器用さが求められるフッカーには、芸術肌の選手が多い。口八丁手八丁、ラグビーならずとも、口がたつので、話が面白い。しかも、試合中は重要なプレーを担うので、強いハートの持ち主でないと務まらない。しかし常にプレッシャーにさらされる彼らは、弱い自分との闘いを繰り返しているのだ。そこで、フッカーを落としたいなら、”弱い彼”を包み込んでしまうほどの優しさをみせると、効果抜群だ! 

いくつも芸を持っているのが背番号2の特徴

女子慣れも、フォワードで一番!

イラスト/うぬまいちろう

最前列ということでプロップと同じくくりにされることの多い彼らですが、その繊細な仕事っぷりは他のポジションにはみられず、スクラムでは司令塔となって働きます。ということで、戦う芸術肌「フッカー」の紹介です。

フッカーあるある

・プロップよりひと回り小さめなデブ
・手も足も器用
・芸術肌で意外にピアノが弾けたりする
・どMが多いフォワードの中で唯一Sキャラ
・「プロップ?」って聞かれると0.5秒で「違います」と即答する

どんなポジション?

フッカーは、スクラム最前線の真ん中ポジションです。そのため、あまりにも背が高いと凸凹になってスクラムが組みづらいので、がっちり目だけど身長はそこまで高くない人が求められます。

フッカーはスクラムの中のボールを足でかいて、後ろに送るのが仕事ですが、見せ場はそれだけではありません。ラインアウトでボールを投げ入れる役になることも多いのです。また、攻撃時にはバックスと一緒になって積極的にパスをもらって回したりします。このように、なんでも器用にできてしまい、一芸と言わず二つも三つも強みを持った人がこのフッカーというポジションです。

こんなキャラだ

スクラムではキーマンになり、ラインアウトでは自分の投げ入れるボールに運命がかかってしまう。そのため、プレッシャーに強い人でないとこのフッカーというポジションは務まりません。

またスクラムでは、両サイド、前とガチガチにデブに囲まれるという、割と悲惨なポジションでもあります。この最前線ど真ん中で闘えるメンタリティーの強さは、ラガーマンの中でも1、2位を争うレベルだと言えるでしょう。

そして、ラインアウトで試合が再開される時に、全選手&全観客が見守る中、ボールを投げ入れるという重大任務の負荷がかかるのですが、たとえ一投目で失敗したとしても、風向きのせいにできるぐらいの開き直りメンタリティーも持っていないといけません。

「もう俺なんてダメだ。きっと二投目も失敗するんだ」などというお豆腐メンタルではフッカーにはなれません。失敗が許されない分、練習も常に真剣ですし、ここぞ!という本番に強い人とも言えます。また、その前向きな性格からチームのムードメーカーであることも多いです。

裏の一面

手足が器用であることや、また個人技の少ないフォワードにおいて、唯一ピンで注目されるポジションのため、彼らは「同じデブでも自分は他のフォワードとは違う」と思っています。ラグビー通の中でフッカーはキーポジションなのですが、ラグビーをよく知らない人の間では「一番前に並んでいるうちの1人」とプロップと同じくくりにされるので、やや寂しく思っています。

フッカーとの恋愛は

前回のプロップ編同様、恋愛に安定感や包容力を求める人には、オススメポジションと言えます。彼らは手足も器用なら、口達者であることも多く、そこがプロップとの大きな違いです。

物怖じしないメンタリティーに多少のSキャラ、チームを盛り上げるムードメーカーの気質がいい感じに合間って、女子マネージャーともよく絡んでいます。なので、フォワードの中で最も女子慣れしており、ライバルが少ないものかと思って狙いに行ったら、意外にそうでもなかったりします。

そんなフッカーを落としたい女子に伝授したい攻略方法はこれ!

「Sキャラにいじられつつも、“弱いオレ”を出させてあげる」これしかありません。常に緊張感を強いられ、失敗が許されない彼らは、一見強気そうに見えますが、心の中では“弱いオレ”との葛藤も多いです。なので、自分のいじりに可愛らしくいじられつつも、全てを包み込んでくれるような優しさを兼ね備える女性が現れたら、瞬殺で彼らは落ちてしまうでしょう。

文/小松あや(80min.編集部)