
世界最少・最薄・最軽量の5Gスマートフォン、iPhone 12 miniと、iPhone史上最大サイズのiPhone 12 Pro Maxが発売されました。
そこで2モデルをバトル検証! 何がどう、違うのか? レビューを早速お届けします。
5Gスマートフォンとしては世界最小の5.4インチとiPhone史上最大の6.7インチ
両モデルを比べた時、違いが最も現れるのは画面サイズでしょう。
iPhone 12 miniのディスプレイサイズは5.4インチ。5Gスマートフォンの中で世界最小・最軽量・最薄なのです。
片手での操作が快適な、iPhone 12 miniのライバルとなるであろうGoogle Pixel 5でも、ディスプレイサイズは6.0インチ。その小ささは際立っています。
この可憐な姿に思わず、”王女(プリンセス)”と呼びたくなります。
左がiPhone 12 mini、右がGoogle Pixel 5
一方のiPhone 12 Pro Maxは、6.7インチのどデカ画面。
前モデルのiPhone 11 Pro Maxに採用されたディスプレイサイズ、6.5インチを凌駕し、歴代のiPhoneで最大サイズのディスプレイを搭載するモデルに君臨しました。
その威風堂々の姿はまるで、”王(キング)”の迫力です。
上の画像2点は、それぞれを手にした状態です。
筆者の手は男性としてはやや小さめ。そのため”キング”iPhone 12 Pro Maxには、両手での操作を求められるケースがありました。
一方の”プリンセス”iPhone 12 miniは、片手にすっぽりと収まるサイズ感。画面上部までしっかり親指で操作ができました。
アップルのHPによると、iPhone 12 miniの質量は133g、iPhone 12 Pro Maxは226gとなっています。
実際に計測してみたところ、iPhone 12 miniは公式HP通りの133g、iPhone 12 Pro Maxは225gと、スペック値より少しだけ軽い数値となりました。
ちなみに、iPhone 12/12 Proのディスプレイサイズは6.1インチとなっています。
巨大な画面の5Gスマートフォンが増えている昨今、このサイズでも決して大画面とは言いきれない時代ではありますが、それでも6インチオーバー。iPhone 12 miniの偉大なる5.4インチというコンパクトサイズは、他の追随を許さないものがあります。
動画の迫力や情報量の多さではやはり大画面が有利
次に、iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxそれぞれのモデルで、動画を試してみました。
両機とも、2019年登場のiPhone 11シリーズよりベゼルが細く設計されているので、画面が浮き上がってくるような迫力を備えます。
ともに動画への没入感がグッと増した印象ですが、iPhone 12 Pro Maxの大きさにはかなわず。iPhone 12 miniは圧倒されました。
大画面スマートフォンには、一度に表示できる情報量が多いというメリットがあります。インターネットのページだけでなく、LINEやツイッター、インスタグラムといったSNSで多くの情報を表示できるというわけです。
その確認のしやすさは、”キング”iPhone 12 Pro Maxに授けられた才でしょう。
持ち運ぶのに超快適なiPhone 12 miniはまさにスマートな携帯
iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxをズボンのポケットに入れて、”持ち運びやすさバトル”をしてみました。というのも、外出時にカバンを持ちたくない筆者は、スマートフォンをポケットに入れて移動するからです。
結果を見るまでもないかもしれませんが、ポケットに入れて違和感なく歩きやすいのは、iPhone 12 miniの方です。仕事柄、多くのスマートフォンを触ってはポケットへと入れてきましたが、これほどコンパクトで高性能なスマートフォンにはここ最近、出会っていません。まさに“スマート”な携帯電話といえるでしょう。
チップなどのアスリート性能はほぼ同じ。カメラ機能はiPhone 12 Pro Maxに軍配
今回登場したiPhone 12シリーズには、いずれも共通で「A14 Bionic」というチップが内蔵されています。
メモリの容量に差があるかもしれませんが、基本的な操作性は同じで快適です。両機共に”足の速いアスリート”的なスマートフォンです。
性能面ではっきりと違いが出たのはカメラ機能。
iPhone 12/12 miniが広角レンズ・超広角レンズのデュアル構成なのに対し、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxは望遠レンズも追加したトリプルレンズ構成だからです。そのため見た目が大きく異なります。
ただし、望遠レンズを除く、広角と超広角レンズのF値や視野角は共通。ただ単に写真を撮るだけではあまり差が生まれないので、iPhone 12 mini推しの人もご安心を。
2モデルのカメラ性能に差が出るのは、「LiDARスキャナ」の有無による違いでしょう。
これは、iPhone 12 Pro/12 Pro Maxだけに搭載されており、対象物との距離を的確に把握します。
このLiDARスキャナが効果を現すのがポートレート撮影でしょう。より美しくぼかせるので、印象的な写真を手に入れられるはずです。子どもの成長を見守る親御さんには、感涙ものでしょう。
ナイトモードでの撮影も試してみましたが、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro Maxともに、感度を上げるための画質の荒れが少なく、それでいて自然な明るさを獲得。暗い被写体にも関わらず滑らかなコントラストを表現し、見た目以上の奥行き感すら覚えさせる高品質な画像に、驚かされました。
また、iPhone 12シリーズの共通な利点として、4Kでの高品位な動画撮影が挙げられます。この記事で動画をご紹介できないのは残念ですが、筆者レベルの腕前でも違いがわかるほど、高画質な動画が撮影できました。
片手での操作が快適で、比較的安価に購入可能なiPhone 12 mini。一方、値は少々張りますが、大画面の使い勝手と迫力を備え、より良いカメラ性能を披露するiPhone 12 Pro Max。
話題の新型iPhoneを使った”プリンセス”&”キング”の頂上バトルの結果は、ドロー(引き分け)。基本性能は両者必要にして十分なので、サイズの違いと価格差で買うべきモデルをチョイスして失敗なし……そう言えそうです。
取材・文/佐藤文彦