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ちょっと足を延ばせばいつもと違う京都を楽しめる中丹地域おいしいもの巡りの旅

2020.11.03

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

海、森、里のおいしさがあふれる「海の京都」「森の京都」

福知山市、綾部市、舞鶴市の京都府中丹地域は、海、森、里の自然に恵まれた地で、京の都の食を支える食材の宝庫でもある。

京都府中丹地域を始め、京都府内で生産された原料を使用した商品から、「中丹女性伝道師」による、女性目線で選定されたのが「京都中丹いちおし商品」。現在、23社42商品がラインナップされている。※価格は税込み。

〇米粉かたクッキー(綾部)

KOKU」の「米粉かたクッキー」は、見た目はらくがんのような、米粉を使った型詰めクッキー。野菜パウダーを練り込み“箱の中の野菜畑”をイメージした「やさいづくし」と、京都府産の素材を集めた「京都うまれ」の2種類(各18個入り・2592 円)がある。

綾部市上林地区の契約農家より米を仕入れて製粉し、添加物、小麦、卵、乳製品不使用、植物由来の原料のみで仕上げている。グルテンフリーやアレルギー、ヴィーガンに対応する。和三盆、メイプルシロップで味付けしたほんのりとした甘さと、ほろりとした独特の優しい食感が特長で、カラフルなクッキーとオリジナルの金箱から、引き出物や、茶道で使われることも多い。

「農業従事者がどんどん減っていく中で、綾部の田んぼを守りたい、地域のお米を食べてもらいたいという想いで会社を立ち上げた。小麦粉とは違い、米粉はグルテンが含まれていないのでつなぎがなく、固まらなかったり、煎餅のように固くなってしまったりと最初はかなり苦戦した。

試しにつながらない生地を型抜きして焼いてみたところ、予想以上においしく商品化につながった。自然由来のもので色を付けており、焼きすぎると色が飛んでしまうため、低温でじっくりと焼いている。型抜きすると見た目もかわいらしく、現在はすべてオリジナルのらくがんの型を使っている」(iicome合同会社代表 KOKUプロデューサー 宮園ナオミさん)

〇茶和らび(綾部)

元和菓子職人で現在は茶農家を営む橋本富美雄さんが、自社茶園の茶を使った菓子を手掛ける「Goodies」の「茶和らび」(抹茶・ほうじ茶 各3個入り648円)は、昨年、京の食6次産業化コンテストで準グランプリを受賞。抹茶の「茶和らび」は、Goodiesの茶園で収穫した一番茶抹茶のみを使用し、貴重な本わらび粉をたっぷり使ったわらび餅。中には抹茶クリームが包まれている。今年からほうじ茶の「茶和らび」も発売。とろけるようなわらび餅を抹茶パウダーで包み、中から抹茶クリームがあふれ出る。

抹茶もほうじ茶も、苦味も含め、お茶の味をしっかりと感じる。冷凍で販売しており、食べるときは自然解凍で。

「実家が先斗町駿河屋という和菓子屋で、そちらは兄に任せて12年前に綾部に移住。そこで茶農家の中田義孝さん(後述)と出会い一から教えていただいた。今は独立して茶農家を営んでいる。京都中丹地域のお茶は高品質だがあまり知られていないこともあり、みなさんに知ってもらうために自分が持っている技術を生かして、茶農園とお茶を使ったお菓子作りの二刀流でやっている。

自分で栽培した一番茶しか採らず、20日間以上覆いをかけてカテキンを抑えてテアニンをしっかり含んだうまみの多いお茶を抹茶にして使っている。ほうじ茶の方は、地域活性化が目的でもあるので、綾部でほうじ茶パウダーを作っている櫻井農園のお茶を使っている」(橋本さん)

〇豆乳パンプティング(綾部)

グルテンフリースイーツを販売している「自然素材オリジン」の「豆乳パンプティング」(6個入・2800円)。蓮ケ峰農場の平飼い卵と有機豆乳がベースのなめらかな食感のプディングの中に、自然素材オリジンの定番商品「むし食パン」が入った新感覚のパンプディング。

スプーンですくうとコロッとむし食パンが出てきて、自然な甘みとカラメルの程よい苦みが絡み合う。食べ応えがあり朝食にもおすすめ。

〇育てる醤油・卓上しぼり器セット(綾部)

昔ながらの手作り醤油を提案している「今しぼり」の「育てる醤油・卓上しぼり器セット」(5720円)は、醤油麹とビン、呼吸する木の蓋、卓上しぼり器がセットになった、手作り醤油キット。

