12月に入り、都心でも最高気温が10℃に届かない日を記録するなど寒さが本格化。外出時にはコートやダウンジャケットなどが手放せなくなってきた。
一方、今年はそんな寒さ以上に気になるのが乾燥。というのも東京の先月11月1日から27日までの降雨量は14.5mmと、11月としては観測史上3番目に少なかったからだ。ただでさえ乾燥する12月だけに、11月がこの状態であれば、すでに空気はカラカラかも…。
そうなるとメンズビューティー的にチェックしておきたいのが乾燥に伴う肌トラブルだ。特に男性特有の生活習慣であるシェービングは、頻繁に行なうと角質や皮脂を落としすぎてしまい、より肌の乾燥を招くと言われている。空気も乾燥しているだけに、肌にとって二重の負担となりかねない。
そこで今回は肌への優しさと深剃りを追求してきたパナソニックのメンズシェーバー、ラムダッシュの5枚刃モデルから、10月に発売された新ラインアップより2機種をピックアップ。実際にヒゲを剃りながら、その機能や特徴をリポートしていきたい。
取り上げたのはお風呂でも剃れるタイプとしてウェットシェービングに対応した ES-LV7Tと、新たに充電中でも剃れる機能を搭載したES-LV9FXの2モデル。
一人の男性モデルの顔の左右を、それぞれES-LV7Tはフォームを使ったウェット、ES-LV9FXはフォームなしのドライでヒゲを剃ってもらい、その結果を比べてみることにした。
果たして両モデルに違いは生じるのか?
検証の前に二つの新型5枚刃ラムダッシュの機能と特徴からチェックしていこう。
お風呂でも剃れる防水設計タイプ
パナソニック
リニアシェーバー ラムダッシュ 5枚刃 ES-LV7T
本体寸法/高さ167×幅72×奥行き59mm、約210g
スイッチ/スイッチロック(電子式)
電源/充電式 急速1時間充電
表示/3段階充電残量表示
防水/防水設計(IPX7基準)※
※IPX7基準(水深1mに30分間水に浸けても有害な影響を生じる量の水の侵入がない)検査をクリアしています。
充電中でも剃れるドライタイプ
パナソニック
リニアシェーバー ラムダッシュ5枚刃 ES-LV9FX
本体寸法/高さ167×幅72×奥行き59mm、約215g
スイッチ/スマートロック機能
電源/充電・交流式 急速1時間充電
表示/マルチ機能表示(10段階充電残量表示)
両モデルの主な共通仕様
ヘッドに独自の5枚刃システムを搭載
濃いヒゲはもちろん、くせヒゲや長いヒゲなど、様々なヒゲに対応する5枚刃システムだ。その刃の内訳は、まず最も外側に「フィニッシュ刃」を配置(1、5)。アゴ下の寝たヒゲをすくい上げ、根元からとらえていく。
その内側が寝たヒゲをすくい上げ、根元からカットする「くせヒゲリフト刃」を配置(2、4)。
中央には、新形状コームの採用により、横方向に寝たヒゲ(3日程度伸ばした)も、効率的にすばやくカットする(※)「スリムコームスリット刃」を備える(3)。
※2018年度発売ES-LV9Dとの比較。パナソニック調べ。パナソニック独自の基準に基づく。使用条件により効果は異なります。
肌に密着する5Dアクティブサスペンション
そんな5枚刃ヘッドには、顔の凹凸にぴったり密着する5Dアクティブサスペンションも搭載されている。これはヘッドが前後(1)・左右(2)・上下(3)に加えて、前後にスライド(4)、ツイスト(5)もする機能。滑らかな動きで肌あたりもよく、肌ストレスを低減した、やさしい深剃りを実現する。
内刃には日本刀と同様の製造プロセスを導入した「鍛造刃」を使用。その刃先を30度とナノレベルまで鋭角化した「30°鋭角ナノエッジ内刃」とすることで、硬く、太いヒゲもスムースにカットしていく。
そんな内刃を駆動するのが、緻密な駆動系制御によりラムダッシュ史上最速の毎分約14,000ストロークを実現したリニアモーターだ(※)。しかも小型・軽量化により、ヘッド部への内蔵が可能となり、常にハイパワーをキープしながらの早剃りが可能になった。
※同社リニアシェーバー ラムダッシュにおいて。2020年8月3日現在。
