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プロゲーマーとは何が違う?ゲーム実況で人気を集める「ストリーマー」の素顔

2020.10.25

2020年は、コロナ過での『あつまれ どうぶつの森』の大ヒットや『PS5』と『Xbox Series X』といった新世代機の発売などゲーム業界のトピックスが多く、eスポーツの盛り上がりでプロゲーマーも人気を集めた。そんななかで動画配信サービスやライブ配信サービスなどを利用して、オンラインでゲーム実況を配信するストリーマーと呼ばれる人たちが注目されている。ストリーマーとは、ライブ形式で映像配信する人たちを指す言葉で、その配信ジャンルはゲーム実況、音楽演奏やDJプレー、雑談など多岐に渡る。特に人気のジャンルなのがゲーム実況で、世界的なゲーム系ストリーマーになれば、年収数億円以上とも言われている。日本のゲーム系ストリーマーとして『Twitch』で活動するクラッチさんにインタビューし、プロゲーマーとは違うストリーマーについて語ってもらった。

clutch_fii(クラッチ)さん。1992年12月11日生まれ。2014年頃から『AVA』の選手として活躍し、2017年に「『Overwatch』 Championship Series 2017」で優勝。その後、「『PUBG』 JAPAN SERIES βリーグ Grade1」でも準優勝。現在は『VALORANT』や『APEX Legends』などを中心にストリーマーとして活動。『Twitch』での配信チャンネルは、https://www.twitch.tv/clutch_fii

プロゲーマーとストリーマーの違いとは?

――まずストリーマーというカテゴリーの定義みたいなものはあるのでしょうか?

clutch_fiiさん(以下、クラッチ):世間的にどういう人をストリーマーと呼ぶかまだ決まってないと思います。僕の中では配信をして生計を立てている人をストリーマーと呼ぶのかなと思っています。

――クラッチさんはゲーム専門のストリーマーですが、プロゲーマーとは違うのでしょうか?

クラッチ:プロゲーマーは、特定のゲームタイトルをプレーして活動されている方で、チームや会社に所属してイベントや大会に出場しています。僕もそういうプロゲーマーの選手活動を経てストリーマーになりました。プロゲーマーと違って幅広く人気のタイトルをプレーして、それを配信して視聴者を楽しませるのがストリーマーだと思います。

――プロゲーマーの主な収入は、所属チームやスポンサーからの報酬や大会の賞金などですが、ストリーマーの収益はどのような形になりますか?

クラッチ:僕自身は、ライブ配信サービスの『Twitch』でゲーム実況を配信して、配信時に広告を流したり、視聴者が購入する「ビット」を使って投げ銭してもらったりして『Twitch』から収入を得ています。『Twitch』には「サブスクライブ」と呼ばれる月額で視聴者が課金してストリーマーを支援するサービスもあります。あとは『Twitch』でイベントがあり、そういったイベントでは賞金が出たりします。僕は『Twitch』でしかやってないですが、他の配信サービスも似たような仕組みなんじゃないかなと思います。すでに国内でも月8桁を稼ぐゲーム系ストリーマーもいるみたいです。

――元プロゲーマーということですが、ストリーマーになる前の略歴を教えてください。

クラッチ:初めてパソコンゲームに触れたのが中学校で、その時はみんなで冒険するRPGでした。高校生になって競技性のあるFPSをプレーし始めて、大学生の頃にゲームの大会に出始めました。そこから勝ち上がると世界につながるような大会に出場し、何度か世界大会に出るようになりました。当時はプロゲーマーという言葉は一般的ではなかったのですが、競技としてゲームを気が済むまでやってみたいと思い、一線で活動していました。

――ちなみに最初に出場した大会は何のゲームですか?

