サッカー日本代表で長くキャプテンを務めた、長谷部誠選手。36歳(2020年時点)となった今季もドイツ・フランクフルトで7年目のシーズンを戦っている。日本人でありながら”ブンデスリーガ最年長選手”として活躍中だ。
長谷部選手は、年間100冊以上の本を読むほどの読書家だということはあまり知られていない。本記事では、自身の著書だけでなく、長谷部選手がおすすめする本、長谷部選手を紹介する本までを紹介したい。
【目次】
長谷部選手ってどんな人?
始めに、長谷部選手のプロフィールやエピソード、名言など、長谷部選手の人となりを紹介したい。
プロフィール
静岡県藤枝市出身のプロサッカー選手で、アニメ「キャプテン翼」の主人公“大空翼”に憧れてサッカーを始める。
高校卒業と同時に浦和に加入し、2008年ドイツ・ブンデスリーガのヴォルフスブルクに移籍。その後FCニュルンベルクを経て、2014年フランクフルトに移籍。2020年5月、フランクフルトは長谷部との契約を1年延長したことを発表すると同時に、引退後はクラブのアドバイザーを務めることも明らかにした。
2006年に日本代表に初選出され、2010 年南アフリカW杯からキャプテンに指名される。2018年6月、ロシアW杯でも代表に召集されW杯3大会連続出場を果たすが、チームはベスト16に終わり、自身のインスタグラムにて、この大会限りでの日本代表引退を表明した。
現在もブンデスリーガ最年長選手として活躍中の長谷部選手は、センターハーフを本職としつつも、サイドでの起用にも対応する高い戦術理解力と抜群の安定感を兼ね備える。右サイドバックやセンターバックに入ることもできるユーティリティプレイヤーだ。
エピソード、名言
真面目な性格として知られ、時にその生真面目さを茶化されることもあるようだ。ドイツで暮らし始めてからは、“ノートに記録すること”を徹底しており、面白いなと思ったトレーニングを書いておく“トレーニングノート”、監督の言葉を記録する“監督ノート”、“読書ノート”の3つを書き続けている。
読書ノートは、大学ノートに気に入ったフレーズを書き、自分が感じたことと考えたことを加筆するそう。「本を読んでいてせっかく『いいなぁ』と思う文に出会っても2、3日経つと忘れてしまう。だから印象に残った文は読み終わったら、すぐにノートに書き写すようにしている。読書ノートで、心の点検。僕の日課のひとつだ。(『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』)」と語っている。
そんな努力家の彼が好きな言葉は「脱皮しないヘビは破滅する」。2〜3年はかかると言われるドイツ語の習得も、たった6ヶ月でマスターしてしまう。試合中、キーパーが退場処分になったときには、自ら志願し経験のないキーパーを務めたことも。
また、「サッカーとは何ですか?と聞かれたら、“仕事。愉しい仕事”と答える。僕がサッカーを愉しめば、それを見てくれる人も愉しんでくれる。自分だけ思うままに生きて、愉しむというわけではない。つまりは人生を愉しむ連鎖を生みたいということなのかもしれない(『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』)」とも語る。
日々の生活は、すべてサッカーに繋がる。サッカーは、みんなの“愉しい”を繋ぐ。笑顔の連鎖を生む活躍は、彼の真面目な努力に支えられている。
長谷部選手の著書
現在のところ、長谷部選手の著書は『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』の1冊のみだが、彼に憧れる子どもたちの中から読書感想文の題材されるほどの大人気ベストセラーブックだ。紙媒体だけでなく、電子書籍版も要チェック。
心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣
サッカー日本代表キャプテンとしてチームを勝利へ導いた男が明かす、誰もが実践できるメンタルコントロール術。タイトルの源流は、ドイツの格言「整理整頓は人生の半分」から命名されたという。長谷部選手はこの言葉に出会ってから、自分の生活や習慣を見直し、「心を整える」という考えに至った。
生活のリズム、睡眠、食事、そして練習。日々の生活から、心に有害なことをしないように、少しでも乱れたら自分で整える。そうすることによって、いかなる場面でも揺らぐことがなく力が発揮できるという。自己啓発的な内容だが、日本代表選手としての舞台裏でのやりとりやエピソードも満載。
