我が家の猫がタヌキになった話
筆者が住むアメリカでは3月に「Stay at Home」が発動。それから5カ月が経ち、徐々に日常が戻りつつあるが、今でも家時間がコロナ前より増え、猫との“ネコミネーション”が増えた。
起きる時間が遅くなり、寝る時間が遅くなった飼い主と共に猫たちの生活習慣も変動。
飼い主は家時間が増え、猫と共にゴロゴロ。2匹の猫と川のように昼寝をする時間もできてしまったせいか・・・。
我が家の次男坊「権平君」が最近、丸々ツヤツヤになりタヌキのように・・・。
今から4年前。
長男の太郎君が1歳のとき。2匹目を飼う予定ではなかったが、シェルターをぶらっと見に行ったとき、前々から白い猫が欲しかった旦那が権平君に一目ぼれ。私が違う猫を見ている間に契約を交わし、事後報告され、いつの間にか2匹目が増えることに。
アメリカでは、シェルターで契約してもその場でもらえることはない。シェルター側が予防接種、健康チェック、去勢手術、首にチップを入れて、それらが終わると連絡がきて引き取りに行くのだ。
シェルター生まれの権平君は、ちゃんと出生日や親がわかっており、種類は「Siamese」(シャム猫)。
家に来たときは、生後12週間。白い毛と青い目の愛らしい姿にすぐさま我が家のアイドルに。
しかし、年月が経てば経つほど、毛の色が茶色になり・・・。
1年後のある日、行きつけの病院に連れて行ったとき問診票の「猫の毛色」の欄のところの「White(白)」が消されて「Braown(茶色)」に書き換えられてしまった。
一緒に住んでいると変化に気づかないものだが、写真を見ると一目瞭然。
右:生後13週間 左:現在
右:生後13週間 左:現在
最近は、薄暗い場所にいるとサバ柄の太郎君と2匹の区別ができないほどに・・・・。
これは、シャム猫特有の「サイアミーズ遺伝子」との関連が深く、この遺伝子は温度によって毛色が変化。生まれたときは白い毛色だが、温度が低い部分が成長するにつれて変化していくのだ。
その通り、権平君も成長とともに茶色部分が増え、今では白い部分がほとんどなくなってしまい、しかも、コロナ渦で甘やかしすぎたのか、顔が真ん丸になってしまった権平君は、いつしか種の垣根を超え、猫からタヌキへ変化を遂げようとしている。
我が家の長男は凛々しいシュッとした猫らしいイケニャンなのだが、それに比べて権平君は顔が大きく体型までもがタヌキ型。同じ量のエサを与えている。むしろ太郎君のほうが食いしん坊で、権平君の食事を横取りしているように思えるのだが・・・。
知り合いの猫好きに聞くと「シャム猫は体が大きくなるんだよ」と言っていたが、猫らしく育っていない。むしろお腹にポケットがあれば「ドラえもん」、ときには気の弱いお相撲さんの顔にも見えてくるのだ。
白くてかわいらしい猫を飼うのを憧れていた旦那の夢は破れた。
しかし、どんな毛色であろうと、どんなにタヌキ顔になろうとも、権平君は我が家のアイドルであることには変わりない。
文/舟津カナ(PETomorrow編集部)
構成/inox.
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