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知ってる?「年越しそば」の由来とタイミング、地域ごとの具材の違い

2020.12.18

毎年なにげなく食べている年越しそばですが、その由来や食べる意味を知っている人は少ないのではないでしょうか。実は年越しそばには、縁起を担いださまざまな意味があります。それらの雑学を知るだけでも、食べるときの気持ちが変わってくるかもしれません。

年越しそばの起源

ここからはまず、年越しそばの由来と食べる意味について、その『起源』までさかのぼって解説します。

由来はいくつか説がある

年越しそばは少なくとも江戸時代中期には始まっていたとされる風習で、由来にはいくつかの説があります。

そのうちの一つが、室町時代、関東三長者の増淵民部が大晦日にそばがきを食べていたことを始まりとするものです。

さらに鎌倉時代までさかのぼると『世直しそば』という伝説もあります。それによると、年の瀬に九州のあるお寺で貧しい町人にそば餅をふるまったところ、翌年には運が向上してきたそうです。

また、江戸時代に金細工の職人が金粉を集めるためにそば粉を使っていたことから、新年に金運を呼ぶために食べ始めたという説もあります。

そのほかにも、そばに関連する縁起を担いで年越しそばが食べられるようになったという由来が、いくつも存在しているようです。

年越しそばを食べる意味

年越しそばを食べる意味にもいくつかの説がありますが、いずれも『縁起』を担いだものばかりです。

例えば、植物のソバは雨風にさらされても日光を浴びると元気になることから『無病息災』の意味があるとする説や、切れやすいそばを食べることで『その年の苦労や借財を切り捨てて新年を迎えるため』という説などがあります。

そのほかには、そばのように細く長く寿命や家運を伸ばすためという説が有名です。どれが正しいという点よりも、さまざまな意味がある縁起の良い食行事として捉えるのが一般的といえるでしょう。

食べるタイミングは年明け前

年越しそばを食べるタイミングは、大晦日の昼から年が明ける前までです。

理由は前述した年越しそばのさまざまな意味と関係があり、その年の厄災を断ち切って、新年を迎えられるようにするためです。

そのため、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べる場合には、うっかり年をまたがないように注意しましょう。

地方によってはそばではないことも

(出典) photo-ac.com

年越しそばを食べる風習は全国にあるものの、さまざまな『地域差』も存在します。その中でも一風変わったものを紹介します。

沖縄では独自の沖縄そば

そもそも沖縄でそばといえば、そば粉を使わない『沖縄そば』が主流で、年越しにも沖縄そばを食べます。

1968年にサン食品が沖縄そばを販売したのが起源で、当時の沖縄ではそば粉で作ったそばを食べることが難しかったため、一気に県民に広まったのです。

沖縄そばは、ラーメンに似た麺と、鰹節や豚骨を使っただし、豚の三枚肉・ネギ・かまぼこ・紅生姜などの具材が特徴的です。沖縄から自宅にお取り寄せができる沖縄そばのお店もあるため、次の大晦日に試してみるのも一案でしょう。

岩手では歳の数だけわんこそばを食べる

岩手県を代表する食文化といえば『わんこそば』で、もちろん年越しにも食べられます。現在では大食いのイメージが強いものの、本来は殿様や大切なお客様をもてなすために用意された由緒正しき料理です。

かつては、その人の歳の数だけわんこそばを食べるという『年越しわんこ』の風習もあり、長寿の縁起物として信じられてきたようです。

香川県ではうどんを食べる人も

うどん県として有名な香川県では、年越しにそばではなく『うどん』を食べる人もいます。年越しうどんという言葉があるわけではなく、県民の中でも好みによって食べ分けることが多いようです。

さらに、2009年からは地元の麺業界を中心に、小正月である1月1日から15日にうどんを食べる『年明けうどん』を提唱して推進活動が行われています。

白いうどんに紅生姜・梅干し・にんじん・海老などの紅い具材を加えて、おめでたい紅白にみたてるのが唯一のルールです。

年越しそばに加えて、年明けうどんが全国のスタンダードになる日もそう遠くはないかもしれません。

具にも縁起を担いだ意味がある

(出典) photo-ac.com

 

年越しそばは、そばだけではなく具材にも縁起を担いださまざまな意味があります。ポピュラーな年越しそばの具材である『海老天』と『ネギ』にこめられた意味を紹介します。

長寿を願う「海老天」

年越しそばの定番である『海老天』は、醤油風味の汁との相性も抜群で、老若男女を問わず人気の具材でしょう。

海老の腰が曲がったような形状が高齢者を連想させることから、『長寿のシンボル』としての意味を持っています。長生きできますようにと願いながら食べれば、本当に元気が湧いてくるかもしれません。

1年を労う「ネギ」

『ネギ』も年越しそばの具材としてスタンダードに食べられています。その意味は1年を「ねぎ」らうというもので、1年の節目である大晦日のタイミングにはぴったりといえるでしょう。

ネギは栄養価が高い食品といわれているので、新年を迎えるにあたり、心身の調子を整えるのにも適役です。

構成/編集部

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