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一般道、高速道路、峠道を走ってわかったスバル新型「レヴォーグ」の完成度

2020.11.23

2020年に大注目すべき国産新型車の1台が、スバル・レヴォーグだ。これまでテストコースやサーキットでの試乗会が行われてきたが、いよいよ公道を走る機会を得ることができた。走行ルートは東京・恵比寿から軽井沢・鬼押し出しに至る約200kmの行程。GT-H EX、STIスポーツEXの2台を、一般道、高速道路、ワインディングロードで走らせた。

最初に言っておくと、新型レヴォーグのパワーユニットは1.8L直噴ターボ1種類で、タイヤもヨコハマブルーアース1銘柄(GTとGT-EXは215/50R17、GT-HとGT-H EX、STIスポーツは225/45R18)だが、今回、試乗したGT-H EX(370.7万円)とSTIスポーツ(409.2万円)とでは、ドライブフィールが微妙に異なっていた。

世界的にも採用例の少ない水平対向エンジンは、どちらのグレードでも「電動車かっ」と驚くほどスムーズかつ静かに回る。水平対向エンジン独特のビートを感じさせてくれるのは走り出し、低回転域のみ・・・というのは、スバルファンとしては物足りないかも知れないが(車内でも議論があったとか)、とにもかくにも30.6kg-mに増大した圧巻のトルクの厚みと雑味が一切ない上質な回転フィール、十二分な加速力を、抜群のレスポンスとともに味わせてくれるのだ。まさに新感覚、新世代のスバル車と言っていい。

GT-H EX、STIスポーツとの違いは、まず、乗り心地である。STIスポーツのほうが、かなりレベルの高い話で、とくに荒れた路面、ザラついた路面、段差越えなどでのマイルドさ、収まり、フラット感に優れる。そしてタイヤが発するロードノイズも、比べれば圧倒的に静か。その理由は、リヤサスにある。STIスポーツはZF製の電子制御可変ダンパー、それ以外のグレードはカヤバ製のコンベンショナルなダンパーを用いているのだが、電子制御可変ダンパーはドライブモードで3段階にダンピングを変更できるだけでなく、ステアリングを切った瞬間(角度)、路面からの入力が入った瞬間、Gを検知した瞬間などに4輪を瞬時に電子制御=アダプティブ制御する。つまり、クルマの動き、入力に対して即時に反応し、最適制御してくれる。結果、乗り心地はもちろん、パワーステアリングの制御の違いもあって(STIスポーツは操舵力がより重めでセンターがよりしっかりしていて、レスポンス、保舵感に優れる)、安定感、直進感の良さを、かなりレベルの高いところで、さらにワンランク高めてくれるのだ。

ロードノイズに関しては、リヤサスペンションの構造上の違いによって、STIスポーツのほうは高周波のロードノイズをカット。速度域、路面にかかわらず驚くほど静かな走りを実現している。その理由は、標準サスはゴムブッシュとスチールハウジングを用いているのだが、STIスポーツは、高周波ノイズをカットしやすいウレタンブッシュ、アルミハウジングが奢られているからだ。STIスポーツはZF製の電子制御可変ダンパーを使っているため可変幅が広く、低速域で路面から入ってくる高周波ノイズが目立ちがちで、ウレタンブッシュ、アルミハウジングが大きな効果を発揮するのだという。

先代に対して、総合的な走りの質感が飛躍的にアップした理由の一つが車内の静粛性で、先に触れたロードノイズの遮断性能(STIスポーツがより優れる)に加え、ボディ剛性の高さ、そしてエンジンのトルクアップによって、常に低回転で走れることもその要因として考えられる。実際、高速走行でも1500回転以下で走っているシーンがほとんどで、高級サルーンさながらの快適で上質無比なクルージングを堪能できた。