クラッチ:『Alliance of Valiant Arms』(通称『AVA』)です。それが2014年ぐらいです。『AVA』の世界大会が終わって、違うゲームに挑戦したいと思って、『Overwatch』を2年ぐらいやりました。そこから『PlayerUnknown's Battlegrounds』(通称『PUBG』)というバトルロイヤルのゲームが絶対に盛り上がると思って、移行して活動しました。それが2017年ぐらいです。『PUBG』を始めた頃に配信活動も始めました。『PUBG』は大会の様子を参加者が配信することが必須だったので、そこでゲーム配信を始めました。やり始めると大会だけじゃなくてプライベートの練習風景や自分が他のゲームをプレーしているのを発信するようになって、そこから配信が楽しいというのに気が付いて、プロゲーマーの活動と並行しながら配信していました。今年1月ぐらいから配信に力を入れたいという気持ちが強くなり、いまはプロゲーマーとしての選手活動をお休みしています。配信自体はスタートさせてから30ヶ月ぐらいなので2年半ぐらいです。

――今年1月から本格的にストリーマーとして活動して、すでにフォロワー数が3万人以上もいますね。

クラッチ:フォロワーの増え方はあまり気にしていなかったですが、自分がやりたいように配信していたら、コンスタントに増えていった感じです。今年の8月と9月はそれぞれ1500人ずつぐらい増えています。配信するゲームのタイトルによって増え方は変わります。新作ゲームはチェックしますし、人気が出そうなタイトルは発売日に買ってすぐ配信したりはしました。

――配信サービスの中で『Twitch』を選んだ理由はなんですか?

クラッチ:僕が配信を始めた当時から、ゲーム配信は『Twitch』が強かったです。あと自分自身で観る時にかなり見やすかったことも理由です。他にも配信サービスはありますが、『Twitch』はゲームの画質がいいし、検索でもゲームタイトルがかなり見やすいです。

――『Twitch』は特に海外で人気がある印象ですが、国内と海外のフォロワーの比率はどんな感じですか?

クラッチ:フォロワーには海外の方もいますが、9対1で国内の人です。日本で人気がないゲームでも海外で流行しているゲームを配信する時は、海外の方が結構コメントしてくださったりしています。

今回のインタビューは、クラッチさんが普段配信している部屋からWebカメラを使ってZOOMで行なった。

配信中の言葉選びが重要

――ライブ配信で心がけていることはありますか?

クラッチ:一番に気をつけているのは言葉選びです。不快な思いというか自分の発言によって不快にさせるのが一番嫌なので、そこだけは本当に気を付けています。対戦するゲームでは、つい良くないことを言ってしまうシチュエーションがあると思いますが、嫌だなって思うことは言わないです。他の方の配信を見た時に「あっ!」って思うような発言があって、反面教師じゃないですけど気を付けようと思いました。

――プレー中のコミュニケーションはフォロワーを増やす秘訣でしょうか?

クラッチ:それはもちろんですね。『Twitch』は「低遅延モード」といって、2秒か3秒ぐらい配信の遅延を設定できます。それを使えばリアルタイムでコメントを返せるので、プレーに集中して返事ができない時以外は、基本的には返すようにしています。『Twitch』の魅力は、一体感があるライブ配信です。動画のアーカイブだったら、『Youtube』にアップすればいいと思います。ただ僕の配信スタイルはちょっと特殊で、ゲームにのめり込みすぎて1日20時間とか長時間の配信をすることが多々あり、そういうのはリアルタイムで全部を観られないので、アーカイブを観てもらっているという形ですね。

――配信について何かノウハウや工夫していることはありますか?

クラッチ:配信を始めたのが『PUBG』の大会で配信義務があったからなので、最初は抵抗があって顔出しをしていませんでした。その頃にコミュニティみたいなところで配信している先輩に「カメラで顔を出せ」とずっと言われました。それで実際に顔を出したら、実況中の表情がわかるし、コメントを返せないときでも反応やリアクションが見せられて、それが受けたのか顔出ししてフォロワーは増えました。

――ストリーマーのタイプにはどんな人がいるのでしょうか?

クラッチ:僕はゲームの技術というか上手さはあると思うので、それをウリにはしています。でも自分の持っている面白さを武器にしている人もいますし、誰もやらないコンテンツやローカルなゲームを配信するという人もいます。競技性のあるタイトルじゃなく、RPGしか配信しない方もいらっしゃいます。

――ちなみにストリーマーにとっては、しゃべりも必要なスキルですか?

クラッチ:僕はしゃべりのスキルがないけど、うまくやっているのでそこは大丈夫です(笑)。

――クラッチさん自身は、表舞台に出たいみたいなことはあったのでしょうか?

クラッチ:性格的には好きです。小さい頃から前のめりでした(笑)。それも大きいのかもしれないですね。そういう意味で言うと、やはり顔出ししてやるというのがある程度好きじゃないとできないかもしれないです。

――ちなみに、炎上の経験はありますか?

クラッチ:いやあ、全くないです。配信で一番気を付けていることに戻りますが、言葉選びは一発だと思います。配信中に、言葉選びを間違えばアーカイブに残るし、誰が視聴しているかわからないし。いま僕はチームに所属していませんが、チームに所属していたときは、迷惑をかけてしまう可能性があるし、そこは本当に気を付けていました。

――クラッチさんの配信スケジュールはどんな感じですか?

クラッチ:一応は自分の中での理想はあって、夜7時ぐらいから始めて深夜2、3時に終わるのが理想形です。でも難しいですね。

――配信のペースはどのぐらいですか?

クラッチ:9月でいうと配信を休んだのは4日だけです。9月27日まで毎日やりました。さすがに27日から30日までは休みました。『Twitch』のデータによると月280時間ぐらい配信しています。

ポストコロナのゲーム配信

――視聴している人は入れ替わっていますか?

クラッチ:そうですね。視聴者の方の入れ替わりのローテーションで時間がわかります。チャットで「おはようございます」と言って投げ銭してくれる方がいつもいらっしゃるので、そこで朝だと気付きます(笑)。基本は、起きてご飯を食べてお風呂に入ったら、ゲーム実況の配信をやります。僕は基本的にゲームが好きなので、ストリーマーは天職でまったく苦じゃないんですよ。いまは配信以外でゲームをやることもほぼないです。

クラッチさんは、パソコンゲームが配信のメイン。使用しているマシンの主なスペックは、CPU:Core i9-9900K、グラフィックボード:RTX2080SUPER、メモリ:32GB、SSD:1TB、HDD:2TB。ソフトはほぼSSDにインストール。ディスプレイは、実況で使っているメインモニターとコメントなどを出すためのモニターの2台。カメラ:ロジクール製のWebカメラ1台。録音には約1万6000円のマイクとサウンドミキサーを使用。

――機材などの情報はどのように集めていますか?

クラッチ:他の配信している人から教えてもらいました。元々は選手だったので、配信機材に力を入れることは考えていませんでした。配信を始めた頃は音質も気にせずに、ヘッドセットでやっていました。機材はここ1年ぐらいで揃えました。動画編集については、ほぼしてないです。『Twitch』は配信したアーカイブが約2ヶ月で消えますが、配信動画を自分で編集すればずっと残せるので、その作業はやっています。アーカイブに残すのは、視聴者の方から残して欲しいという意見があったときだけです。『Twitch』の特徴的な機能ですが、配信中に良いシーンや面白いシーンがあった時に、視聴者が「クリップ」で映像を切り取って残せますが、その機能は優秀で重宝されていると思います。

クラッチさんは、ここから毎日のようにゲームをプレーして配信している。

――配信は、新型コロナの影響がありましたか?

クラッチ:新型コロナの影響は、かなり感じました。僕は夜に配信を始めて、長引いてお昼に差し掛かることもありますが、リモートワークで自宅でお仕事されている方が増えたせいなのか、お昼の時間帯も活発で夜より観ている人が多いと感じることもありました。

――新型コロナの影響でプロゲーマーからストリーマーに転向した人もいましたか?

クラッチ:そこはあまりなかったと思います。ゲームのプレイヤーとして活動している方たちは、本来オフラインの会場でやるようなタイトルもオンライン開催になって、それは今も続いているので、選手としてのモチベーションは難しいだろうなというのはちょっと思いますね。

――今後のストリーマーとしての目標はありますか?

クラッチ:僕の意見ですけど、プロゲーマーの選手をやっていた期間は、一般的に見たら職業的な空白の期間に見られることも多いし、プロゲーマーをやった後のセカンドキャリアがめちゃくちゃ大変だと感じます。ストリーマーというのがセカンドキャリアとしてあれば、選手の時も思い切った活動ができるんじゃないかなっていうのがあるので、自分が先陣を切ってじゃないですけど、その道を示せたらいいなとは思います。

取材・文/久村竜二

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