さて、今回はスタンドオフのご紹介です。ラグビーにおいて、絶対的なカリスマポジションと言えば、背番号10です。スタンドオフです。はい、日本が誇るミスターラグビー、平尾誠二です。(ちなみに、どうでもいい情報ですが、筆者は平尾誠二とお誕生日が一緒です。それだけで、この世に生まれてきてよかったと思います。本当は”様”を付けるべきなのですが、この連載すべての方、敬称略なのでご容赦くださいませ……。)

現役の日本代表でいうと、田村優。そして元ニュージーランド代表「オールブラックス」の一員として世界的レジェンドとなり、最近までトップリーグの神戸製鋼コベルコ・スティーラーズに在籍したダン・カーターあたりが思い浮かびますね。う〜ん、皆ハンサム!

知的な司令塔の攻略は「願掛け」しかない!?

万能だが、意外に小さいことにこだわる一面も

イラスト/うぬまいちろう

スタンドオフあるある

・細マッチョ
・イケメン率が異様に高い
・サッカー部顔負けにキックが上手い(たまにサッカー部に駆り出される)
・先生やコーチからの信頼が厚い
・独特のクールさがある
・「団地の星」と呼ばれて育ってきた

どんなポジション?

ラグビーの世界では「スタンドオフは司令塔」とよく言われます。オフェンス時には攻撃の起点となり、スタンドオフを中心にゲームが進められていきます。スクラムハーフ9番からもらったボールを、キックして大きく前に出るのか?それともパスして繋いでいくのか?全体の状況を見渡しながら、考えて攻撃を仕掛けます。キックする回数が一番多いポジションであり、「君、どうしてサッカー部に入らなかったの?」と不思議がられるほどキックがうまいスタンドオフがいるチームは、これだけで圧倒的に優位です。

しかし、オフェンスだけかと思いきや、ディフェンスも上手でないといけないのがこのポジションのツラいところ。なぜなら、敵が攻撃をしてくるときは、スタンドオフめがけて突っ込んでくることが多いのです。スタンドオフをやる人たちはだいたい細マッチョが多いのですが、敵のフォワード達(デブマッチョ系たち)が突っ込んできたときに、太刀打ちできないのではすぐに点を取られてしまいます。そのため、ゲームセンスも良く、キックもでき、なおかつディフェンスもできる(ときには、できるフリという人も笑)という人が抜擢される、まさにカリスマ的ポジションと言えるでしょう。

また、司令塔ですから、ラグビーの試合でよくある「ごちゃごちゃ系のプレー」に巻き込まれるとチームにとってはマイナスです。巻き込まれている間、判断者がいなくなりますから。そこで、フォワードのプレーヤーも、スタンドオフを守るべく動いたりします。試合を通じ、カリスマは守られ、愛されキャラとなっていきます。

こんなキャラ

世間でカリスマといえばカリスマ外科医やカリスマ美容師などが思いつきますが、ラグビー界で「カリスマ」と言われる選手は、だいたいスタンドオフであることが多いです。ラグビースキル良し、ゲームセンス良し、おまけに顔良し。「司令塔」ですから、ゲーム・キャプテンなどの重役を務めることが多く、みんなを積極的にまとめる力強さ、そして、チームが目指すべき方向性を示せる知性を兼ね備えた、まさにリーダーにもってこいのキャラクターだと言えるでしょう。

前回の記事で紹介したスクラムハーフ(背番号9)も、同じく、ゲームメイキングをしたり、頭脳派ではありますが、語弊を恐れず言い換えるなら、スクラムハーフは「クレバー(ずる賢い)」で、スタンドオフは「スマート(知的)」というニュアンスです。この生まれ持ったカリスマ性に、ラグビー部で磨きがかかり、卒業後はみんなが想像もつかないような進路に進んだり、得意のリーダーシップを発揮して、会社や組織を牽引する存在になったりします。

裏の一面

トライの後に行われるコンバージョンキックや、ペナルティーキックは、チームで一番キックの上手いスタンドオフが担当することがほとんどです。キックの際に、ボールを置くキックティーという道具があるのですが、メーカーによって高さや形も様々です。そのため、自分にしっくり合ったキックティーに出会えた時の喜びはひとしお。ものすごい全能感に満ち溢れます。ゴールキックをしない他のポジションにとっては未知の世界ですが、このように、リーダーシップを取ったり、司令塔としてガンガン攻撃していく豪快な反面、小さいところにこだわる可愛らしく繊細なところもあります。

スタンドオフとの恋愛は?

イラスト/うぬまいちろう

ラグビー部の中でモテるポジションといえば、やはり、ナンバーエイト(背番号8)、スクラムハーフ(背番号9)、スタンドオフ(背番号10)が3大巨頭でしょう。なかでも、このスタンドオフはお話した通り、キック良し、ゲームセンス良し、おまけに顔よしのカリスマ・ポジションです。ということは、ラグビー女子はもちろんのこと、「ラグビーなんて全然知らないし、興味もない」っていう女子もガンガン狙ってくるのです。それだけこのポジションを彼氏にする倍率は高いということを覚悟しておいてください。

そんなスタンドオフの落とし方は・・・もう願掛けしかありません。笑

ありとあらゆる恋愛パワースポットに出向いて、彼が振り向いてくれるようにひたすら祈るのみ。しかし、スタンドオフが好む女性像というのはあります。これはテクニックではありませんが、「自分をしっかり持っている」女性に彼らは惹かれる傾向がある、という統計があります(筆者調べ)。

やはり、自分自身がカリスマ的な存在として生きてきてしまってますから、同じように、自分をしっかりと持ちながらも、周りとの調和がとれた、優しく賢くたくましい女性に惹かれるのでしょう。なので、「まさにこれは私のことだ!」という女性は、スタンドオフを狙いに行ってみてもいいかもしれません。自分の足に馴染むキックティーを探しているように、地に足をつけて「一緒に切磋琢磨しあえる」ような、自分にしっくりくる女性を、スタンドオフは探しているはずですから。

文/小松あや(80min.編集部)