駆動系には、ヒゲの濃さに応じてパワーを自動制御するラムダッシュ AIも搭載。これは、1秒間に約220回もヒゲの濃さを高精度にセンシングし、ほぼ同時にその濃さに応じたパワーに制御していく機能になる。特にヒゲの濃いエリアにおいては、ラムダッシュ5枚刃史上最高のパワーでシェービングしていくという(※)。
※同社ラムダッシュ5枚刃従来品(最大パワー時)との比較。2020年8月3日現在。
主な個別機能
マルチ表示ディスプレイ(ES-LV9FX)
10段階充電残量表示ランプ(※)やラムダッシュAIマーク、スイッチロックマーク、充電表示・完了マークなどを表示する。スイッチロックに関しては、スマートロック機能を搭載しており、シェービング時以外はスイッチが自動的にロックされ、誤作動を防ぐ。
※写真はES-LV9FX。「10段階充電残量表示ランプ」はES-LV9FX/ES-LV9Fのみ。
また充電機能では、忙しい朝などに充電切れになっても、約3分の充電で1回分(約3分)のシェービングが可能な3分クイックチャージが新たに装備された。
充電残量表示ランプ(ES-LV7T)
3段階で充電残量表示するほか(※)、ラムダッシュAIマークも表示。スイッチロックに関しては、電源ボタンを2秒以上長押しすると、ロックマークが表示されて完了となる。
※写真はES-LV7T。「3段階充電残量表示ランプ」は、ES-LV7F/ES-LV7T/ES-CV70のみ。
さらに3分クイックチャージも装備している。
実際にウェットとドライでシェービングしてみた
それではES-LV7Tによるウェットシェービングから検証していこう。上の写真がシェービング前の様子。鼻や唇の下、頬やアゴ先など広範囲にヒゲが生え揃っていることがわかる。また剃り残しが出やすいノド元にもかなり密生しているようだ。
今回は向かって右側(モデルの顔左側)をES-LV7T、左側(モデルの顔右側)はES-LV9FXを使って比較していく。上の画像は検証前の顔の様子だ。
シェービングフォームを向かって右側だけにつけてみた。シェービング剤はフォームの他、ジェルローションも使用できるが、クリームは対応していない。またスクラブ入り以外の洗顔剤、ボディソープも使える。
やり方としては外刃全体を肌に対して直角になるようにあて、ヒゲの流れに逆らうように動かしていく。ドライシェービング時よりも、さらに軽くあて、ヘッドを滑らすように剃っていく。
アゴ下やノド元のヒゲは、ほぼ〝寝た〟状態で生えているため、肌を伸ばしてヒゲを起こしてやると剃りやすくなる。
ウエットシェービングを終えた直後の様子。かなり密度濃く生えていたヒゲも、ほぼ一掃されている。ノド元を中心としたエリアもキレイに仕上がっており、5Dアクティブサスペンションなど、5枚刃ラムダッシュのポテンシャルの高さを再確認できた。
続いてES-LV9FXを使ったドライシェービングで向かって左側(モデルの顔右側)を仕上げた。ES-LV9FXは充電が切れても電源コードを接続すれば使用可能な〝充電中でも剃れる〟タイプだ。
ドライでもウエット同様に、アゴ下やノド元のヒゲはヒゲを起こしてシェービング。また外刃の一部のみで剃らないこと。肌はもちろん、外刃の構造に負担がかかる場合があるためだ。これもウエット、ドライ共通の注意事項となる。
ES-LV9FXによるドライシェービングを終えた様子。こちらも太く、硬そうに見えたアゴ先のヒゲなどが一掃され、ノド元にも剃り残しは見つけられない。顔全体の肌色も明るく、健康的になったように言える。
両サイドの仕上がりもこのとおり。ウェット、ドライともに剃り残しはもちろん、かなりの量のヒゲをカットしたのにもかかわらず、肌ストレスの痕跡がないことにも注目したい。
このようにES-LV7Tによるウェットシェービング、ES-LV9FXのドライシェービングのいずれも満足できる結果が出た。両モデルの実力に違いがないのであれば、あとはユーザーの使用シーンに合わせてセレクトすればいい。
例えば起床してからシャワーを浴びる派にはES-LV7T、洗顔や歯磨きなどの流れでシェービングする人にはES-LV9FXが最適であるはず。
新型5枚刃ラムダッシュは、そんな〝ライフスタイルに合わせた深剃り〟を可能にするシェーバーだと言えるだろう。
撮影/末安善之