家庭用に多い、インクジェットプリンターを使っていると、文字が擦れたり色味がおかしくなるなど、不調が生じることがある。そこで、プリンターが印刷不良を起こした時の対処法をご紹介したい。基本となるヘッドクリーニングを中心に、不具合が解消できない場合の対応方法もご説明するので、印刷が上手くいかない時に参考にしてほしい。
不具合が生じたら……まずはプリンターの印刷状態を確認するノズルチェックを!
インクジェットプリンターで印刷する際に、文字や画像が擦れている、色味がおかしい、特定の色が印刷されないといった状況になる場合は、プリントヘッドが目詰まりしている可能性がある。
ほとんどのインクジェットプリンターには、ノズルチェック機能が備わっている。ノズルチェックとは、特定のパターンを印刷して、プリントヘッドが目詰まりを起こしていないか確認するための機能だ。プリンターに不具合が生じた時、まずはノズルチェックを行うと良いだろう。
ノズルチェックパターンを印刷してプリンターの状態を確認
インクジェットプリンターのヘッドの目詰まりを確認する印刷パターンのことをノズルチェックパターンと呼び、各色に欠けや乱れがないかチェックしよう。
ノズルチェックで色が出ない時はプリンターのヘッドクリーニング機能を使おう
ノズルチェックパターンの一部が印刷されない時は、目詰まりを起こしている可能性があり、ヘッドクリーニングを行おう。
そもそもプリンターのヘッドとはどんな部品? ヘッドクリーニングって何をしてるの?
インクジェット式のプリンターの場合、プリントヘッドとはインクを噴射孔から射出することで印字する部品のこと。インクを射出する噴射孔が詰まってしまうと正常に印刷ができなくなる。そこで、ヘッドクリーニングにより少量のインクを使って詰まりを改善する。
インクジェットプリンターのヘッドクリーニングとは?
インクジェットプリンターのヘッドの目詰まり対処法として最も定番なのが、ヘッドクリーニングだ。
ノズルチェック→ヘッドクリーニングという作業を2回繰り返しても不具合が改善しない場合は、強力クリーニングを行う(※機種によってはこの機能がない場合もある)。具体的な回数や実施時間などの詳細は、製品マニュアルに従ってほしい。
強力クリーニングでも解消しない不具合は、メーカーに修理依頼を検討しよう。
プリンターのヘッドクリーニングはどのくらいの頻度で行うべき?
プリンターを長期間使っていない場合は、なるべく月に一度くらいを目安に印刷もしくはヘッドクリーニングをして、プリントヘッドを良好な状態に保ちたい。
【参考】症状別に解説!プリンターでうまく印刷できない時の対処法
ほぼすべてのプリンターに自動クリーニング機能がついている
ほぼすべてのプリンターには、使用頻度や設置環境などの条件から判断して、電源をオフにした状態でも自動でヘッドクリーニングを行う機能がついている。ただし、プリンターの使用頻度が低いユーザーで、普段は電源プラグを抜いているなら、自動クリーニングは行われない。
ヘッドクリーニング液などのプリンターのメンテナンス用品を使うのも手
ヘッドクリーニングでも目詰まりが解消しない場合は、クリーニング液を使用する方法もある。排紙・給紙のトラブルを解消するクリーニングシートと合わせて紹介しよう。
こちらはメーカー推奨でない手法の場合、自己責任となるのでご注意いただきたい。
プリンターのローラー汚れをきれいにするクリーニングシート
紙詰まりなどの給紙・排紙のトラブルは、給紙ローラーに付着した細かな紙粉やホコリが原因の可能性がある。
クリーニングシートを給紙トレイにセットして、排紙ボタンを押したり白紙印刷したりすることで、ローラーの汚れが取れて紙詰まりなどのトラブルが解消する場合がある。機種によって使い方が若干変わるので、使用前には説明書をよく確認してほしい。
プリンターのクリーニングシートは100均でも入手できる
クリーニングシートにはメーカー純正品もあるが、サードパーティー製もある。100円ショップでも購入できるので、コスト面が気になる人は探してみてほしい。
プリンターのヘッドのノズルからインクの残りカスや不純物を取り除くクリーニング液
メーカー純正のものではないが、プリントヘッドのノズルからインクの残りカスや不純物を取り除くクリーニング液も市販されている。全メーカーに対応したものや、各メーカーに対応したものが個別に販売されていることもある。
使用方法を誤るとヘッドが目詰まりする可能性もあるので、使用方法をよく読んだ上で、自己責任の下、十分に気を付けて利用してほしい。
プリンターで特定の色が出ない!? ヘッドクリーニング以外の対処法は?
印刷不良の対処法としてはヘッドクリーニングが主な対処法だが、ヘッドクリーニングで解消しない場合は以下のような方法もある。
使用しているプリンターのメーカー公式サイトもチェックしてみると良いだろう。
エプソンのプリンターで黒だけ出ない時の対処法
エプソンの公式サイトの「よくあるご質問」では、ヘッドクリーニング以外の対処法が紹介されている。インクの使用期限を確認することと、インクカートリッジを一度取り外して再セットすることの2つだ。
【参考】インクが出ない、白紙で印刷される、または、特定の色のみインクが出なかったり、かすれる場合の対処方法を教えてください(エプソン公式サイト)
キャノンのプリンターで特定の色が出ない原因
キヤノンの公式サイトには印刷不良の原因として、インクタンクを装着する際のオレンジテープの剥がし忘れ、インクの残量がない、市販の詰め替え用インクの使用、印刷範囲の推奨領域超え、といったものが挙げられている。また、電源を切る際に電源ランプが消える前にコンセントを抜くと、プリンターヘッドに正しく乾燥予防のキャップがされず、インクが乾燥してしまうことも指摘されている。1つ1つチェックしてみよう。
【参考】【インクジェットプリンター】インクが出ない・掠れる・筋が入る(キヤノン公式サイト)
プリントヘッドをお湯で洗浄する方法はキケン
プリントヘッドを取り外し、お湯で洗浄すると印刷できるようになるという情報もインターネット上に存在している。ただ、この方法で改善しない場合も多く、故障を招く可能性が高いのでおすすめはできない。
プリンターヘッドの目詰まりをドライヤーで直す方法もアブナイ
ドライヤーでプリンターヘッドを温めると、インクが溶けて目詰まりが直るという情報もある。しかし、ドライヤーの熱で樹脂製の部品が変形し故障の原因となることも考えられるので、やはりおすすめできない。
以上、プリンターの印刷不良の対処法について解説した。多くの場合は、ヘッドクリーニングで対処できるはずだ。それでも印刷不良が解消しない場合は、メーカーへの修理依頼をおすすめする。印刷の不良時にはマニュアルに書かれた指示に従って対処し、末永く愛用のプリンターと付き合ってほしい。
※データは2020年10月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット