インターネットを通じて、海外の友人とやりとりをしているという人もいるでしょう。お正月を迎えたときは、英語でどんな挨拶をすればいいのかを知っておくと盛り上がれるかもしれません。お正月の挨拶や、お正月に関連した言葉の英語表記について紹介します。
世界のお正月を確認
年末年始に家族で集まり、おせち料理を食べたり、神社にお参りをしたりというのが、日本の一般的なお正月の過ごし方です。では、日本以外の国や地域では、どのようにお正月を過ごしているのでしょうか。
アジア圏や欧米のお正月について紹介します。
中国のお正月
中国の場合、まずは日本とお正月の日がそもそも違います。
日本は太陽暦ですが、中国は太陰暦に従って正月が決められています。中国のお正月は、1月下旬から2月上旬ぐらいまでの中で、日付が毎年変動します。中国のお正月を『春節』といいます。
春節には爆竹を鳴らすなど賑やかな光景が展開されます。爆竹の音で、魔を追い払おうという意図からです。近年は爆竹の煙による大気汚染が問題化しつつあり、爆竹でのお祝いは縮小傾向にあります。
日本のおせちのような、春節ならではの定番料理もあります。地域によって料理は異なりますが、餃子や魚料理、お団子などです。春節に食べるそれぞれの食べ物には、幸福を呼び込んだり、1年の健康を願うといった思いが込められています。
アジア圏のお正月
基本的に日本以外のアジア圏では、中国と同様に旧正月に合わせて、1月下旬から2月上旬ぐらいまでの間にお正月があります。韓国のお正月は「ソルラル」といい、親戚が集まり、食事をしたり贈り物をしたりする習慣があります。
正月料理には「トック」(お雑煮に近い料理)や「ジョン」(韓国式の天ぷら)など、韓国独特のものも多くあります。先祖の霊を敬うため、『茶礼(チャレ)』という儀式を行うのも特徴的です。
ベトナムの旧正月は「テト」という名前で呼ばれます。梅や桃の花を家に飾って新年を祝います。「バインチュン」という伝統的な料理もあります。この料理で、テトの挨拶に訪れてきたお客さんをもてなします。
欧米のお正月
欧米では、どちらかというとお正月よりクリスマスの方が重要なイベントです。イタリアではクリスマスの飾りを新年まで残します。
アメリカでも、クリスマス前後は仕事を休んで家族で過ごすものの、新年は1月1日だけ休む、というのが一般的です。感謝祭からクリスマスにかけて休みを取るので、日本やアジア圏ほど、お正月をそれほど重視はしていません。
盛り上がるのは大晦日です。各地でカウントダウンパーティーが催され、家族で過ごすというよりは、街へくり出して大勢の人と共に新年を祝います。花火が打ち上がったり、ライブイベントが開催されたりして、夜通し盛り上がります。
アメリカ南部では、お正月に食べるおせち料理のようなものが存在します。「black eyed peas(ブラック・アイド・ピーズ)」と呼ばれる豆の煮込みで、黒目豆をタマネギやベーコンと共にトマト風味に仕上げた料理です。
年越しやお正月について英語では?
お正月にまつわる単語は色々あります。「年越し蕎麦」や「除夜の鐘」などは、日本独自の文化ですが、英語で表現することはできるのでしょうか?
