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山下達郎の曲が流れるCMで颯爽とデビューしたホンダの名車「クイントインテグラ」

2020.12.19

ラヴェルの「ボレロ」を使った2代目プレリュードのCM。ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World(邦題「この素晴らしき世界」)」を使ったワンダー・シビックのCMなど、1980年代のホンダは、美しい映像と、見事にマッチした音楽を使ったCMが多かった。

CMの好印象と呼応するかのようにホンダ車は、欧米車に近い“洗練されたクルマ”というイメージを形作られていく。

1970年代から80年代初頭までのホンダは、どこか野暮ったい印象があったが、2代目プレリュードあたりから急にオシャレなクルマが増えていったと思う。

そんな中、1985年に登場した2代目ホンダ「クイントインテグラ」は、山下達郎の「風の回廊(コリドー)」をCMソングに使い颯爽とデビューした。

後に登場したセダンには、「僕の中の少年」。マイナーチェンジ後は確か、「FIRST LUCK ~初めての幸運(しあわせ)~」、「マーマレイド・グッドバイ」といった、山下達郎の名曲を一貫して使っていた記憶がある。

海辺を走る爽やかなクルマ。ボディサイドには「DOHC」の文字が誇らしげに飾られている……「DOHCロマン」とCMで謳っていたように、スタイリッシュで走りも楽しめるクルマとして、2代目ホンダ「クイントインテグラ」は大人気車種へと成長していった。

1980年2月に誕生した、初代ホンダ「クイント」

ホンダ「シビック」とホンダ「アコード」の間を埋めるモデルとして、1980年2月に誕生したのが、5ドア・ハッチバックの小型乗用車、ホンダ「クイント」だ。

総排気量1601ccのCVCC水冷直列4気筒横置OHCエンジンを搭載。最高出力は90PS/5500rpm、最大トルクは13.2kg-m/3500rpmを発揮した。

しかし、真面目すぎる内容のためか、2代目は“スポーティでスタイリッシュ”なクルマへと大変身することになる。

1985年2月に誕生した、2代目ホンダ「クイントインテグラ・3ドア」

1985年2月、全車に4バルブDOHCエンジンを搭載し、美しいデザインと快適な居住性をもつホンダ「クイントインテグラ」が誕生した。

エクステリア

フロントに、リトラクタブル・ヘッドライトを採用。ショートノーズ・低ボンネット化を実現している。

リアは、包み込むように回り込んだラップラウンド・リアウインドウとノッチデッキハイテールを採用。ハッチバックの高いユーティリティ性と、ノッチバッククーペの美しさを両立したフォルムとなった。

サイズは、全長4280×全幅1665×全高1345mm、ホイールベース2450mm。車両重量はLSグレードの5MT車で890kg〜最上級グレードのGSiのロックアップ機構付ホンダマチック3速フルオート車でも970kgと、現代のクルマでは想像しがたい軽量ボディとなっている。

インテリア

ホンダ独創のMM思想(マンマキシマム/メカミニマム=人間のためのスペースは最大限に、メカニズムのスペースは最小限にする)を基にして、エンジンやサスペンションをコンパクト化しながらスペース効率を高めている。

さらに、2450mmのホイールベース、ワイドトレッドにより、広々とした居住空間を確保。3ドアながら後席のスペースは、想像以上の居住性を確保している。

インストルメントパネルはラップラウンド・スラントインパネとし、低位置にレイアウトしたメーターバイザーと合わせて、広く明るい視界を確保。開放感に満ちた室内空間に寄与している。

エンジン

高性能と小型軽量化を両立した4バルブDOHCエンジンを全車に搭載。さらに、ペントルーフ形燃焼室やセンタープラグ方式の採用、等長インテークマニホールドや、4-2-1-2のエキゾーストシステム(ホンダPGM-FI仕様)の採用などにより、高出力と燃料経済性を達成する。

ホンダ「クイントインテグラ」には、電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI)仕様と、シングル・キャブレター仕様が用意された。

