住宅を購入またはリフォーム等をすると受けられる住宅ローン控除、最初の年は確定申告が必要になります。確定申告をしたことがないという方にe-TAXでの確定申告の方法をご紹介します。
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは、正式には「住宅借入金等特別控除」をいい、要件を満たす住宅を新築、購入またはリフォームを行い、住宅ローンの借入れを行った場合に、年末における住宅ローン残高の1%の所得税(控除しきれない場合は13.65万円を限度とする住民税)を直接還付してくれる制度です。
この控除の適用を受ける最初の年には、必ず確定申告が必要になります。
以後は、会社員の方なら、申告後税務署から発行される「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」、銀行から発行される「年末借入残高証明書」を会社に提出することにより、年末調整時に所得税の還付を受けることができ、確定申告する必要はありません。
早いと1月末に還付金が受け取れることも?
確定申告というと毎年2/16~3/15の間に行う必要があり、税務署に行かなければいけないと思っている人が多いのではないでしょうか。
電子申告による方法であるe-TAXで確定申告を行えば、新しい年の確定申告作成コーナーまたはソフトが更新される1月初めごろには確定申告手続を行うことができ、還付も早ければ1月末から2月初めのうちに受けることもできます。
用意するもの
① マイナンバーカード
マイナンバーカード自体の有効期限は発行から10回目の誕生日までですが、電子証明書の有効期限は5回目の誕生日となっているため、更新手続を忘れずに行っておきましょう。
また、申請時に設定した利用者証明用のパスワード、署名用電子証明書のパスワード、券面事項入力補助用パスワードが必要になります。
→マイナンバーカードがない場合は、事前に税務署にて対面による本人確認を行い、IDとパスワードを発行してもらい申告する方法もあります。これは暫定措置のため今後のためにも早めにマイナンバーカードを取得しておきましょう。
② スマホまたはICカードリーダライタ
マイナンバーカード対応のスマホで、「マイナポータルAP」を事前にインストールして、マイナンバーカードを読み取れば申告書をスマホで申請できます。
または、ICカードライタ、マイナンバーカード対応のスマホからマイナンバーカードを読み取りパソコンに取り込むことで、パソコンから申請することもできます。
マイナンバーカード対応のスマホは、iPhone7以降、Androidの230機種とほとんどのスマホが対応されています。
③ 住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書
銀行から送付される年末時点の借入金を証明する書類
④ 建物の登記事項証明書(原本)
⑤ 住宅に係る請負契約書又は売買契約書の写し
▶土地にかかる借入金がある場合
⑥ 敷地等の登記事項証明書(原本)、敷地等の分譲に係る契約書の写し
▶補助金や贈与を受けた場合
⑦ 補助金や贈与を受けたことを示す書類の写し
▶認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除を適用する場合は⑧~⑩のいずれか
⑧ 認定長期優良住宅建築等計画の認定通知書の写し、住宅用家屋証明書またはその写しまたは認定長期優良住宅証明書
⑨ 低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し、住宅用家屋証明書または写しまたは低炭素建築物新築等計画変更認定通知書の写し
⑩ 特定建築物用の住宅用家屋証明書(原本)
方法は簡単!
① 国税庁 確定申告書作成コーナーにアクセス
② スマホ、パソコンにe-TAXのソフトをインストール
③ 年末に交付された源泉徴収票に基づき画面にしたがって入力
このときに、住宅ローン控除の金額も手順に従い入力
④ 確定申告データを送信
添付が必要な書類は、データ送信時に表示された印刷できるデータの一覧に添付が必要な書類に○がついています。同じくデータを印刷した部分に封筒に貼付けできる管轄事務所の住所が記載された部分が出てくるため、それを切り取り封筒に貼付け(自分で記載してもOK)、添付が必要な書類を送ります。
確定申告書を送付する必要はありませんが、住宅ローン控除を受ける場合には各種証明書を税務署に郵送する必要があります。
相談窓口
2/16~3/15の確定申告期間に入ると税務署の相談窓口も中々つながりませんが、この期間の前であれば電話も繋がりやすく、ちょっとした疑問にも答えてくれます。
電話先は、管轄の税務署に電話し、相談内容によってプッシュボタンを押すことで適した窓口に繋がるようになっています。
また、1月中旬からAIを活用した「チャットボット」が開設され、質問を入力すると自動で答えてくれるので、一般的な質問であれば活用できそうです。
新型コロナ感染症の拡大予防のためにもe-TAXによる電子申告がおすすめです。
また、1月初めから申請できるので、混まない期間に質問もできるため後回しにせず、早めの時期から取り組むのが良いでしょう。
文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。