英語ではどのように表記するのかを解説します。
年越し蕎麦
年越し蕎麦自体の風習が始まったのは、江戸時代と言われています。蕎麦は当時から体に良いことが知られていて、縁起物としてハレの日に食べることが慣習化していました。
蕎麦は細く伸びるので「寿命や家運を伸ばす」という意味や、切れやすいので「厄や苦労を断つ」という意味合いがあり、今でも年越し蕎麦を食べるのは、日本人の慣習です。
「年越し蕎麦」を英語表現する場合ですが、そもそも年越し蕎麦という慣習が英語圏にはないので、「年越し蕎麦」そのものを意味する単語はありません。
まず、「蕎麦」という言葉を英語にした場合には、「Soba」でもそのまま通じます。「tempra」や「sushi」のように、アメリカではなじみのある日本料理です。
他には「Buckwheat noodles」という言い方をすることもあります。Buckwheatは蕎麦の実、noodlesは麺類です。直訳すると「蕎麦の実で作った麺類」ということになります。
これに年越しを意味する単語を付けて、年越し蕎麦は「Year crossing soba」などという言い方もできます。
除夜の鐘
除夜とは大晦日の夜のことです。除夜の鐘とは、大晦日の夜に鐘をつき、人間の煩悩を消し、新しい気持ちで新年を迎えるというイベントです。煩悩とは仏教用語で、108ある人間の欲望を表します。
英語圏には、この慣習はありません。教会で聖歌を歌ったり、祈りを捧げる方が一般的です。そのため、除夜の鐘を表す英単語はありません。
●bells of New Year’s Eve(年越しの鐘)
「除夜の鐘」はこのような表現を用います。
年始の挨拶
新年の挨拶といえば、日本では「あけましておめでとう」が定番です。英語圏ではおなじみの「Happy New Year」を使います。
ただ、「Happy New Year」は身内や親しい人に用いる砕けた言い方です。より丁寧に挨拶をするなら、以下のような表現が適切です。
●I wish a Happy New Year.
●With best New Year’s wishes.
どちらも「明けましておめでとうございます」という意味ですので、状況によって使い分けてもよいでしょう。
料理や正月飾りを英語で説明するには?
おせち料理やお餅、お正月飾りなど、日本独特のお正月の文化については、英語ではどのように説明するのかを解説します。
おせち料理
おせち料理は日本、あるいはアジア圏の一部の国に限られた風習のため、それを表す英語は存在しません。
「Osechi-ryori」という単語を使いますが、このまま伝えても英語圏の人には伝わらないでしょう。そのため、以下のように説明する必要があります。
●Osechi-ryori is special feast to celebrate New Year’s Days. Osechi-ryori usually consists of various traditional dishes. It is usually served in “jubako,” which is a special box for Osechi-ryori.
(おせち料理は新年を祝うための特別なご馳走です。おせち料理は日本の伝統的な料理から構成されており、重箱というおせち料理のための特別な箱に入れられています)
お餅やお雑煮
お餅のことは英語で「rice cake」といいます。cakeには、お菓子以外に「固まり」という意味もあり、お餅とは「お米で固められたもの」と直訳することができます。
お雑煮に関しては、英語でそのまま置き換えられる単語はありません。
●Japanese traditional soup dish for New Year’s Days. It’s a bowl of soup made with many kinds of vegetables and rice cakes.
(新年のための日本の伝統的なスープで、色々な野菜とお餅がスープの中に入っています)
などと表現すれば良いでしょう。
お正月の過ごし方も英語で解説
お正月の過ごし方についての英語も解説します。初日の出と初詣について、それぞれ見ていきましょう。
初日の出を見る
初日の出は、英語では次のように表します。
●The first sunrise of the year
直訳すると「その年の最初に見る日の出」という意味です。「初日の出を見る」という英語は、そこに見るという意味の「see」や「watch」を付けます。
●Would you like to go see the first sunrise of the year?(一緒に初日の出を見に行きませんか?)
これで「初日の出を見に行きませんか?」と誘う表現になります。少し丁寧な表現なので、外国人のビジネス仲間などに使ってみてはいかがでしょう。
初詣
初詣を表す言葉は、英語圏にはありません。そのため別の言い回しをする必要があります。
●Hatsumoude is the first visit to a shrine in the year.(初詣とは、その年で最初に神社を訪ねることです)
●Hatsumoude is New Year’s first event that Japanese people wish happiness and buy good luck charms.(初詣とは、日本人が幸運を祈ったりおみくじを買ったりする新年で最初のイベントです)
などといったように説明をすると良いでしょう。
構成/編集部