さて、ポジション紹介もいよいよ後半、バックス編に突入しました。密集でのプレーが多いフォワードに対し、バックスはボールの争奪戦のごちゃごちゃから離れて、出てきたボールをいかに前に進めるかを考え、持って走る、あるいはキックやパスなどの選択をする、つまり個人技が目立つポジションです。そのせいか、優男風でも、意外に気が強く、尖ったキャラクターが多いのも特徴です。その中でも、一番ボールに触れる回数が多い、背番号9、スクラムハーフの紹介です。
チームで一番「腹黒い」ポジションなのか!?
女子はボールよろしく追いかけさせよ!
スクラムハーフあるある
・わりと小柄なサイズ感
・そのくせ態度のデカさは部内イチ
・キレる回数も部内イチ
・とにかくよくしゃべるやつ
・得意な科目はたいてい数学。ときに歴史
どんなポジション?
フォワードとバックスのつなぎ目役、ちょうど中間に位置するので「ハーフ」と呼ばれます。試合中一番目立つのが、スクラムにボールを入れるところ。試合が動けば、常に密集にササっと駆けつけ、地面に置かれたボールを仲間にパスする役目。地面のボールを投げるので、腰やももの屈伸は数え切れないほど。かなりきついポジションです。そんなこんなが続くので、練習でも、試合でも15人の中でひとり他とは違った動きをしています。
そんなスクラムハーフの主な仕事は2つ。ひとつは、やはりパスです。他の誰よりも一番パスを出す回数が多いので、正確かつ速いパスを出し、ゲームをリズムよく進めていきます。2つ目はゲームメイキング。スクラムから出たボールをどうするか?ラックで止まったボールをどうするか?左右どちらにパスを出すのか、もしくはキックで蹴り出すのか。司令塔=スタンドオフの指示にも耳を傾けながら、全体の状況を瞬時に判断して、ゲームの流れを考えます。
そのため、スクラムハーフは頭脳派で、論理的に物事を考えながらも、瞬時に全体を見渡した行動を実行できる瞬発力を兼ね備えている人ではないと務まらない、大変難しいポジションと言えます。
こんなキャラ
ラグビー部は「がっちり体型」というイメージですが、このスクラムハーフというポジションは、割と細身だったり小柄だったりする人が活躍するポジションです。
しかし、小さな体格とは正反対に、なぜか態度は部内で一番デカいというのもこのポジションの特徴。自分より何倍も大きいフォワードのメンバーに、強気な態度でバシバシ指示を出していきます。純情で真面目な人が多いフォワード陣は、イラッとするものの割とすんなり従います。その姿はまるでサーカスの「猛獣使い」を彷彿とさせるほど。また、フォワードともバックスとも、なんならレフェリーともよく喋る立場にいるので、コミュニケーション能力にも長けています。
そんな彼らの最大の特徴は、何と言っても計算高いこと。日常生活でも、相手の心理を読んで、うまく操ってはケツを叩くという“ドS”っぷりを発揮します。
もはや「計算高い」なんていう表現ではなく「腹黒い」と言っても過言ではありません。細かい行動で相手チームに嫌がられるのもたいていこのポジション。で、そんなキャラの方が、なぜかうまいと評価されたりします。しかし、他人にも厳しければ自分にも厳しいのが彼らのいいところ。自らもスキルアップのための努力を惜しむことはありません。
このように、彼らは常に大局観を持ち、仕事を戦略的に進めていくことが得意なので、社会に出てからはコンサルタントや経営者などになって活躍する人も少なくありません。
裏の一面
良くも悪くも、裏表が全くないのがこのスクラムハーフというポジションです。スクラムハーフはSっ気をバシバシ出してフォワードを動かしたり、ゲームメイキングをしていくので、どちらかと言えば嫌われてしまいがちなポジションです。しかし、だからと言って影でコソッと泣くこともなければ、変に媚びることもありません。そして、この裏表のなさこそ、仲間から信頼され、「イラつくけど、ついていこう」と思われる理由なのです。
スクラムハーフとの恋愛は
このスクラムハーフというポジションは、なぜかイケメンが多く、性格も自信過剰で積極的なタイプが多いです。そのため、このポジションもナンバーエイトに引き続き、モテポジションに認定しても間違いないでしょう。
しかも、前回までの数々のフォワードのポジションと比べて、断然気が強く、計算高い。恋愛も今までのように一筋縄ではいかないということを心得ておかないといけません。
そんなスクラムハーフの落とし方はこれ。
「想定外の女になること」。
他人の考えてることはたいてい読めてしまう彼ら。そのため、あなたの本心が読み取られ、彼の計算の中にハマってしまったら最後。「オレに気がある女の一人」で終わってしまいます。まずは「かっこいい!パスがうまい!」と、なんでもいいので褒めちぎっておいて、「こいつ、落とせるな」と思わせておきます。しかし、そう思わせたところで、「私、プロップが一番かっこいいと思うの。」と、他のポジションが好きなことをアピールしてください。「あなたのこともかっこいいと思うけど、私には他の選択肢もある」というように、決して彼を否定するわけではなく、かつ、本心を最後まで見せないでおくのがポイントです。
「あれ、コイツ、俺のことが好きだったんじゃないの?」と思わせたら勝ち。放っておくとどこかに行ってしまいそうなあなたを、彼は真っ先に狙ってくるはずです。
計算高く自信家のスクラムハーフとの恋愛は、試合中のボールのように、あっちに行き、こっちに行きしながら追いかけさせて、走らせるのが一番なのです。
文/小松あや(80min.編集部)