醤油麹は、ゆでた丸大豆、炒った小麦に麹菌をかけて3日間、温度と湿度を管理して麹菌をたっぷりと含んだ醤油の種。醤油麹に水300CCを入れて、約1年で自家製醤油が出来上がる。もろみの入った醤油なので、そのまま食べてもおいしく、卓上しぼり器で食べたい量だけをしぼることもできる。しぼった後のもろみは薬味やオイルに混ぜて食べる醤油を作ったり、炊き込みご飯や炒め物にも使える。

〇万願寺とうがらしの「じぇのべーぜ」(綾部)

地元で採れた安心・安全な野菜を使った商品を販売している「田舎家そらしど」の「じぇのべーぜ」(918円)は、京都の伝統野菜である万願寺とうがらしをふんだんに使った京風ジェノベーゼソース。

落花生、にんにく、パルメザンチーズに、必須脂肪酸が豊富に含まれたエクストラバージンオリーブオイルとグレープシードオイルがたっぷり。パスタなら1瓶で2~3人分。クラッカーにのせておつまみに、イカや海老、白身魚などと一緒に炒めてソテーにも。

〇小畑みそ(綾部)

小畑みそ」は、綾部市小畑町で栽培された有機米コシヒカリと有機大豆を原料に、添加物を一切使用せず、昔ながらの自然醸造でじっくりと熟成させた、まろやかな味わいの手づくりみそ。450g・455円(下記画像)、1㎏・810円。

〇綾部名物とちの実クッキー(綾部)

樹齢2000年ともいわれる京都一の巨木「大トチの木」がある綾部の特産品がとちの実。「綾部名物とちの実クッキー」(700円)は、とちの実を使った自然な甘さと素朴な風味が特長のクッキー。

〇かま魚こ/舞鶴茶×へしこ茶漬け(舞鶴)

崎田商事の2商品。「かま魚こ(かまぎょこ)」(864円)は、舞鶴でこだわりの手作りを貫く藤六のかまぼこを太白胡麻油に漬けた一品。紅白の魚型のかまぼこはそのままおつまみに、オイルごとドレッシングにしてサラダにかけてもおいしい。ガーリック、ブラックペッパー、プレーンの三種類。

「へしこ」とは丹後地方の伝統的な製法で、サバを塩漬け、ぬか漬けにしたもの。へしこの代表的な食べ方といえばお茶漬けだが、「舞鶴茶×へしこ茶漬け」(660円)は、舞鶴産茶葉の粉末と合わせて、お湯を入れるだけでお茶漬けができる。

〇万願寺甘とうとちりめん山椒のかまど炊き佃煮(福知山)

かまど炊き製法にこだわった佃煮を作っている、大江山食品の季節限定商品(10月末まで)「万願寺甘とうかまど炊き佃煮」(864円)。京のブランド産品指定された「万願寺甘とう」使った佃煮で、山椒、細切り昆布を含めた3種類で展開。

〇京そば素麺 夜久野かすみ(福知山)

夜久野高原は霧が多く、昼夜の寒暖差が大きいことから良質の蕎麦が育つ。夜久野町で育った蕎麦を販売する、やくの農業振興団の「京そば素麺 夜久野かすみ」(1620円)は、夜久野産のそば粉、国産小麦、塩のみで製麺した1.2㎜極細麺。なめらかなのど越しとそばの香り広がる新しいタイプの蕎麦。冷たくして、ゆずやスダチなどの柑橘類を加えただし汁でいただくのがおすすめ。

京都中丹地域のお茶

宇治茶として流通されている高級茶は、福知山市、舞鶴市、綾部市の京都中丹地域でも栽培されている。京都中丹地域のお茶の産地はいずれも由良川流域に近く、おいしいお茶の条件となる朝霧が発生しやすい環境で、知る人ぞ知る「お茶の名産地」だ。

主に玉露と、抹茶の原料になるてん茶を生産。玉露は昭和40年代ごろから生産を始めたそうだが、技術改善や管理の徹底を行い、機械で摘む玉露としてはトップレベルの品質を誇る。

全国茶品評会で「農林水産大臣賞一等一席」を6回受賞した茶農家で、宇治茶伝道師としても活動している中田義孝さんは、地元の農家が作った濃く甘みのある玉露を楽しめる場所として「綾茶Café」を「あやべ特産館」(後述)内に作り、お茶や抹茶スイーツを提供している。

「綾茶Café」でぜひ味わいたいのが、綾部産の「玉露」(600円/スイーツ付き800円)。

玉露は40度ほどの低い温度で入れるので、いったん湯冷ましにお湯を入れて温度を下げ、湯飲みに移してさらに下げてから急須へ。お茶の味はタンニンやテアニンに影響を受けるため、温度が高いほどタンニンが溶けだし、渋みや苦みが出てくるが、温度が低いとタンニンの溶出が少なく、テアニンのうまみが増す。

