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究極の走りを堪能できるフェラーリ「F8 スパイダー」の魅力と世界観

2020.12.12

■連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 2019年3月、まだ新型コロナが流行する前のスイス・ジュネーブショーでフェラーリ「F8トリビュート」が一般公開された。「488GTB」の後継モデルとして登場した「F8トリビュート」はV8、3.9Lターボエンジンをミッドシップにし、後輪を駆動した。V8エンジンは「488」時代よりも約50PS出力をアップ。ボディーも空力特性を10%高めていた。ハンドリング系ではサイドスリップアングルコントロールシステムを最新バージョンの6.1に進化させていた。この2ドアクーペは最高速340km/h、0→100km/h加速2.9秒を可能にしていた。

 そして、「F8トリビュート」登場の興奮がさめやらぬ2019年9月。「F8トリビュート」をベースにドロップトップスポーツカーの「F8スパイダー」が発表された。設計、開発はクーペの「トリビュート」と同時に行なわれていたというそのボディーは、1977年に「308GTS」に始まったルーフがオープンになるシリーズの最新モデル。「488スパイダー」に替わるモデルだ。

 ミッドシップのパワーユニットはV8、3.9Lターボ。721PSの最高出力と770Nmという最大トルクを発生する。4年連続で世界のエンジン・オブ・ザ・イヤーを獲得しているこのV8ターボは、最高出力を8000回転で発生する一方で、最大トルクは3250回転という比較的低回転で得ている。これは「F8スパイダー」の特徴のひとつといえる。

「F8スパイダー」は本国でのコロナ禍での生産の遅れもあり、日本上陸がなかなか果たせなかった。2020年秋にようやくナンバー付の試乗車が登録されたのだが、それもアッという間にオーナーが決まってしまい、試乗車リストから落とされてしまった。今回の試乗はその貴重な一瞬での試乗となった。

 目の前の「F8スパイダー」は「488スパイダー」に比べて約50PSのパワーアップに対処するように改善されていた。エアインテークはサイドからリアに移し、ブロウンスポイラーの左右に設置、それをインテークプレナムに直結させている。これによりエア損失を提言しつつエンジンへの吸気量が増え、パワーアップにつながったという。

 試乗はルーフを閉めた状態からスタートした。低めの着座位置でのポジションはクルマのかなり前方にドライバーが位置する形になる。F1マシンからのフィードバックで、マシンとの一体化を狙ったポジションだ。さらに目の前のハンドルとスポーク部にはすべての操作系が内蔵されている。

 ウィンカースイッチも左折はスポーク左のスイッチ、右折はスポークの右に内蔵されているスイッチを操作する。スポーク部にある赤いスターターボタンを押し、いよいよスタート。ミッションの選択はセンターコンソールのボタンで行なう。AUTOモードを押し、走り出すと7速ATは次々とシフトアップする。街中では60km/h、7速1200回転で走れるのだ。V8エンジンのトルクの太さがわかる。

 そしてターボのタイムラグもなく、アクセルペダルを踏みこめば、即座にシフトダウンし、アッという間に高速域まで到達する。試しに閉鎖された私有地で全開加速を行ってみると、アクセルを踏んだ瞬間、一瞬、後輪が空転したが、アダプティブパフォーマンスローンチが作動し、加速態勢に移った。

 加速は手持ちのストップウォッチで0→100km/hを3秒台前半。カタログ値の2.9秒には及ばなかったが、十分に速い。加速時はエンジン回転が6000回転を超えるとハンドル頂部に内蔵されている赤ランプが1つ点灯、7000回転でもうひとつ、8000回転でさらに点灯し、ドライバーがエンジン回転計を見なくても、ドライバーはわかる仕組みになっている。

 ドライビングモードは、WET/SPORT/RACE/CT OFF/ESC OFFの各モードがスポーク付け根のダイヤルで選択できる。サーキットでRACEポジションを選択すれば、フェラーリのダイナミクスエンハンサーを作動させることができるらしいが、時間がなくて、よかった!

 走行中にルーフを開けてみた。車速が45km/h以下なら、センターコンソールのスイッチで開閉できる。開いた天井部分はリアのカバーが開き、収納スペースに2分割され、収まる。ルーフを開けてもドアウインドとリアのリフレクターを立てれば、高速走行でも風の巻き込みは気にならなかった。外気とかん高く、気持ちよいフェラーリサウンドが楽しめた。

 もちろんオーディオも楽しめる。街中を走行している時、信号待ちで停止した時はブレーキペダルを強く踏みこむと、オートホールドモードが作動する。ブレーキペダルを踏み続けなくても車両が停止状態になるこの装置も「F8スパイダー」には装備されている。だから街中走行もラクなのだ。低い着座位置でもフロントフェンダーは峰がわずかに見えるので、車幅感覚もつかみやすい。

 実用性では、座席のうしろには棚状の小物スペースが設けられているので、コートやスポーツバッグぐらいは置ける。さらにフロント部には50cmぐらいの立方体なら収まるラゲージスペースも設けられている。街中をのんびり60km/hで流し、そのまま状況が許せば340km/hの世界まで連れて行ってくれる2シーターオープンルーフスポーツ。それが新型「F8スパイダー」というスーパースポーツカーなのだ。

◾関連情報
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/f8-spider

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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