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プロ顔負け!「京大カレー部」の新作スパイスカレー作りに密着

2020.11.23

カレーを極めてレシピ集まで出版

大学の文化系サークルのなかでは、おそらく日本で一番有名な「京大カレー部」。京都大学の学生たちが10年前に立ち上げた、カレー大好き人間の集まりだ。

「カレーは愛。愛こそカレー。それがジャスティス」をスローガンとする部員たちの活動は、よくある食べ歩きのグルメサークルとは一線を画す。

カレーへの思い入れが高じて、スパイスカレーのレシピを数多く考案し、地方都市やインドへも遠征するなど超本格的。『京大カレー部 スパイス活動』(世界文化社)と『京大カレー部 秘伝のスパイスカレーレシピ』(河出書房新社)の2冊の著書も出している彼らは、ふだんどのような活動を行っているのだろうか? 

出版デビューとなった『京大カレー部 スパイス活動

部員の自宅で、新たに開発したスパイスカレーを作るというのでお邪魔した。

部員の自宅で新作カレー作りを拝見

訪問したのは、郷里を離れて京都大学の近くに住む、三宅祥太朗さんと三宅浩士朗さんのマンション。三宅さんは双子兄弟で、同じ高校から京都大学の同じ学部・学科に進んだという、経歴も瓜二つのそっくりさん。当然と言うべきか、二人ともカレーが好きだ。

双子ともども京大カレー部員の三宅祥太朗さんと三宅浩士朗さん

ほかに「自炊ではカレーしか作らない」など、濃すぎる数人の部員が集い、カレー作りが開始された。

新作カレーの名称は、「いっぺーまーさんカレー」。今回の調理を担当する部員の大島さんによれば、「ポークビンダルーという、豚肉がごろっと入ったカレーへのオマージュとして、沖縄風にアレンジしたもの」だという。

『京大カレー部 スパイス活動』を読んで京大進学を決めたという大島さん

いっぺーまーさんカレー」の詳しい食材・作り方については後述するが、手始めに玉ねぎなどの食材をブレンダーにかけてスムージー状にし、フライパンで火を通すことから始まる。

慣れた手つきで食材をかき混ぜる大島さん

あめ色になるまで、へらでかき混ぜる作業が続く。結構、時間がかかりそうだ。

三宅(兄)さんは、「ここまで細かく粉砕すると野菜の各細胞が壊れているので、そこから水分が出てきます。それで水分を飛ばすには時間がかかります」などと細かい説明をする。

こうした専門的な解説が、京大カレー部員の得意とするところで、レシピ開発も理詰めで進めているようだ。ただし、「スパイスの種類や分量を厳密に決めるのは難しく、即興で決めることが多い」そうで、すべてを理論的には追究できないところが、ほかの料理にはない奥深さを感じるという。

コロナ禍の影響下でも奮闘する部員たち

あめ色になるのを待っている間、三宅さんたちに最近の活動についてうかがった。

「今は京大大学院にいる4代目部長・石﨑楓さんは、スパイスへの興味が止まらなくてインド遠征を敢行し、『京大カレー部 スパイス活動』にその顛末を書いています。ですが、これは部員全員参加の年中行事というわけではありません。メインとなるのは、やはり京大の学園祭。毎年11月に数日かけて行われるのですが、屋台を設営し日替わりでカレーを作ります。2019年は3千食以上。カレーを作るだけでなく、お客さんを待たせず、巧みなオペレーションをするのが大変です。学園祭を成功させるために、1年頑張るみたいなかんじです」

インドまでは行かないものの、国内の他の地方で開催される食のイベントへの出店も積極的に参加するという。なかでも、ひときわ気合を入れて臨むのが、富山県利賀村にて劇団SCOTが開催するイベントだ。特に今年は、”シアター・オリンピックス”との合同開催ということもあり、例年以上の盛況を見せた。

