NEKOクイズ
ライオンのような大型のネコ科動物は「ガオー」という勇ましい声を上げますが、家庭で飼育されているイエネコは「にゃー」と、愛くるしい鳴き声を発するもの。
よく考えてみると、その違いがどうして生まれたかのか疑問に感じませんか?そこで今回は、クイズを通して猫が吠えない理由を解説していきます。
Q.猫はどうして大型のネコ科動物のように「ガオー」と吠えないの?
①大型のネコ科動物とは歯に違いがあるから
②大型のネコ科動物とは遺伝子学的に似ていないから
③大型のネコ科動物とは骨に違いがあるから
わかりましたかにゃ?正解は下に。
正解は③の「大型のネコ科動物とは骨に違いがあるから」です。
イエネコの遺伝子は、実はトラと90%以上類似しているといわれています。しかし、首周りにある「舌骨」という小さな骨に違いがみられるため、イエネコは吠えることができません。ライオンやトラのような大型のネコ科動物は舌骨が柔軟。それに比べて、イエネコの舌骨は固く、骨化しています。
また、大型のネコ科動物は声道が長く、声帯が平らで四角くなっているため、あまり力まなくても大きくて低い声を出すことができます。一方、イエネコのような小型のネコは吠えることはできませんが、固い舌骨と声帯の組み合わせにより、喉を鳴らすことができると考えられているのです。
ちなみに、大型のネコ科動物はユキヒョウ以外すべて吠えることができ、チーター以外は喉を鳴らすことができないといわれています。こうした事実を知ると、小型のネコ科動物は吠える代わりに喉を鳴らすというコミュニケーション法を発達させていったように思えますね。
ただし、猫が喉を鳴らす理由や、喉ならしの仕組みはまだ詳しく解明されていません。現在のところ、一部の研究者の間で猫の喉ならしは人間のほほ笑みに近いものなのではないかと考えられていますが、猫はうれしい時だけでなく、体調が悪い時にも喉を鳴らすため、疑問は残ります。
猫は気ままな性格であるがゆえ、研究に協力してくれにくく、生態の解明が進みにくいものですが、今後のどを鳴らす理由が明らかになれば、私たち人間は猫の気持ちをさらに理解できるようになるはず。
猫が発するゴロゴロ音は骨折治療に活用されたり、人間に癒しを与えることが科学的に証明されたりしているからこそ、猫自身はどんな心理から喉を鳴らし、何を求めているのかを知りたくなります。
文/古川諭香(PETomorrow編集部)
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