左:京橋駅ホーム、右:外苑前駅出入口
東京メトロが進めている銀座線のリニューアル。今回、日本橋駅、京橋駅、銀座駅、青山一丁目駅、外苑前駅の5 駅がリニューアルを終えた。
2017 年に開業 90 周年を迎えた銀座線。今後も末永く利用してもらう銀座線を目指し、「伝統×先端の融合」という路線コンセプトのもと、全駅のリニューアル工事を行なっている。
今回、銀座エリアの銀座駅、商業エリアの日本橋・京橋駅、トレンドエリアの青山一丁目・外苑前駅の 5 駅において、多機能トイレやエレベーターなどのバリアフリー設備整備やホームドアの設置を含めた駅 リニューアルを実施した。
リニューアル後の各駅の様子
銀座駅 デザインコンセプト『憧れの街』
銀座に漂う「上品さ、優雅さ、高級感」を感じられるように、明るさや洗練さを併せ持った空間を演出。
ホーム (渋谷方面)
銀座線のホーム側壁には、一面に古き良き銀座の街並みのイメージを描く。電車を待ちながら移ろいゆく銀座 の歴史を感じてもらうことで、銀座に訪れる多様な人々と街を、世代・国・地域を越えてつなぐ役割を果たす。
日本橋駅 デザインコンセプト『橋の街』
江戸時代、1603年に木造太鼓橋で建造された日本橋。橋は幾度かの改修や改架で姿を変えたが、今でも街 のシンボルとして存在感を放っている。その日本橋のある街の駅として、江戸時代から続く日本橋の歴史を伝え、 にぎわいと活気が感じられる空間を演出。
ホーム(渋谷方面) 壁面のアーチや、壁天井の木調の仕上げが、かつての江戸の日本橋を表現している。また間接照明から降り注 ぐ柔らかな光が空間に温かみをもたらす。
京橋駅 デザインコンセプト『時のギャラリー』
歴史的建造物や美術骨董品のギャラリーが残る近代的な街、歴史と近代が共生する街のイメージを表現。東京のガス灯発祥の地であることにフォーカスし、柱のデザインモチーフとした。
ガス灯をイメージしたやわ らかな灯りが、温もりのある落ち着いた空間を演出。改札口(渋谷方面改札) ガス灯をモチーフとした柱が改札口の存在感を際立たせ、視認性を高める。また、柱内から漏れる灯りは時間帯 で変化し、一日を通して様々な表情をみせる。
外苑前駅 デザインコンセプト『スポーツの杜』
銀杏並木、多くの自然に囲まれた競技場など有名な観光スポットを有する外苑前駅は「スポーツの杜」をテーマと し、駅全体に”神宮外苑に集う人々の中に、爽やかさを感じる”デザインを取り入れている。
改札口(神宮球場方面改札) 艶のある明るい天井にトラックをモチーフとした天井のラインを施すことで、スポーツの軽やかさを演出。垂直に伸びる柱の半鏡面スリットは、行き交う人々を映し出し、空間に彩りを添える。
青山一丁目駅 デザインコンセプト『優雅な街並み』
かつて徳川家康の重臣、青山家の大名屋敷があった青山一丁目には、現在青山家跡地の一部に青山霊園の桜並 木が作られ、春になると落ち着いた雰囲気の中で美しく咲き誇る桜を楽しむことができる。
その桜並木の要素を 抽出し、気品ある街並みをモチーフとしたデザインを取り入れることで、優雅さが感じられる空間を演出。 ホーム(渋谷方面) 床はタイルの組み合わせによって、石畳を表現した。柱は、桜の木肌を模した艶があるデザインに仕上げた。
「銀座線5駅リニューアル」関連情報:https://www.tokyometro.jp/
構成/DIME編集部