首都高速では渋滞に巻込まれたが、アイサイトX搭載車なら、結論として渋滞さえも楽しみに変わる。そう、50km/h以下で作動するハンズオフドライブだ。完全に停止したあとも自動で再発進してくれるところが、ペダルまたはスイッチ操作が必要な渋滞追従機能&停止保持機能付きACCとの違い、先進的便利さだ。実際、渋滞ハンズオフ運転中は、前をしっかり見ていればOK(カメラが監視している)。ペットボトルの蓋を開ける、鼻をかむ・・・といったことも両手でできたりする。その際の減速、追従性能も文句なし。実にドライバーの意図をくんだようなスムーズかつ頼りがいある制御で、無論、アクセルを踏み増したくなるような場面はなかった。

軽井沢に向かう関越道、上信越道では高精度3Dマップ、GPS、準天頂衛星受信によるアイサイトXによる車両の周囲360度をステレオカメラ、前後4つのレーダーによってセンシングし続けてくれる安心感に満ちたクルージング、追従走行の本領を確認。加減速は素晴らしくスムーズ、というより、ペダルコントロールに長けたベテランドライバーの領域。アイサイトXまかせにしておけば、クルマ酔いしやすい乗員も安心だと思われる。

さらにアイサイトの設定速度では曲がれないとクルマが判断すれば、メーター内にカーブ警告のアイコンが点灯。自動で速度を落としてくれるし、料金所に近づけば料金所マークが点灯、自動で減速し、最適速度で通過してくれるのだから素晴らしい。これまでのACC機能では、カーブも料金所(先行車がいない場合)も、設定速度のまま突っ込んでしまうのだ。この違いは大きすぎる。

そして問題はそこからで、前車に追従して料金所ゲートを安全速度で通過後、のろり、そろりと再加速するACCもある中で、アイサイトXの再加速性能は、トルキーでレスポンシブルなエンジン性能もあって、実に活発かつスムーズに加速してくれるから気持ちいい。思わずアクセルを踏み増したくなるようなことは1度もなかった。

自動レーンチェンジも試したが、アイサイトXのすべての機能が12.3インチのフル液晶メーター内の的確な表示で実に分かりやすく安心できる。この自動レーンチェンジにしても、終始、自車左右後方の車両を検知してくれているため、左右どちらのレーンに車線変更できるのかが一目瞭然。レーンチェンジ可能なレーンが標示されれば、ウインカーを最後まできっちり倒せば、自動レーンチェンジ開始。完了すれば、ウインカーは自動で戻る。

ここで褒められるべきは、レーンチェンジのスムーズさ。一般ドライバーだとレーンチェンジ完了時に、いわゆる「おつり」がくる揺り戻し挙動が発生しがちだが、アイサイトXの自動レーンチェンジは、これまたベテランドライバーが、レーンチェンジしたことを気づかせないほどスムーズにレ―チェンジしているかのような挙動かつ、極めて安全に自動完結してくれるのである。

新型レヴォーグは基本的な運動性能、つまり直進性や安定感、電動ブレーキブースター採用による減速性能も恐れ入るほど見事だが、GT-H EXとSTIスポーツの両車を乗り比べると、ステアリングフィール、乗り心地、静粛性で、後者がより優れていると感じた。STIスポーツを知らなければ、GT系でも大満足できることは間違いないのは確かなのだが・・・。

その理由として挙げられるのが、まずはSTIスポーツの特権として備わる、SIドライブから進化したドライブモードセレクトの存在だ。コンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+、そしてパワーユニット、ステアリング、サスペンション、AWD、アイサイト、エアコンを好みにセッティングできるインディビジュアルの5つのモードから選べ、コンフォートからスポーツ+までのセレクトで、ドライブフィールに確かな差があるのが好印象。それぞれの差が微小だと、宝の持ち腐れになりがちなのだ。例えば、コンフォートの快適さに満足しつつ、山道でスポーツやスポーツ+に、ディスプレー上でセットすれば、パワー、ステアリングフィール、乗り心地、AWDの効きなどまで可変し、ダイナミックで痛快なスポーツ走行が可能になる。とくにパワーステアリングの制御が素晴らしく、センターからの遊びゼロに等しいレスポンス、スムーズで頼りがいある操舵フィール、ノーズをきっちり思い通りにスパッと向けられる人車一体感、トレース性能は、STIスポーツならではだった。ちなみにGT-H EXの操縦性は、より万人向けの、扱いやすさを重視した操舵フィールになる。