ちなみにシアター・オリンピックスというのは、劇団SCOTを主宰する鈴木忠志、テオドロス・テルゾプロス、ロバート・ウィルソン、ユーリ・リュビーモフ、ハイナー・ミュラーら、世界各国で活躍する演出家・劇作家により、1994年にギリシアのアテネにおいて創設された国際的な舞台芸術の祭典。これまで8ケ国で開催されてきたという国際的なイベントだ。

カレー部はこのイベントで3日間出店し、地元産食材を使って各日2種類、計6種類のカレーを作り販売したという。

話をいろいろ聞いているうちに、調理は進み、肝心かなめの豚肉の作業に入った。大きく6つに切り分けた豚肉に片栗粉をからめ、フライパンにかける。

「今回はアルコールをかけてフランベをします」と大島さん。沖縄名産の泡盛をさっとかけ、バーナーで火をつける。盛大な炎が一瞬わき上がった。

調理の技量は、ほとんどプロに近いのではないか。「インド料理店でアルバイトをしています」という部員が複数いたが、さぞや貴重な戦力となっていることだろう。

話がはずむうちに、大島さんの力作が出来上がった。

「本格派のカレーだから、かなり辛いのかな」と予想したが、ほとんど辛味がなかったのは意外。なめらかな舌触りと、初めて体験する味わいで、とてもおいしい。

ここで、ふとコロナ禍の影響が気になり、その点を聞いてみた。

「影響は、本当にかなり大きいです。食のイベントが激減し、なによりも今年の学園祭が中止となったので、活動の機会がほとんどなくなってしまいました。今は、各自が自宅で“カレー研究”にいそしんだり、メンバーの部屋に数人集まって調理と試食をするくらいです」

とはいえ、京大カレー部の認知度の高まりとともに、入部希望者は増えているそうだ。コロナ禍が終息次第、その取り組みは以前よりももっと進化することだろう。カレーが好きな方なら、今後の活動を注視する価値はあるだろう。

本邦初公開の「いっぺーまーさんカレー」のレシピ

【材料(4人分)】

・豚ばら肉:400g
・にんにく:2片
・しょうが:1片
・玉ねぎ:1個
・カシューナッツ:100g
・セロリ:1本
・細ネギ:1本
・レモン汁:適量
・黒蜜:適量
・シークワーサー:6個前後(量はお好みで。すだちやかぼすで代用可)

調味料(漬け置き)
・紹興酒:大さじ1
・老抽王:大さじ1(なければ燻製醤油か普通の醤油で代用)
・赤味噌:大さじ1
・塩麹(あれば):大さじ2
・みりん:大さじ1/2

パウダースパイス
・クミン:大さじ1
・コリアンダー:大さじ2
・ガラムマサラ:大さじ1
・ターメリック:大さじ1/2
・パプリカパウダー:大さじ4
・フェンネル:大さじ1
・シナモン:小さじ1

ホールスパイス
・カシア:1本
・ブラックペッパー(あらびき):大さじ1ほど
・カルダモン:4粒ほど
・クローブ:6粒ほど

材料の一部

【作り方】

1. 豚ばら肉はフォークで穴を空けて柔らかくし、3時間から1日の間、調味料に漬けおく。
2. にんにく、しょうがはすりおろして、玉ねぎはみじん切りにする。
3. セロリ、カシューナッツ、細ネギをミキサーにかける。
4. 鍋にごま油をしき、にんにく、しょうがを炒めて香りがたったら玉ねぎを入れる。玉ねぎがヒグマ色になったら一度ミキサーにかけて、3とともにしばらく中火で火を通す。
3と4の作業の間に豚ばら肉を漬けていた液は3に入れ、お好みのアルコール(唐辛子入りの泡盛を使うとより沖縄っぽくなる)で豚ばら肉をフランベして、香りをつける。
5. 4を3の鍋に入れ、しばらく煮込む。
6. パウダースパイスと塩少々と黒蜜少々を入れ、弱火で火を通しながら、ホールスパイスにフライパンで火を通して鍋に入れる。
7. お好みでレモン汁の酸味を加えつつ、お皿に盛ってからシークワーサーを絞って完成。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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