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12月上旬までには発送すべき「喪中はがき」の送り方と注意点

2020.12.16

身内に不幸があった場合、喪に服するべく新年のご挨拶を遠慮する意味で送付する喪中はがき。今回、意外と知られていないそのマナーや注意点について紹介していく。

そもそも「忌中」「喪中」とは

近親者が亡くなった場合に一定の期間、故人の死を悼み喪に服す期間のことを「忌中」「喪中」と呼ぶ。

それぞれ身を慎む長さが異なり、例えば、父母の死亡に際しては「忌中」は七七忌(四十九日)まで、「喪中」は一周忌(一年間)までが一般的。「忌中」「喪中」のしきたりも現在では、その多くが簡略化されているが、結婚式や祝賀パーティ、落成式などの慶事(祝い事)には、たとえ招待を受けたとしても、少なくとも「49日忌」までは見合わせたほうが無難だ。 神社への参拝や、お祭りへの参加も慎むようにする。

また、喪中に年を越す場合には、門松・しめ縄・鏡餅などの正月飾りを控え、初詣や年始まわりなども控えるのが基本。

12月上旬には送付がマナー~「喪中はがき」とは~

「喪中はがき」は、『年賀欠礼』と呼ばれ、喪中のしきたりの一つ。自分の身内に不幸があったため、年賀状による挨拶を控える旨をお知らせするご挨拶状だ。

例年年賀状のやり取りをしている相手には、先方が年賀状を用意する前に届かなくてはいけないため、遅くとも12月の上旬までに送付するのが一般的なマナーとなる。

自分は「喪中はがき」を出すべき?“親等”により異なる基準

・故人が配偶者や1親等(父母、子供)→ 喪中はがきを出す。
両親・配偶者・子供が亡くなった場合は、ほとんどの方が1年間を喪中とする。

・故人が2親等(祖父母・義祖父母・兄弟姉妹・義兄弟姉妹)→ 場合により自身で判断
一般的には、兄弟の場合は亡くなって90日、父方の祖父母は150日、母方の祖父母は90日と服喪の期間が異なる。最終的には、同居していたか、別居だったか、生前の親交の度合い、いつ亡くなったかによって、自身で判断するので、特別にお世話になっていたというような場合には、服喪期間が過ぎても喪中にされる方もいる。

・故人が3親等以上(曾祖父母、伯父叔母、いとこ)→ 喪中にしない場合が多い
※ 多くの場合、喪中とはしないが、同居していたり、親交が深かった場合、喪中にすることもある。

「喪中はがき」を出す基準は、“毎年、年賀状を出しているか”

喪中はがきは、「死亡通知」ではなく「今年は年賀状を控えさせていただきます」という“挨拶状”(お知らせ)のため、どの範囲まで送付するかは「毎年、年賀状を出しているか」で判断すると良いだろう。例年年賀状でやりとりをしていない方にはあえて送付する必要はない。

・友人・知人
→ 年賀状のやりとりがなければあえて喪中はがきを出す必要はない。

・仕事関係の方
→ 取引先など「会社名」で年賀状を出す場合は、喪中という概念がないため通常通り年賀状を出して問題ない。喪中はがきを出すとかえって余計な気を使わせてしまうケースもあるので、仕事は“公”と考えて、出さないのが通例だ。

・葬儀に参列された方
→ 葬儀に参列され、既に亡くなったことをご存知の場合でも、例年年賀状を出しているのであれば喪中はがきをお送りする。葬儀に参列した親族の場合も基本的には同様だが、親戚間で話し合い、お互いに喪中はがきを出さないと決めるケースもあるようだ。

・故人が年賀状のやりとりをしていた方
→ 毎年年賀状をやりとりをしている方宛に、故人に代わりご自分が差出人になり喪中はがきを出す。文面は、「父(母)が●日〇歳で、亡くなりました。生前は大変お世話になりました」と書く。

・夫婦連名で毎年年賀状を送付している場合は?
→ 毎年、夫婦連名で出している場合、ご主人を主体として文章を書くのが一般的。例えば妻の身内に不幸があった場合、「義父が●日に亡くなり、喪に服しているため本年は新年のご挨拶を遠慮させて頂きます」と記載する。

「喪中はがき」の正しい書き方

喪中はがきを出す際、以下の3つを盛り込んだ文章が望ましい。

(1) 前文挨拶(時候のご挨拶)
(2) 喪中のため年賀状を出さない
(3) 良い年をお迎えいただきたい

<注意点>

・誕生日・引っ越し・結婚など「おめでたいこと」「近況報告」は併記しない。
・誤って「年賀はがき」を使用しない。
・胡蝶蘭などの弔事用の切手を使用する。寒色系の比較的地味な記念切手は使用して問題ない。
・PCで作成される場合は、色は黒・濃い墨で、筆の書体を推奨する。あまりに派手なデザインやフォントの使用は控えた方が良い。

