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株価を予想する「テクニカル分析」を長期投資に役立てる方法

2020.11.29

テクニカル分析とは、株価のチャートなどの形状から今後の株価を予想するものです。長期で株式投資している方は基本売買しないため関係ないと思っているのではないでしょうか。

テクニカル分析とは? 長期投資でも必要?

テクニカル分析とは、過去のチャートの値動きをみて今後の株価動向を予想する方法です。

それに対して、景気動向、金融政策、企業の業績、事業内容などで分析することをファンダメンタル分析といいます。

テクニカルは日計り(1日で取引を決済)などの短期売買には重要視される投資方法です。一方、長期で投資する際には景気動向に関するニュース、株式の割安姓を見るPBR、PER、企業の決算内容などを見て今後どのような動きになるのか予想するファンダメンタル分析が重要視されます。

しかし、株式は需給で動くため、景気や業績内容と株価が乖離することもあり、極端にいえば成長性が見込まれ人気であれば赤字でも値上がりすることがあります。

そのため、過去の値動きは株式の需給の歴史でもあるので、過去の値動きの傾向見ること、すなわちテクニカル分析をすることで株式の大きな値動きもつかむことができます。

株式の長期投資の場合、株主優待、配当金を受取りながら長期で保有し、短期的な相場変動に動じず安定的に資産形成をします。しかし、経済は5年程度のサイクルで好景気、不景気を繰り返し、リーマンショックのような大幅に株式が下がることもあり、5年など一定の期間で利益を出すことも資産形成で大切な方法だと考えます。
一番の高値、一番の安値で売買することは難しいものの、テクニカル分析も活用して最大限の利益を得ることを目指しましょう。

長期投資に役立つテクニカル分析3選

テクニカル分析のまず基本は、5日平均、25日平均など一定期間の日々の終値の平均を線グラフで表します。

棒線は、ろうそく足といって、始値よりも終値が上がれば白抜き(表の11/16、11/20)、始値より終値が下がれば黒塗りで(表の11/17、11/18、11/19)表し、高値と安値は線(ひげという)で表します。ろうそく足は1日の動きなら日足、1週間の週足、年足などがあります。

移動平均線とろうそく足の基本を抑えたところで、早速長期投資に有効なテクニカル分析の形式をご紹介します。

■移動平均線の乖離

現在の価格または短期の移動平均線が長期の移動平均線より大きく乖離すると、移動平均線の価格まで近づく可能性があります。上に大きく乖離していれば下がるサイン、下に大きく乖離していれば上がるサインになります。

大きく上に乖離していれば売却を考える、大きく下に乖離していれば売られすぎのため新たに投資を考えると良いでしょう。

■ゴールデンクロス、デッドクロス

短期の移動平均線が長期の移動平均線を突き抜けることをゴールデンクロスといい、株価が上昇に転じるサインです。

逆に短期の移動平均線が長期の移動平均線を下に突き抜けることをデッドクロスといい、株価が値下がりに転じるサインです。

突き抜けた方が急で綺麗なゴールデンクロスは、想定通りに値上がりする可能性が高くなり、判別が難しい微妙な突き抜け方は上昇するか判別も難しいです。

■三尊天井(さんぞんてんじょう)、逆三尊(ぎゃくさんぞん)

三尊天井は、一番の山の部分で高値の天井となり、その後下がる傾向を示します。

チャートの形状が、脇侍(わきじ)を2体従えた仏像の3体の姿に似ていることから三尊といいます。英語では人間の頭と肩になぞらえてhead and shouldersといい、ネックラインと呼ばれる首の部分を株価が割り込むとさらに今後も値下がりするサインとなります。逆に割り込まなければさらなる高値になる可能性があります。

一方、逆三尊は三尊天井の逆のチャート形状で、ネックラインを超えると上昇基調に入ることを示し、超えなければネックラインがしばらくの高値、さらに下がる可能性もあります。

テクニカル分析の注意点

テクニカル分析は、チャートの値動きを過去のチャートの経験則から予想するもので、過去の値動きと必ずしも一致するわけではないため、予想が外れることもあります。

また、リーマンショック、新型コロナウィルス感染症の拡大など経済に大きな影響を与える大きな出来事が起きると急落逆に急上昇することがあります。日計りなどのように1日で決済する場合には日を跨がないため大きな動きが急に起こることは少ないですが、一日跨いで米国株式市場を始まると夜間に大きな出来事が起き、翌日テクニカル分析通りにいかないこともあり、長期ではなおさらです。長期投資でのテクニカル分析はあくまで参考として考えましょう。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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