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コロナ禍で注目度急上昇!「お試し就職」が人気の理由と意外なメリット

2020.10.24

近頃、入社前に副業期間を設ける「お試し就職」という新しい採用手法が注目を集めている。会社とのマッチ度合いを確かめながら入社を判断できるところが受けているようだ。実際のお試し就職の事例と共に、メリットやコロナ禍との関係についてみていこう。

「お試し就職」とは?

「お試し就職」とは、本採用前に副業として“お試し”で働いてもらう期間を設ける新しい採用手法だ。

企業側は、数回の面談や職務経歴書だけでは判断しきれないスキル面や人間性、カルチャーフィットの度合いなどの細かい部分を、実際に現場で働いてもらいながら確かめることができる。

また通常の正社員転職市場には出てこない優秀な人材であっても、副業であれば比較的採用しやすく、お試し就職中に接点を持ちながら口説いていくことも可能。

いきなり会社を移るのではなく、下記のイメージ図のように徐々に移籍していくイメージだ。

お試し就職のメリット

お試し就職の実施例としては、YOUTRUST社のキャリアSNS「YOUTRUST」や、入社前の社内Slack参加と期間限定で現場体験するbosyu社の「お試しJOIN」がある。

お試し就職には企業、採用候補者それぞれにどんなメリットがあるか。お試し就職を実践・促進するYOUTRUST社の代表取締役 岩崎由夏さんに聞いた。

「『採用ミスマッチのリスクを最小限にできること』が一番のメリットです。

従来は、転職して初めて会社の中を見られるようになるので、入社後に『面接で聞いていなかった』『働くチームの雰囲気や相性が合わなかった』ということもあったと思います。その点、お試し就職は、候補者にとっては、現場の業務、コミュニケーション、人・環境を体験し、内部のことを理解した上で転職を判断できます。

企業にとっては、自社で活躍できる人かどうかを、実際の働きぶりを見た上でオファーが出せるメリットがあります。正社員の『試用期間』が前倒しになった、とイメージしてもらうのも良いかもしれません」

コロナ禍がメリットになったこともあるという。

「コロナによりオンライン前提になったことで、候補者にとって、従来のようにオフィス環境で働き始めるよりも難易度が下がりました。企業にとってもお試し就職も実施しやすくなったことで、受け入れる企業数が増え、『副業から正社員の流れって良いよね』という意識変化も企業に生まれたので、候補者にとって提供される機会が増えたというメリットを生み出しました。

さらに、テレワーク化で通勤時間が削減されるなど時間的なゆとりが生まれたことで、複数社でお試し就職を並行しやすくなり、より自分にフィットした機会と出会いやすくなると考えられます。

ただ企業にとっては、オンライン化により人を見極めるむずかしさが出てきました。その点、お試し就職なら、幅広い候補者に『まずは副業から関わってみて、よければ続ける』という思考の変化が期待できることから、優秀な層も獲得しやすくなったといえると思います。そしてお試し就職は、ある意味、着飾ることもできてしまう面接や履歴書の要素をなるべく排除し、仕事ぶりや人柄という候補者が積み上げてきた『信頼』を評価して採用判断ができるため、企業にとってメリットとなるのはもちろん、フェアな転職市場にしていくためにも必要なことだと思います」

お試し就職を実施した事例

お試し就職は、実際、どんな風に行われているのだろうか。2つの事例から見ていこう。

1.SYN(フードデリバリーサービス)の事例

30代のエンジニアが、1ヶ月の副業を経て正社員入社した事例。飲食という領域と、新規事業立ち上げというフェーズ両方に興味があったため、数回の面談を経て副業として参画。副業期間から、正社員と同じように事業戦略会議に参加をするなどし、事業立ち上げという望んでいた挑戦にフルコミットすべく、副業期間1ヶ月で正社員になることを意思決定。その後、前職に半年近く副業として関わった。

2.POL(LabTech関連サービス)の事例

30代の営業職が、4ヶ月の副業を経て、正社員入社した事例。初めは社名や担当者名も知らなかったが、実際に社員と話してみてビジョンや人柄に共感し、その日に副業参画を決意。slackチャンネルをはじめとした社内情報が公開されており、副業者も正社員と分け隔てなく対応されたことで、当事者意識が芽生えたとのこと。人・組織や仕事内容を十分理解した上だったので、自信と納得感を持って正社員入社の意思決定ができた。

お試し就職の就業形態は?

お試し就職の副業中は、リモートワークが多いのだろうか? 岩崎さんは次のように話す。

「コロナ以降は、リモートワーク中心の副業が多いです。コロナ以前までは副業先への出社にかかる移動が壁の一つでしたが、コロナによるオンライン化で場所を気にせず副業できるようになったことにより、副業希望者・仕事マッチング数が飛躍的に増えています。しかし、緊急事態宣言解除以降は、重要な会議や懇親会などはオフラインで行うなど、ハイブリッドでコミュニケーションを行うところが多い印象です。

またリモートワークで副業をする際には『仕事の見える化』をし、企業の不安解消を自ら行う積極的な副業者の方もいます。具体的には、週初めに今週やること一覧をslackに送ったり、毎日の簡単な日報を書いたりなど。リモートだからとコミュニケーションをおろそかにしない方は、オンライン/オフライン問わず信頼されていますね」

現状の課題とアフターコロナのこと

お試し就職は今後、どうなっていくだろうか。岩崎さんに現状課題とアフターコロナの予測を聞いた。

「課題としては、副業がまだ万人のものではないこと。本業ルールで副業NGだったり、副業受け入れの土壌が整っていなかったりする企業が多いことも事実です。政府が副業・兼業を推進していることは変わりないので、法整備の進行も注視しつつ、領域のリーディングカンパニーとして実例をどんどん広めていき、後押しをしていきたいですね。

アフターコロナでも、お試し就職は浸透していくと思っています。先にお話ししたように、候補者・企業共にWin-Winのモデルなので、すでに活用している人の満足度は非常に高いです。ヤフーやライオン、最近はANAのように大企業の副業解禁または副業受け入れが加速しているのも変化の兆しだととらえています。今まではスタートアップ中心の現象でしたが、需要・供給の母集団が広がっているので、お試し就職は多くの人に広がっていくと思います」

お試し就職は、コロナ禍で転職を考えている人にとって、一つの利用価値のある採用手法であるといえる。お試し就職を実施している企業を探してみるのも一つの方法といえそうだ。

【取材協力】

株式会社 YOUTRUST 代表取締役 岩崎由夏さん
大阪大学理学部卒業後、2012年株式会社ディー・エヌ・エーに新卒入社。新卒、中途の採用を担当。2016年子会社ペロリに出向し経営企画を担当。2017年株式会社YOUTRUSTを設立。https://youtrust.jp/

取材・文/石原亜香利

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