■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
焚き火にかざしてグルグル回しながらブロック肉を焼く。
マンガで見る“あの肉”はいかにもワイルドで憧れの焚き火料理だけれど、ただ串に刺すだけでは肉の重みで特定の面しか焼けないし、ずっと肉を持っているわけにもいかない。
憧れの豪快肉焼きを焚き火で手軽に! そんなコンセプトのもと開発したのが37CAMP「BBQスキュワーセット」(1万3000円+税)だ。
柱となるメインシャフト(柱)を、地面に打ち込んだアンカーシャフト(筒が付いたペグ)に差し込む。ミートアームをメインシャフトに差し込み、焚き火の高さに合わせてセットすれば準備完了。
二股になっているミートシャフト(串)に肉を刺し、ミートアームに載せて肉を焼くので、BBQスキュワーセットのほかに必要なのは焚き火台と薪、下味をつけた肉のみ。
メインシャフトはφ16mmの異形鉄筋で、同社ファイヤーラック「ハンギング」(1万2600円・税込)のメインシャフトと共通なので、「ハンギング」にミートアームを取り付けてもよし。
クラウドファンディングの募集は終了したが、11月末より一般発売予定の「自立型ファイヤーラックハンギング」(1万6000円+税)のメインシャフトも同じサイズなので、今回は自立型ファイヤーラックハンギングと「拡張キット」(7800円+税)を使い、BBQスキュワーセットでブロック肉を焼いてみた。
組み立てと設置は簡単
まずは自立型ファイヤーラックハンギングを組み立てる。
スタンドは角形のパイプがふたつで、メインシャフト(柱)に差してネジでとめる。メインシャフトは丸形異形鉄筋に見えるが、下の方が角形になっているのでぐらつかない。
また、ファイヤーラック「ハンギング」はアンカーシャフト(筒が付いたペグ)をまっすぐ地面に打ち込む必要があるが、自立型ファイヤーラックハンギングはその名の通り自立するので地面が硬く、ペグが入りにくい川原のキャンプサイト、舗装されたイベント会場でも使えるのがうれしい。
自立型ファイヤーラックハンギングには、ロストルアーム、吊り下げ用アーム、ハンガーアームがセットになっているので、使いやすい順番にメインシャフト(柱)に差し込んでネジどめ。
調理道具やシェラカップなど複数の調理道具を吊り下げたいときは、拡張キットを取り付ける。拡張キットのアタッチメントを使ってブリッジシャフト(横棒)とレッグパイプを装着すればいい。
これで自立型ファイヤーラックハンギングの完成だ。自立するので、組み立ててから場所を移動するのも楽々。
強火の遠火、熱風で肉をあぶるように焼き上げる
自立型ファイヤーラックハンギングのメインシャフト(柱)にBBQスキュワーセットのミートアームを取り付けて、肉を刺したミートシャフト(串)を置いて焚き火であぶる。強火の遠火、熱風で肉をあぶるイメージで時間をかけて焼けばしっとり焼き上がる。
焚き火との距離はアームの取り付け位置を上下させるだけ。ネジ不要なので調整しやすい。
串は二股なので肉をしっかり支えてくれる。アームの片側は角度を固定するための穴が付いているので、10〜20分に1回の頻度で角度を変えつつ焼いてみた。
上写真の肉(約1.5kg)が焼けるまで約1時間。自立型ファイヤーラックハンギングがなくてもいいが、ロストルアームに鍋を載せてつまみを作り、ケトルを吊り下げて湯を湧かすなどひとつの焚き火台で同時に進行できる。今の季節は家族みんなで焚き火を囲みつつ、ちょいちょい料理をつまめるのがいい。
肉に串を刺すのでうまみが流出するのではないかと思ったが、時間をかけてブロック肉を焼くのでパサパサになることはない。ときおり焚き火の上に脂がしたたり落ちて煙が立ち上り、ほんのりスモーキーに仕上がった。
37CAMPによると、セットできる肉は最大φ20×40cm!
さすがにこのサイズのブロック肉を芯まで加熱するには2台の焚き火台が必要だというが、丸鶏を2〜3つ並べてあぶるロティサリーチキン、豚肉でベーコン作りなど憧れの豪快料理に挑戦できる。
鉄製なので全部そろえると重量感はあるが、ただ肉を焼くだけなのにテンションがあがるし、味も見た目のインパクトも大きく、記憶に残る。あれこれ工夫をこらした料理を何品も用意するよりも手間がかからないのはありがたい。
問い合わせ先
37CAMP https://37camp.com
取材・文/大森弘恵