目次
『禮』という文字は『礼』という漢字の旧字体です。
2004年から人名用の漢字としても使えるようになりました。『禮』という文字の意味を知り、子どもの名前に含む際の参考にしましょう。子どもの名前を付ける際の注意事項についても、あわせて解説します。
「禮」の読み方や意味は?
『禮』という文字は、見覚えがある人はそんなに多くはないでしょう。旧字体であり、2004年から人名漢字に使えるようになりました。子どもにこの漢字を含んで名付ける親もいます。
もし、身の回りで『禮』の文字を名前に使った子どもがいた場合、読み方が分からないと、その子の親が気を悪くするかもしれません。そうならないためにも、『禮』の読み方や、意味について知っておきましょう。
人名にも使える「禮」の読み方
『禮』は音読みで「レイ」「リ」「ライ」、訓読みでは「のり」「うやま(う)」などの読み方があります。
『禮』を使った言葉には、「敬禮」(軍隊の号令、号令の際の姿勢)、「三禮」(3回繰り返して拝礼すること)といったものがあります。
礼儀に関連する言葉として使われることが多いようです。
漢字の意味、成り立ちについて
『禮』は、「礼」の旧字体で、以下のような意味があります。
〈レイ〉
1 社会生活上守るべき行動の形式。規範となる作法。また、儀式・制度など。「礼楽・礼儀・礼節・礼服・礼法/儀礼・虚礼・婚礼・祭礼・失礼・縟礼(じょくれい)・葬礼・朝礼・典礼・非礼・無礼」
2 敬って拝すること。おじぎ。「礼拝/敬礼・巡礼・答礼・拝礼・目礼・黙礼・立礼」
3 感謝の意の表明。おれい。「礼金・礼状/謝礼・返礼」
〈ライ〉
1 敬って拝すること。「礼賛・礼拝/敬礼(きょうらい)・頂礼」
2 礼に関する中国の書物の名。「礼記/儀礼・三礼」
『禮』の漢字の左側の「示」は「神への崇拝」、右側の「豊」は翡翠で溢れる器を示します。このことから「神様への奉納のための儀式や礼儀」を意味する漢字として成り立ちました。
人名ではどんな名前例がある?
『禮』という漢字は、2004年から人名に用いることが可能になりました。『禮』を使った名前にはどのようなものがあるのでしょうか。男女別に例を紹介します。
男の子の名前の例
男の子の名前としては、以下のようなものがあります。
- 禮(まさし)
- 禮斗(らいと)
- 禮舞(らいむ)
- 禮助(れいすけ)
- 禮土(れいと)
- 禮良(れいら)
- 禮優(りう)
- 禮慶(れお)
- 禮旺(れお)
『禮』の持つ意味の通り、「礼儀正しく育ってほしい」という願いを込めて付けられることが多いようです。
女の子の名前の例
女の子の名前としては、以下のようなものがあります。
- 禮子(あやこ)
- 禮乃(あやの)
- 永禮(ながれ)
- 禮子(みちこ)
- 美禮(みらい)
- 禮子(らいこ)
- 禮羽(らいは)
- 禮覇(らいは)
- 禮藍(らら)
- 禮依(れい)
- 禮愛(れいあ)
- 禮佳(れいか)
「あや」「らい」「れい」という読み方がよく使われています。男の子の場合と同じく「礼儀正しくおしとやかに育ってほしい」という願いから使われることが多いようです。
子どもの命名の際に気を付けること
名前は一生使うものなので、失敗することは子どものためにも避けたいものです。子どもの命名の際に、注意したいポイントについて解説します。
苗字とのバランスを考える
姓と名を並べたときのバランスを意識しましょう。
同じ部首ばかり使っていないかどうか、字形が四角ばかりになっていないかなど、名前を書いた際にバランスの良い字になっているかは、チェックすることをおすすめします。
名前の読みやすさと書きやすさ
名前の読みやすさは、子どもが生きていく上でとても重要です。
当て字やなかなか読まない読み方は、他人から呼ばれるときに間違えられてしまう可能性が高くなります。学校やビジネスの場で、不利に働いてしまうかもしれません。変わった名前よりも、初見でも読みやすい名前にしましょう。
書きやすさも大切な要素です。画数が多い漢字や複雑な漢字は、他人に書いてもらう際や、書類などを作成する際に、間違って書かれてしまうこともあります。そうした場合には、やり直しということになりかねません。口頭で名前を伝えるときに、相手に説明がしにくくもなります。
人生では色々な場面で名前を使いますが、そのたびに問題が起こる可能性が高くなってしまうのです。子どものためにも、読みやすくて書きやすい名前にしてあげましょう。
イニシャルにしたときのことも考えて
現代では、外国人と接したり、英語を使う機会も増えています。クレジットカードでは、名前をローマ字で表記するのが一般的です。
こうした英字で名前を表す際のことも考えて、イニシャルもチェックしましょう。「WC」や「NG」など、印象の良くないイニシャルになる名前は避けた方が無難です。
また、外国語で変な意味にならないかも、できるだけチェックしましょう。漢字の語呂だけで決めた場合、日本人の感覚としてはかっこよくても、外国では悪い意味や変な意味の言葉になっているということもありえます。
構成/編集部