ただ、正直に言って、アイサイトXやドライブモードセレクトの使いこなしは、パソコンやスマホ、タブレットの操作などになれている人にとってはすぐに飲み込める操作、機能だが、覚えることが多く、使って有益な頭の硬いシニアドライバーが、どこまで使いこなせるかは、担当セールスの教え方、取説の読み込み次第・・・という印象も持てた。

上信越道碓井軽井沢ICを下り、直進すると、そこからはプリンス通りに至るバイパス、絶景のワインディングロードだ。ここではSTIスポーツのアダプティブ電子制御可変サスペンションが大いなる威力を発揮。ドライブモードセレクトをスポーツにセットしたことは言うまでもないが、盛り上がるパワー、シャープでリニアなステアリング、引き締まった足回りによって、上り坂をぐいぐいと余裕たっぷりに走り、上質でハイレベルすぎるフラット極まる乗り心地、意のままの操縦感覚、回頭感、まるで路面をなめるような安定感、低重心感たっぷりのスポーティな操縦性の気持ち良さを堪能することができた。水平対向エンジンが先代より40mm後方=車体中心寄りにレイアウトされていることも、回頭性の良さを高めているはずである。しかも、エンジンを高回転まで回しても、終始、車内は静かそのもの。運動性能、走りの質感、快適性の高さ、進化に改めて驚かされたのだ。

東京~軽井沢の入り口までの約170kmのドライブも、そうした新型レヴォーグの基本性能の驚くべき高さ、アイサイトXによる絶大なる安心感、SOSコールやスバルiコール(安心ホットライン)、先進機能、そしてシートの体をすっぽり包み込むような快適感あるかけ心地、自然なサポート性の良さもあって、肉体的、精神的疲労度皆無で走破、楽しむことができたのである。

なお、東京~軽井沢間の実燃費はWLTCモード13.6kmに迫る約12kmを記録。ちなみに、開発陣になぜ電動化しなかったのか?と聞いたところ、「レヴォーグはグランドツアラーというキャラクターで、高速主体の走りで使われることが多く想定され、フォレスターやXVなどに用意されているマイルドハイブリッドでは費用対効果が薄い」と説明してくれたのだが、純ガソリンターボ車、それもAWDのクルマをけっこう活発に走らせて12km台の実燃費なら納得できるというものではないだろうか。

新型レヴォーグで丸1日、ロングドライブを経験した結論としては、やはりベストグレードは、フルデジタルコクピット、ZF製電子制御可変ダンパー、アイサイトXが付くSTIスポーツEX(409・2万円)だと強く感じた。GT-H EX(370.7万円)との38万5000円の価格差は、ZF製電子制御ダンパー、ドライブモードセレクト、顔認証システムの拡大、レザーシートなどの装備類の違いで、とくに先進的な機能、より高次元の走りを望むユーザーにとっては、考え方によってはかなり圧縮されると断言できる。

スポーティで先進感あるクルマを望み、先進運転支援機能、乗り心地や車内の静かさ、動的質感、つながる安心=コネクテッド機能、そしてアウトドアやキャンプ、ペットとのドライブでも使い勝手のいいユーティリティーにも妥協せず、最善の安心、「ぶつからないクルマ」を手に入れたい・・・そんなわがまますぎる要望のほぼすべてをかなえてくれるのが、ズバリ、新型レヴォーグである。クルマ移動の守備範囲が劇的に広がる、新しい日常にも、ぴったりの1台だと感じたのも本当だ。

また、愛犬とドライブする機会の多いユーザーにも、新型レヴォーグSTIスポーツEXは、走行性能とは別のところ(快適性や静粛性、姿勢変化の少なさ、犬の乗り降りのしやすさなど)でも、格好の選択になりうると思えた。

写真は先代レヴォーグと筆者の愛犬

スバル・レヴォーグ
https://www.subaru.jp/levorg/levorg/

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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