不要になった物を出品したり購入したりできる、フリマアプリ。スマホ一つあれば取引ができる手軽さから世代を問わず人気を集めている。最近では、新品の商品を購入する時に「手放すときにはいくらで売れるか」を考慮するという人も増えているようで、私たちの生活の一部になりつつあることがうかがえる。
参入する企業が増えるとユーザーとしては、どのアプリ、サービスを選べばいいのか迷ってしまうもの。そんな時、基準の一つにしたいのが「手数料」だ。
そこで本記事では、主要なフリマサイト、アプリの手数料を比較しながら紹介する。手数料を比較して、自分に合ったサービスを見つけてほしい。
フリマアプリでかかる手数料の種類
ヤフオクなどのオークションサイトの場合、出品や落札をするために有料の会員登録が必要なことも。しかし、フリマアプリの多くは、会員登録、会費、出品は無料に設定されており、取引成立時のみ手数料が発生する仕組みを採用している。サービスにより詳細は異なるが、実際に売買取引が始まると一般的に以下の手数料が発生する。
販売手数料
取引が成立した際に発生する手数料のこと。販売価格から、各サービスで定められている割合で差し引かれる。実は、手数料の中でも一番注目したいのが、この販売手数料。販売価格から「定められた割合」が差し引かれるため、販売価格が高い商品になると、引かれる手数料も多くなる。そのため、高値で売りたい商品を出品する際は必ず確認したい項目だ。
振込手数料
振込手数料は、売上金を現金化したいときに発生するもの。つまり出品者側にかかる費用で、振り込みを依頼するたびに発生する。中には、「特定の銀行への振り込みなら無料」など条件が設けられていることもあり、それらを上手く活用することで手数料を抑えることも可能だ。
決済手数料
決済手数料は、購入者が特定の支払い方法を選択した場合にかかる手数料のこと。「コンビニ支払い」や「キャリア決済」などを利用すると発生するケースが多い。
送料
「手数料」ではないが、送料もフリマアプリで発生する料金の一つ。出品者負担・購入者負担が選べたり、独自の配送サービスが用意されていたりと、サービスによって特色がある。
フリマアプリの手数料一覧、計算方法は?
販売手数料 | 振込手数料 | 決済手数料 | |
メルカリ | 販売価格の10% |
振込申請ごとに200円 ※お急ぎ振込利用の場合はさらに+200円 |
クレジットカード:無料 コンビニ、ATM、キャリア決済:100円 |
ラクマ | 販売価格の3.5%+(販売価格の3.5%×消費税) |
振込申請毎に210円 ※10,000円以上の金額で振込先を楽天銀行にした場合に限り無料 |
クレジットカード、楽天ペイ、LINE Pay、FamiPay、Paidy、楽天キャッシュ:無料 コンビニ、ATM、キャリア決済:100円。 |
善意のフリマjp | 販売価格の8% | 振込申請ごとに210円 |
クレジットカード:無料 コンビニ、ATM、キャリア決済:100円 |
PayPayフリマ | 販売価格(送料込み)の10% |
振込申請ごとに100円 ※振込先をジャパンネット銀行した場合は無料 |
PayPay残高、クレジットカード:無料 |
メルカリ
最大手のフリマアプリ、メルカリ。主婦層の利用も多く、子供用品や日用品のラインナップが豊富なのが特徴だ。ハンドメイド作品の出品も多く、他にはないオリジナル商品に出会えることも。
メルカリの販売手数料は「販売価格の10%」。例えば、10,000円の商品が売れたときは1,000円が差し引かれ、利益は9,000円となる(送料別途)。
振込手数料は、金融機関や申請金額に関係なく振込申請のごとに200円がかかる。さらに「お急ぎ振込」を利用する場合は200円が加算され、合計400円の振込手数料がかかる。
購入時の決済手数料は、クレジットカード払いなら無料。コンビニ・ATM・キャリア決済を利用すると100円がかかる。送料は、独自配送サービスの「メルカリ便」の利用がおすすめ。
ラクマ
楽天が運営していたフリマアプリ「フリル」と「ラクマ」とが統合し、楽天が親会社となってサービスを展開中。アイテム数が多く、ジャンルの幅広さも支持されている。ラクマ最大の魅力は、なんといっても「手数料の安さ」だ。
ラクマの販売手数料は、業界最安の「販売価格の3.5%+(販売手数料×消費税)」。例えば、10,000円の商品が売れたときは販売手数料350円と、その手数料に対する消費税10%の35円が引かれるため、利益は9,615円(送料別)。メルカリの手数料10%と比較すると、615円もの差が出る。
売上残高が1,000円以上で振込申請が可能だが、申請ごとに振込手数料210円がかかる。しかし、「10,000円以上の金額で振込先を楽天銀行にした場合」に限り、振込手数料が無料になる。ラクマを使うなら楽天銀行に口座を開設しておくのがおすすめだ。
決済手数料は、クレカ、楽天ペイ、LINE Pay、FamiPay、Paidy、楽天キャッシュは無料。コンビニ、ATM、キャリア決済の場合は100円がかかる。送料は、独自配送サービスの「かんたんラクマパック」の利用がおすすめ。
善意のフリマjp
日本エンタープライズが運営するアプリで、ブランド品を中心に多くのアウトレット商品が出品されている「善意のフリマjp」。販売手数料は、「販売価格の8%」と、フリマアプリの中では比較的安い。10,000円の商品が売れたときは800円差し引かれ、利益は9,200円となる(送料は別)。
振込手数料は、振込申請ごとに210円。決済手数料はクレジットカードなら無料、コンビニ、ATM、キャリア決済は100円がかかる。
PayPayフリマ
Yahoo!が運営する「PayPayフリマ」。PayPayを含むYahoo!関連サービスと連携できるのが特徴だ。販売手数料は、「販売価格の10%」。一見メルカリと同じように思えるが、注意したいのが「送料の扱い」。PayPayフリマでは、「送料はすべて出品者の負担」となるため、販売価格には送料も含まる。「販売価格(送料込み)の10%」と覚えておこう。
出品者が選べる発送方法は「ヤフネコ!パック」または「ゆうパック・ゆうパケット(おてがる版)」のみ。全国一律料金で、匿名配送取引が前提だ。
振込手数料は振込申請ごとに100円だが、振込先にジャパンネット銀行を指定した場合は無料になる。決済手段は、PayPay残高とクレカのみで、いずれも手数料は無料。
手数料無料のフリマアプリは存在する?
残念ながら現時点では、手数料無料のフリマアプリは存在しない。2018年6月3日までは、ラクマでは出品・購入にかかる手数料が存在しなかったが、2018年6月4日より改定され現在の手数料(3.5%)となっている。
それぞれのアプリでは、期間限定で手数料のキャッシュバックやポイントバックキャンペーンが開催されることもある。それらの情報をこまめにチェックし、賢く活用してほしい。
文/oki