冷ました湯を急須に移して1分半ほど待つ。茶葉が6~8分目ぐらいまで開いたら淹れるタイミング。急須にお茶が残ると二煎目以降が苦くなってしまうため、最後の一滴まで注ぐ。見た目は薄いが味はしっかりしているのが特徴。一煎目はだし汁のようなうまみがある。

二煎目は60度ぐらいで。湯冷ましにお湯を入れてから急須に移し30秒待って淹れる。玉露と煎茶の間のような感覚で、うまみは少なくなるが煎茶のさわやかな味が出てくる。三煎目ぐらいまで楽しめて、三煎目は直接ポットのお湯を急須に入れる。三煎目に口直しで丹波の黒豆をいただく。玉露は茶葉がやわらかく、淹れ終わったらお浸しとして、ポン酢につけて食べるととてもおいしい。

〇あやべ特産館(綾部)

「綾茶Café」がある「あやべ特産館」は、先に紹介した「京都中丹いちおし商品」をはじめ、万願寺とうがらしや丹波の栗、丹波の黒豆など地元産の野菜や特産物を販売している。観光情報ステーション、サイクリングのサポートステーションも併設しているので、観光の際はぜひ活用してほしい。

スイーツのまち・福知山、丹波大納言小豆の和菓子などスイーツにも注目

〇足立音衛門 京都本店(福知山)

「スイーツのまち」としても知られる福知山には、百貨店やお取り寄せでも大人気の「足立音衛門」の本店がある。大正元年に建築された邸宅を店舗として利用し、建物は京都府の指定文化財となっている。

丹波栗をはじめ、世界各国から厳選した栗をふんだんに使った焼き菓子が揃う。本店限定は地元の丹波栗を使った「丹波栗のケーキ」(3920円)。

〇宮代屋(綾部)

昭和元年創業の和菓子店「宮代屋」では、貴重な「丹波大納言小豆」を100%使用した和菓子を販売している。丹波地方は丹波大納言小豆の産地で、京都の高級和菓子店をはじめ、全国の有名な和菓子店で多く使われている。栽培に手間がかかり、生産量が少ないため他の産地と比べるとかなり高価な小豆だ。

「こちらは昨年の丹波大納言小豆だが、暑さのため不作の年で粒が小さい。大きい粒は粒あんに、小さい粒は自家製のこしあんにしている。丹波大納言小豆は味が濃く、腹割れしなくて、きれいにもっちりと炊ける。

比重の軽いものは出荷の段階で選別されて弾かれるが、それでも水を吸わない固い『石豆』が混じっていることがある。炊く前に一晩夏場は水に浸けて、冬場はぬるま湯につけて渋きりをし、茹でこぼしして笊に開け、水にさらして冷たくしてから、固い豆がないか手で確認して炊く。

丹波大納言小豆はクセがあるので炊き方が難しい。収穫されてからの時期や季節によっても豆の性質が変わるので、変わらぬ品質で小豆を炊くのは職人の腕によるところが大きい」(宮代屋 塩見大介さん)

丹波大納言小豆をのおいしさを存分に味わうのなら「九鬼娘(くきむすめ)」(1個210円)がおすすめ。甘さは控えめだが、深みのある味わいの丹波大納言小豆を堪能できる。栗入りと餅入りの2種類。

「丹の国最中(にのくにもなか)」(1個180円)は、最中の種と丹波大納言小豆餡を別包装にして食べる時に餡を種にはさみ、作りたてのパリっとした最中が味わえる。日持ちもするのでお土産にも。

「綾人(あやひと)」(1個230円)は、養蚕が盛んな丹波地方をイメージし、絹のような白い餅で南高梅の甘露煮と白餡を包んでいる。梅の酸味と餡の甘みが、やわらかい餅と相まってとても美味。お茶請けにもぴったり。

【AJの読み】おいしいものであふれる京都府中丹地域

古くから都の食を支えてきた京都府中丹地域は、海の幸、山の幸に恵まれ、おいしいものがあふれている。都会から移住した方に聞くと、食べ物がおいしすぎて10㎏体重が増えたとか。特産品も無農薬・減農薬栽培、有機栽培の原料を使い、丁寧にものづくりをしている製造者が多く、体に優しい食べ物が多いという印象を受けた。

丹波栗、丹波大納言小豆、丹波黒大豆の産地でもあり、紹介した足立音衛門や宮代屋以外にも、丹波栗や丹波大納言小豆を使ったスイーツ店も多く、福知山は「スイーツのまち」として、スイーツめぐりを提案している。また、福知山は焼肉店数全国1位の「肉のまち」でもあるそうで、食欲の秋は、京都市内から足を延ばして、福知山・綾部でグルメ旅を楽しむのも一興。

文/阿部純子

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