iPhone 12 miniを加えて4モデルのラインアップとなった、iPhone 12シリーズ。
発表前に期待されていたことのひとつに「折りたたみモデル」の誕生があったが、残念ながら2020年の新型iPhone 12にはラインアップしなかった。
2021年登場の新型iPhone 13(仮)には果たして、採用されるのだろうか?
折りたたみケータイ、スマホの歴史
ケータイを使ったことがある人にとって折りたためる端末は、非常になじみ深いものがあるだろう。
その元祖とされるのが、今から30年ほど前の1991年に登場した「ムーバN」だ。
【参考】主要展示物のご紹介|ムーバ(アナログ)|NTTドコモ歴史展示スクエア
その後は様々なメーカーから折りたたみケータイが発売され、ケータイのスタンダードとなっていくが、その流れを大きく変えたのがスマホの登場だろう。
中でも、iPhoneの影響は著しく、「スマホは一体型で前面のタッチパネルで操作する」ことが基本形態となっていった。
iPhone 3G
しかし、iPhoneが確定したといっても過言ではないスマホの基本形態の流れとは別に、様々な形のスマホが世に出ては消えていった。
たとえば、iPhoneを取り扱う前にauから発売された「IS01」は、初のAndroid搭載スマートブックと称され、ノートPCのような形で2010年6月に発売された。
【参考】auのスマートフォン「IS01」「IS02」の発売について
また、2013年4月に発売された、ドコモの「MEDIAS W」はダブルディスプレイを搭載した。
【参考】報道発表資料「docomo NEXT series MEDIAS W N-05E」を発売
2020年、日本で買える折りたたみスマホ
やがて技術の進歩により、折りたためるディスプレイが誕生した。
開くと約7.6インチの大画面になる、auの「Galaxy Z Fold2 5G」や、
懐かしの”ケータイ”のように折りたためる、auの「Galaxy Z Flip」など、”折りたためる有機ELディスプレイ”がスマートフォンの常識を変えようとしている。
iPhone 13に折りたたみスマホは登場する?
残念ながらiPhone 12シリーズには採用されなかった折りたたみボディだが、2021年に登場予定の次期iPhone 13(仮)では採用されるだろうか?
結論から言えば、可能性は五分五分と考えられる。
アップルは革新的な技術を採用するメーカーであるが、個々のパーツの品質を厳しく管理しており、折りたたみの有機ELディスプレイについては、アップルの性能基準に品質が到達していなければ、採用しない可能性がある。
またアップルは、iPhone SE(第2世代)が4万4800円(税別/アップル価格/以下同)〜、iPhone 12 miniが7万4800円〜と、比較的低価格なモデルに力を入れている。
iPhone SE(第2世代)
【参考】iPhone SEを購入
iPhone 12 mini
【参考】iPhone 12とiPhone 12 miniを購入
さらに、最高峰のiPhone 12 Pro Maxの512GBモデルは15万800円となっている。
iPhone 11 Pro/Pro Max(奥)
【参考】iPhone 12 ProまたはiPhone 12 Pro Maxを購入
実は2019年登場のiPhone 11 Pro Maxの512GBモデルは、15万7800円だった。つまり、iPhone 12 Pro Max 512GBへ進化するにあたり、7000円値引きしたことになるわけだ。もしかしたら日本国内で15万円以上のスマホの販売については、さすがにアップルでも苦戦すると判断した可能性がある。
折りたたみのディスプレイを採用すると、おそらくiPhoneでは最上位のモデルとなる可能性がある。その場合、iPhone 12 Pro Max以上の価格になることは大いにあり得る。
以上により、技術的にはiPhoneの折りたたみの登場可能性はアリ。しかし、販売価格などで敬遠される可能性もアリと考察する。
iPhone 12の折りたたみケース
いわゆる”手帳型”と呼ばれる、折りたたみ可能なiPhoneケースが多数販売されている。
1世代前のiPhone 11 Pro/Pro Maxには、純正で折りたたみのレザーケースが用意された。
iPhone 11 Pro Maxレザーフォリオ – ラズベリー 1万5800円(税別)
【参考】iPhone 11 Pro Maxレザーフォリオ – ラズベリー
純正以外のいわゆる”サードパーティ”製品を含め、iPhone 12シリーズも様々な折りたたみケースが販売されるだろう。
※データは2020年11月上旬時点での編集部調べ。
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文/中馬幹弘