投資には様々な格言がある。
日本でも歴史が古い投資のひとつ、株式投資でよく使われる格言に、「人の行く裏に道あり 花の山」がある。
投資で他人と同じ事をやっていれば危険は少ないかもしれない。しかし、儲けることができるかどうかは、話が別だ。
他人と別の投資をする……そのひとつの手法が「逆張り」だろう。
【参考】人の行く裏に道あり花の山|投資の時間|日本証券業協会
逆張りとは何か? 初心者の方にもご理解いただきやすいように、なるべく簡単にご紹介したい。
逆張りとは? 読み方は??
逆張りとは「ぎゃくばり」と読む。相場が下がっている時に買い、上がっている時に売るという投資手法だ。
一見、相場の流れに逆らうような投資スタンスだが、何を基準に評価して取引するかが大事だ。
様々なチャート(=グラフ、図表)や指標を使った「テクニカル分析」や、経済状況や企業の業績といった「ファンダメンタルズ分析」を利用する場合が多い。
【参考】初めてでもわかりやすい用語集>逆張り(ぎゃくばり)|SMBC日興證券
逆張りは英語で何という?
英語で逆張りは、「Trade against the trend」「Trading against the trend」と呼ぶことが多いようだ。
逆張りの投資家を「Contrarian」と呼ぶ。
逆張りに対して、順張りとは何?
逆張りに対して、相場が上がっている時に買い、下がっている時に売る手法を「順張り」(じゅんばり)という。
逆張り手法は上級者向け?
一般的に順張りは初心者向け、逆張りは上級者向けと言われることが多いようだ。
順張りは相場のトレンド=今起きている状況に合わせる投資なのでわかりやすく、タイミングがずれた時でも損切り(=損を覚悟の上で決済する)で逃げやすい。
しかし、逆張りはトレンドに逆らうことである。
もしトレンドが自分の思い通りに変化しない場合は、追加で売買をして相場のトレンドに対抗していく、「ナンピン買い(売り)」を行うなど、投資金額が想定よりも膨らんでしまいがち。
また、トレンドに変化がない場合は、坂を転がり落ちるように大損をすることがある。
【参考】初めてでもわかりやすい用語集>ナンピン買い(ナンピンがい)|SMBC日興證券
短期売買ではトレンドを読み違えるとリスクが高い逆張りも、中長期の視点で考えると、トレンドに変化が起きて初心者でも利益を得るチャンスが起きることも。
例えば、「企業の業績や経済状況が良いのに、株価が低い」といったファンダメンタルズ分析や、「相場のトレンドが変化しやすいとチャートや指標に出たタイミングで為替を購入する」といったテクニカル分析で投資をすれば、逆張りによる投資を行っても、中長期(例えば2〜3年以上のスパン)で相場に勝利するかもしれない。
逆張り投資にインジケーターは必要?
ちょっとテクニカルな話になるので、ここから先は初心者のみなさんは参考程度にご覧いただきたい。
株式やFX(一般的に外国為替証拠金取引を指す)など、相場には分析用の指標が複数存在する。インジケーターとは、移動平均線、ボリンジャーバンド、MACDといったものを指すことが多く、株価や為替などのチャートと組み合わせて使われる。
インジケーターは大きく2種類に分類され、「買われすぎ、売られすぎ」を示す「オシレーター系インジケーター」、「相場が上昇トレンドか、下降トレンドか」を示す「トレンド系インジケーター」がある。
「オシレーター系インジケーター」には、MACD(トレンド系とされることもある)、RSI、ストキャスティクスなどがあげられ、チャートの下に表示されることが多い。一般的に逆張り向きとされる。
「トレンド系インジケーター」には、移動平均線、一目均衡表、ボリンジャーバンド、などがあげられ、チャート上に直接表示されることが多い。一般的に順張り向きとされる。
逆張り投資はタイミングがとても重要。インジケーターはそのタイミングを示すことが多く、投資するきっかけ=エントリーのタイミングの目安にする投資家が多い。
ただし、いかにテクニカル分析をインジケーターなどで行ったとしても、相場が上がるか下がるかは誰にも予見できない。突然、政治局面が変わったり、天災に見舞われたり……投資にはリスクがつきものだ。
順張りにせよ逆張りにせよ、投資はリスクヘッジを欠かさず、慎重に行うべきだろう。
※データは2020年10月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※本記事は投資を推奨する目的はありません。あくまで自己責任にてお願いします。
文/中馬幹弘