2011年3月17日に幻冬舎より出版されたが、同月11日には東日本大震災が発生。出版社より、著者の印税は全額ユニセフを通じて「東日本大震災」支援のために寄付されることが発表され、2013年3月のビルト紙によると、売上は140万部を超えており寄付額も180万ユーロに達している。
出典 公式サイト|心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣
読書家の長谷部誠がおすすめする本
ここでは、メンタルトレーニングの一環として多数の本を読む、読書家の長谷部選手が著書『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』でおすすめしている本を紹介する。人間力やキャプテンシーを磨くラインナップに注目だ。
超訳 ニーチェの言葉/フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(著)、白取春彦(編訳)
20世紀の哲学思想に多大なる影響を与えた、19世紀ドイツの哲学者ニーチェ。「神は死んだ」という主張やナチズムとの関わりが有名なあまり“孤高の哲人”といわれる彼だが、実は明るく力強い言葉を多数残している。本書では、それらの中から現代人のためになるものを選別。誰にでも読みやすくわかりやすい内容のため、初めてニーチェに触れる方にもおすすめの一冊だ。
出典 公式サイト|超訳 ニーチェの言葉/フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ(著)、白取春彦(編訳)
人を動かす/デール・カーネギー(著)
人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則を、説得力豊かに説き起こす世界的ロングベストセラ—書。誰にでもできる簡単な原則を、わかりやすく心に残る実例を数多く挙げて説いていくスタイルが特徴だ。全4パート(+1パート)で構成されており、コミュニケーションスキルを高め、人間関係をより円滑に運ぶためのハウツーが記されている。長谷部選手も「ドイツに行ってからは哲学系の本が圧倒的に増えた。それはこの本に出会ってからだ。」と紹介している。
出典 公式サイト|人を動かす/デール・カーネギー(著)
白洲次郎 占領を背負った男/北 康利(著)
戦後、吉田茂の側近として日本国憲法制定の現場に立会い大きく関与した白洲次郎(明治35年兵庫県生まれ)。しかし、彼は表舞台には立たずに、在野精神というダンディズムを貫き通す。「あいつはいざというとき役に立つ男だ」、吉田茂にそう言わしめアメリカ人からは“従順ならざる唯一の日本人”、日本人からは“日本一格好いい男”と呼ばれた男の話。長谷部選手のみならず、本田圭佑選手もおすすめする注目の一冊だ。
出典 公式サイト|白洲次郎 占領を背負った男/北 康利(著)
長谷部選手が紹介された本
最後に、長谷部選手が紹介されている本を紹介する。客観的な視点からも長谷部選手を知れるのでチェックしてみよう。
熱きキャプテン 長谷部誠—蒼きSAMURAI2/本郷 陽二 (編)
『熱きキャプテン 長谷部誠—蒼きSAMURAI2』は、2015年8月21日に発売された小学校高学年向けの児童書。ブラジルW杯直後の長谷部選手や日本代表チームについて紹介された内容だ。ハリル・ジャパンや長谷部選手の少年時代に触れられる一冊だ。ぜひサッカー選手を目指すお子さんに読んでほしい。
石川遼、本田圭佑、長谷部誠などの言葉に学ぶ「夢の実現力」/児玉 光雄(著)
20年以上にわたりスポーツ界のチャンピオンやトップアスリートの行動パターンを分析する、臨床スポーツ心理学者である筆者が、世界を舞台に活躍する日本人アスリート59人の87の言葉を厳選して紹介する一冊。トップアスリートが自分を励まし、能力を120%発揮させる思考方法と行動方法には、なりたい自分になれるヒントが満載。サッカー界からは長谷部選手のほか、内田篤人選手、香川真司選手、本田圭佑選手らの言葉も掲載されている。
出典 公式サイト|石川遼、本田圭佑、長谷部誠などの言葉に学ぶ「夢の実現力」/児玉 光雄(著)
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文/oki