「喪中はがき」が12月上旬に間に合わない場合は「寒中見舞い」

年末に親族に不幸があった場合や、『喪中はがき』を出す余裕がなかったり、出さなかった相手から年賀状を頂戴してしまった時には、お正月が明けた段階で『寒中見舞い』を出す。

1月8日以降に出す場合は、喪中はがきは使用しない。この場合、以下の2つに注意しよう。

(1)年賀状を頂いた御礼
(2)喪中であった為に年賀状を出せなかったこと
※もし年賀状を送った後に、身内に不幸があった場合
・お正月明けに年賀状をいただいた方に「寒中見舞い」を送付。
・場合によっては1年返信をせずに過ごし、次の年末に「喪中はがき」を出すなど、対応が分かれる。

「喪中はがき」を受け取ったらどう返す?~「喪中見舞い」の返し方~

「喪中はがき」が届いたら、「喪中見舞い」を返す。「亡くなられた事を知っている場合」「亡くなられた事を「喪中はがき」で初めて知った場合」によって、内容が異なる。

■ 「亡くなられた事を知っている場合」

喪中の方はさびしい年末年始を過ごしていることだろう。年賀状は控え、挨拶状をいただいた御礼のお返事を出すと丁寧だ。
(1)ご挨拶状をいただいた御礼
(2)ご遺族がさびしい新年を迎える事への慰めと励まし
(3)こちらからも年賀状を遠慮させていただく

■ 「亡くなられた事を「喪中はがき」で初めて知った場合」

(1)ご挨拶状を頂いた御礼と、ご不幸を知らずにいた失礼をお詫び
(2)お悔やみの言葉と慰めや励まし
(3)こちらからも年賀状を遠慮させて頂く旨をお伝えする

近年多い問い合わせ・質問

Q:「喪中はがき」はメールやSNSで済ませても良いか?

A:当社テレホンセンターでも、5年ほど前から増えている質問です。喪中はがきは書面で送るのが基本的なマナーですが、普段から頻繁にメールやSNS上でやり取りしている相手なら問題ないでしょう。

しかし、毎年年賀状をやり取りしている相手や、メールアドレスや連絡先を交換したきり、連絡を取っていないような相手に対してはNGです。若い方なら一般的かもしれませんが、お相手の世代や背景などを考慮し、相手との関係性や付き合いの深さによって判断するべきです。

Q:本年度の年賀状・喪中はがきで注意するべき点は?

A:新型コロナウイルスの影響により、「コロナ禍」というワードが一般的になりましたが、「禍」は忌み言葉であるため、年賀状のようにおめでたいものには避けるべき表現です。年賀状では「大変な1年でしたね。元気に来年お会いしましょう」など、なるべく新型コロナウイルスを直接記載しない方が良いでしょう。

また、特に今年は新型コロナウイルスにより、“人と人との繋がり”が分断されたしまったので、ハガキの文面で温かい言葉を送り合うことは大切だと考えています。内容も 「元気」「健康」を願う表現を多く使用し相手を慮ることが重要です。

Q:年賀状じまいとは?

A:高齢や健康状態などの理由から、毎年年賀状を書くことができなくなり「今年で年賀状を辞める」旨を伝えたい。受け取った方に失礼なく伝えるにはどうしたらよいか。という問い合わせが、近年特に増えています。当社でも「年賀状の卒業」と呼び、相手とのご縁を断ち切るものではなく、前向きな卒業となるよう、アドバイスしています。

<文章のポイント>

①:終える理由を明確に
「高齢になり、筆が持てず年賀状を書くことに限界がきているため、今年いっぱいにさせていただく」など
②:末尾に相手を思いやる表現を
「これで年賀状は終わりますが、末永く幸せに過ごさせれることを祈ってます」など

Q:喪中の際のお歳暮について

A:お歳暮は、その年お世話になった御礼で、感謝の気持ちを贈り合う慣習です。「お祝いごと」ではないため、先方が喪中でもお送りしても問題ございません。ただし、紅白の水引は使用せず、白無地の短冊を使い、表書きは「お歳暮」とします。

また、ご不幸があったばかりの場合、忌明け(四十九日)までは遠慮した方が良いでしょう。忌明け後まで待つとお歳暮の時期を逃してしまう場合は、松の内が明けてから(1月8日以降に)寒中見舞いとして贈ることも推奨します。

尚、ご自分(贈り主)が喪中の場合には、先方に不幸があったわけではありませんので、普段通りお歳暮を贈って問題ありません。ただ相手先によっては、死を「穢れ」と考え、喪中の人(「穢れ」のある人)からの贈り物を気にすることもあります。その場合にはやはり四十九日を過ぎてから水引を掛けずにお贈りします。

出典元:株式会社メモリアルアートの大野屋

構成/こじへい

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