタップすることで自転車用のルートが表示されます。
多摩川沿いの自宅から、目黒の事務所に向けてのルートを検索すると「自動車」では広い国道を通るルートが案内され、「自転車」では一部いつも使用している自転車で走りやすいルートが案内されました。
左の自動車ルートは少し遠回りではあるものの、当然のことながら広い幹線道路を通るクルマで走りやすいルート。Googleマップでルート検索すると「こんなところクルマで通れるか?」という激狭な案内をされることもあるので、今回は比較的はクルマで走りやすいルートといえるでしょう。右の自転車ルートは幹線道路を使用してはいますが、自動車ルートに比べて自動車の交通量が少なく安全に走れるルートといえます。
試しに自動車ルートで案内された国道を走ってみました。片側2車線の広い道路で、左端に自転車のレーンは準備されているものの、かなり狭い・・・。自転車で車道を走ることは法律的にはまったく問題ないのですが、実際に走れば自動車、自転車の双方が「危ねぇな!」とストレスがたまりそうな状況。正直あまり走りやすいとはいえないですね。
一方、自転車ルートは少し裏道的なクルマの交通量が少ない道を案内してくれるので、かなり自転車的に快適性が高くなっています(画像上)。ただ裏道的なところだけあって、一部かなり幅が狭い地点もあります(画像下)。全体的には走りやすく、自分が作ったルートにも共通のところがあるのですが、一部、走りにくいところもありました。
サイクリングロードを案内してくれると自転車的には走りやすい
新搭載の自転車ルートを使用してみましたが、基本的には使いやすくなっていると感じました。ただ、自転車的には川沿いのサイクリングロードを積極的に案内してもらえるとありがたいところ。前述した「①安全性」の面でも、「②信号が少ない」という点でもサイクリングロードは、自転車のルートとしてはかなり優れています。
サイクリングロードは自動車はもちろん走っていませんし、ところどころ信号はありますが、一般道に比べてかなり少なく、距離が遠くなっても結果的に目的地まで早く到着します。「自転車の高速道路」と言われることもある、かなり快適性が高い道路です。Google的には最短距離を検索するので案内されにくいのかもしれませんが・・・。
とはいえGoogleのことなので、アップデートを繰り返すうちにいつの間にかサイクリングロードを通るように案内されるようになるかもしれません。
取材・文/今 雄飛(こんゆうひ)
ミラソル デポルテ代表。スポーツブランドのPR業務を行うかたわら、自転車、トライアスロン、アウトドア関連のライターとしても活動中。趣味はロングディスタンスのトライアスロン