「ラグビーはルールが複雑だから」「ごちゃごちゃとボールを取り合って何が面白いんだろ?」...と思ってテレビを観だしたら、やめられない、止まらない、という人が続出している。ワールドカップでの熱い闘いでラグビーファンは確実に増えている。大会前は選手の名前すらわからなかったのに、今ではお気に入りの選手が2~3人という人もいるだろう。ゲーム自体も面白いが、なんといっても選手が魅力的だ。

そしてあんなに激しくぶつかり、タックルするのだから、ラグビーは大男がするスポーツだろうと思ったら、意外にも背の低い選手もいたりで、なかなか多様性にも富んでいる。そんな彼らに共通するのはチームのため、仲間のために自らを犠牲にできるということ。そこが美しく、そして魅力的なのだ。

命を賭けた闘いっぷりにオンナは魅了される!

しかし、タックルは怖くないのだろうか??

タックルはラグビーの華でもあるが、勇気のいるプレーでもある。写真/藤岡雅樹

ラグビー日本代表の活躍もあり、ラグビーで大盛り上がりの日本。今までラグビーに興味がなかったという人たちが、パブリックビューイングで応援したり、また、わざわざチケットを買って本場の試合を観に行ったりして、観戦を楽しんだという話をよく聞きます。ワールドカップが終わったらどうしよう?という「ラグビーロス」な人たちも出そうです。

いちラグビーファンとして、これほど嬉しいことはありませんが、全く興味がなかったという人たちをここまで虜にさせるのは、まさに彼らの、命をかけた勇敢な闘いっぷり。これなのではないでしょうか。

今回はこの勇敢さの魅力について、お話ししていこうと思います。

ところで、ラグビーの試合で私がグッとくる場面は、ボールを持った選手が相手をかわしてかわして軽やかな独走トライをする瞬間よりも、ボールを持って突進してくる人を全身全霊をかけて止める瞬間、いわゆる『タックル』の場面。ここに女心をがっちり掴まれてしまいます。

しかし、あんなデカイやつにタックルするって、怖くないの??

そう不思議に思って、ラグビー部にタックルする時の心情を聞いたことがあるのですが、うん、普通に全然怖いよ。

との答えを聞き、やはり彼らも同じ人間なのだなと再確認した覚えがあります。猛突進してくる選手に当たりに行くのですから、そりゃ当然、怖いですよね。もしそれが自分より小さめや、同じぐらいの体格だったら怖さも軽減されますが、自分より明らかにデカく、ウサギがマウンテンゴリラに立ち向かうようなシチュエーションだったとき。確実にウサギの頭には、「死」の一文字がよぎりますよね。

しかし、相手がゴリラだからとタックルをためらえば、そのままトライを取られてしまいますから、全力で止めに行かなくてはいけません。

また、ラグビーには恐怖プレーがまだまだあります。そのひとつが、相手がキックするボールを身を挺して止めにかかるプレー、いわゆる『チャージ』と言われるもの。ラグビーのルールではパスを前には投げられませんが、キックは前に蹴ってOK。キックは大きくボールを前に進められるので、ディフェンス側は必死に止めたいわけです。相手がキックしようもんなら、前に進めさせまいと、蹴りたてホヤホヤの超豪速球のボールを、自らの体に当てて止めに行ったりします。当たるところが手でもおなかでも痛いのですが、もっと痛いのは顔面です。

誰でも一度はドッジボールの球が顔面に当たった思い出があることでしょう。なので、この痛さは想像に容易いと思いますが、顔面チャージをした選手は、しばらく立ち上がれないほど。しかし、この勇敢なプレーはチームの闘志を何百倍にも高めてくれます。このようにラグビーとは、体が大きいことや筋肉があることなんかよりもまず、勇気があることが絶対条件!逆を言えば、勇気がない人には決してできないスポーツということになります。

そしてこの勇敢さは、結婚して「夫婦」というチームになった時にも活きていきます。例えば、デート中に柄の悪いお兄さんに絡まれた時。ってそんなB級映画のようなシチュエーションはそうそうあるものではありませんが、ラグビー部は必ず奥さんを守ります。たとえ相手がどんなに強敵であろうとも、明らかに格上だと分かっていても、ラグビー部たるもの、大事な人を守るためなら命をかけて戦います。

また例えば、デート中、なぜか上から鉄パイプが降ってきたり、看板が倒れてきたりしても、彼らは自らチャージして必ず奥さんを守ります。もし仮に、命を落とすことになろうとも、決して奥さんを見捨てて逃げるようなことはしません。

ラグビー部は大事な人のためならば、恐怖を捨てて、戦いに行ける、守りに行ける。まさに彼らは、誰かのために死も厭わないタイプの人間であり、『アルマゲドン』だったら進んでブルース・ウィリス役をやりたがりますし、『アベンジャーズ』だったらアイアンマンになりたがる大変奇特な人種です。

もちろん彼らだって本音では、顔面でボールを阻止するのは痛いし、チンピラと戦いたくないし、隕石に突っ込んで死にたくもないんです。それは私たちと全く変わりません。しかし彼らには、大切な人、仲間、家族を守りたいという、使命感に似たアツい気持ちがあるんですね。それが試合でもタックルやチャージなどの見どころとして現れるように、ラグビーというスポーツをやる人の特徴だと言えます。

というわけで、いかがでしたでしょうか?実生活でピンチはなかなか訪れるものではありませんが、いざという時に自分の命と引き換えにでも守ってくれる男性は、人生を共に歩むパートナーとしてはやはり心強いですよね。

結婚に適した男の条件【3】

『誰かのために命を賭けられる男』

文/小松あや(80min.編集部)