白猫は不思議がいっぱい?
白猫は、耳が聞こえないことが多い
子猫はお腹が空いたり、不安になったりすると、かわいらしい鳴き声で母猫に訴えます。すると母猫はすぐにそれに気が付いて、お乳をあげたり、体をなめて安心させたりしますよね。
ところが白猫の場合、時々、子猫が鳴いても無視して、要求に応えないことがあります。そのため白猫は「育児放棄をする悪い母親」と思われがちなのですが、それは誤解。白猫は耳が聞こえないことが多く、どんなに子猫が鳴いても気が付かないせいなのです。耳が聞こえない白猫が多いのは、「蝸牛(かぎゅう)管」と呼ばれる内耳の中のカタツムリ型の期間が、生後数日目から退化し始めるためです。
特に耳が聞こえない確率が高いのが、青い目の白猫です。左右の目の色が違う白猫をテストしてみると、青い眼のほうの耳だけが聞こえないこともあるそうです。
耳が聞こえるか聞こえないか、調べる方法
といっても、白猫すべてが耳が聞こえないわけではありません。白猫と暮らしている人は、猫の見えないところで音を出して反応を見る聴覚の簡単なテストをしてみればすぐにわかります。その時、床を動いて足音をたてないことがポイント。猫の足の裏は敏感なので、音が聞こえなくても、人が床を動いた時の振動で反応するからです。あなたが見えていないところでじっとしていて、それで音を立てた時に反応すれば、耳が聞こえている証拠です。
耳が聞こえなくても、大きな不便はない
こういう猫は、音のする方向を察知するのが難しいので、野生では生きていくのに不利。でも家で室内飼いをしている分には、特に不便はありません。それは耳が聞こえないかわりに、音を発する時に発生する微妙な振動に敏感になるからです。つまり、ほとんどの音を「足の裏で聞く」ことができるのです。また非常に注意深くなるので、視覚を最大限に使うようになります。
ですから、飼い主とのコミュニケーションも問題ありません。耳が聞こえない白猫に対して、飼い主は身振りを大きくすれば反応することがわかり、それに習熟するようになるからです。子育ても、最初こそ育児放棄をしているように見えても、やがてできるようになることが多いそうです。
白猫は、警戒心が強い
白猫は耳が聞こえないことが多いのに加え、自然界では目立つので、警戒心が強く神経質な性格になりがち。また紫外線のダメージから体を守ってくれるメラニン色素をほとんど持っていないので、日光を浴びすぎないように注意してあげてください。
文・桑原恵美子(PETomorrow編集部)
参考資料/「キャット・ウォッチング~ネコ好きのための動物行動学~」(デズモンド・モリス著・羽田節子訳/平凡社)「ねこの事典」(監修/今泉忠明、成美堂出版)
構成/inox.
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