PGM-FI仕様は、総排気量1590cc、最高出力135PS/6500rpm、最大トルク15.5kg-m/5000rpm、10モード走行燃費14.4km/L(運輸省審査値/RSi 5速マニュアル車)、60km/h定地走行燃費24.5km/L(運輸省届出値/RSi 5速マニュアル車)を発揮した。

キャブレター仕様は、総排気量が同じく1590cc、最高出力115PS/6500rpm、最大トルク13.8kg-m/4000rpm、10モード走行燃費15.4km/L(運輸省審査値/LS 5速マニュアル車)、60km/h定地走行燃費26.0km/L(運輸省届出値/LS 5速マニュアル車)。

エンジンスペック

エンジン形式 ZC
エンジン種類 水冷直列4気筒横置
弁機構 DOHCベルト駆動 吸気2 排気2
総排気量 1590cc
内径×行程 75.0×90.0mm
圧縮比 9.3

グレード/価格

ホンダ「クイントインテグラ」は当初、3ドアのみでラインアップ。グレードは4つだった。

ホンダPGM-FI仕様のエンジンを搭載するグレードが、上級の「GSi」と「RSi」。

上「GSi」、下「RSi」

キャブレター仕様のエンジンを搭載するグレードが、上級の「ZS」と「LS」になっている。

上「ZS」、下「LS」

それぞれに5速マニュアルミッション車、ロックアップ機構付ホンダマチック3速フルオート(オーバードライブレシオ)が用意された。

5MT車の標準現金価格(東京地区)は、

GSiが157万5000円
RSiが146万5000円
ZSが132万8000円
LSが119万8000円

となっている。

1985年11月より追加されたホンダ「クイントインテグラ・5ドア」

3ドアから遅れること約8か月。クイントインテグラは追加車種として、5ドアモデルをラインアップに加えた。

ホイールベースを70mm延長して2520mmとし、リアドアを追加。居住性を向上させている。

エンジンは4バルブDOHCエンジンを全グレードに搭載。最高出力はキャブレター仕様の「LS」「ZS」「GS」が100PS/6500rpm、電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI)仕様の「GSi」が120PS/6500rpm=GSi(ネット値)。

5MT車の標準現金価格(東京地区)は、

GSiが166万9000円
GSが152万9000円
ZSが139万2000円
LSが126万2000円

となっている。

1986年10月より追加されたホンダ「クイントインテグラ・4ドアセダン」

3ドア、5ドアとバリエーションを増やしてきた、クイントインテグラは、1986年10月に「クイントインテグラ・4ドアセダン」を追加した。

低ボンネット、ウェッジシェイブボディライン、大きく傾斜した前後のウィンドウなど、インテグラ3ドア・5ドアのデザインポリシーを継承し、CD値0.34と優れた空力特性を実現。

独立したトランクルームを確保し、快適な居住スペースを両立させた。

エンジンは、1.6LDOHC16バルブエンジンがPGM-FI仕様(「GSi」)とキャブレター仕様(「GS」「ZS」)のほかに、総排気量1488cc、最高出力が76PS/6000rpm、最大トルクが11.8kgm/3500rpm(共にネット値)の1.5LSOHC12バルブクロスフローエンジンがラインアップ。「VX」「RX」グレードに搭載された。

5MT車の標準現金価格(東京地区)は、

<1.6L>
GSiが170万4000円
GSが156万4000円
ZSが139万2000円

<1.5L>
VXが127万5000円
RXが115万5000円

ホンダ「クイントインテグラ」の中古車価格は?

ホンダ「クイントインテグラ」を中古車で手に入れることはできるだろうか?

当時、大人気で街にあふれていたが、大手中古車販売サイトで確認したところ、2020年11月末現在、クイントインテグラの名前で掲載されていたのは1台のみ。

1988年式 クイントインテグラ・4ドアセダン 1.5L 5MT 黄 走行距離11万8000kmで車両本体価格40万円

だった。おそらく中古車市場で望みのモデルを見かけることはほぼ、皆無といって言いかもしれない。もし見つけたら、出会いに感謝するしかない。

※データは2020年11月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。

文/中馬幹弘

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