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知ってる?証券取引所を通さずお得な価格で株式を購入できる「立会外分売」

2020.10.19

株式取引は証券取引所を通して売買されていますが、立会外分売(たちあいがいぶんばい)という証券取引所を通さずに株式を買付する方法があります。割引された購入価格で、買付手数料無料で株式をお得に買える方法です。

立会外分売とは?

株式取引は証券取引所で9:00~11:3012:30~15:00の間に取引されています。この取引時間外に立会外分売は行われ、証券会社を通して購入申込をします。
買付手数料が無料、立会外分売が行われる当日の前日終値から数%ディスカウントされて販売されます。

立会外分売で売られる株式は、個人が保有している株式ではなく、もともと大株主が持っていた株式が売却されます。

一方、もう一つ個人株主が立会外で株を購入する方法として、PO(公募増資)がありますが、この場合は会社が持っている自己株式または新株を発行し、個人株主に募集します。

POの場合には発行済株式数が増えるため1株あたりの価値が下がりますが、立会外分売の場合はもともと大株主が保有していた株式を売却するため、発行済株式数は増えず1株あたりの価値は下がりません。

ただ、大株主が持っていた固定株が市場に出回り、個人株主はもちろん売却することもあるため、株価への売り圧力となる可能性があります。

立会外分売は何のために行われるの?

立会外分売の目的としては、主に3つあります。

1.市場変更基準を満たすため

東証マザーズのような新興市場に企業が上場している場合に、上位の東証一部への市場変更を目指すとき、市場変更のために必要な基準として株主数などの流動性を確保することが上げられますが、その基準を満たすために立会外分売が行われることがあります。

東証一部のような上位市場に上場すれば、企業としての知名度や信頼度を上げることができ、優秀な人材が集まったり、企業の商品やサービスの認知度が上がったりする効果が見込めます。

例えば、東証マザーズの企業が成長して東証一部へ市場変更したいと考えるときに、東証一部市場変更基準を満たす必要があります。マザーズから東証一部への変更基準には株主数が2,200人いること、流通株式数2万単位以上などがあります。そのため、株主数を2,200人以上にするために立会外分売で大株主(1人)から個人投資家の大勢に分売することで東証一部への変更基準を満たすことができます。

2.流動性の確保

大株主が固定株として持っている分は売買されないため、市場に出回る株数が少ない場合株取引は成立しづらいことがあります。株取引が成立していないと一定方向に株価が動いてしまったり、売買したい人が約定させることができなかったりします。そんな流動性の問題を解決するため、大株主から大勢の個人株主に分売することで市場に出回る株が増え流動性を確保することができます。

3.大株株主自体の理由

大株主自身の資金確保、親会社である大株主の親子関係の解消など大株主自体の理由により分売が行われることもあります。

立会外分売のメリット・デメリット

立会外分売が行われる理由が上位市場への変更基準を満たすための立会外分売は、そもそも市場が格上げすることだけでも株価が上がる可能性が高いため、立会外分売で大きく売却利益を得られる可能性がある目的になります。

一方で、大株主の事情による売却は、立会外分売で購入した個人株主の売り圧力に対する購入需要が弱く、株価が大幅に下げてしまう可能性もあります。

■メリット

・割引価格で購入できる

PO同様、ある日の終値の○%割引の価格で購入することができます。

・買付手数料が無料

買付手数料無料で購入することができます。

・すぐに売買できる

POは募集期間が1週間程度設けられ、申込み、当選後さらに数日後にやっと売却可能になりますが、それに対して立会外分売は立会終了(15:00)以降の18時から次の立会(9:00)前の8:00までの間というように申込時間が14時間程度とかなり限られた時間となります。その分すぐに当選がわかり、翌営業日または当日から売却することができます。

■デメリット

・当選しない可能性がある

申込者が多い場合抽選となるため、市場の指定替え目的の立会外分売など外れてしまう可能性もあります。

・元本割れの可能性がある

立会外分売の目的が大株主の資金調達目的などの理由、相場が下落など売却可能となったときに購入価格を下回ることもあります。

立会外分売は募集されている時間が14時間程度と検討時間が少ないため、早い購入判断が必要となります。まず、立会外分売をする目的を確認して市場昇格目的や流動性確保なら買い、大株主の資金需要目的であれば購入株式の事業内容や業績予想などをよく検討するのがおすすめです。

立会外分売はどうやって申し込む?

立会外分売は実施日前営業から当日朝までの申込期間しかありません。そのため、証券会社、ニュースなどで伝えらえる分売情報をこまめにチェックして、その日に申し込むしかありません。

IPOやPOのように申込期間が長くないため、検討時間も短く、申込、資金入金もスピーディに行う必要があります。

立会外分売で一番確認しておきたい目的は、日本取引所ホームページの立会外分売情報で、【分売目的】が記載されています。

立会外分売の申込期間は短いため、立会外分売を行う証券会社にあらかじめ口座開設しておくのがおすすめです。

購入時には買付手数料がかかりませんが、売却時には売却手数料がかかるため、取引手数料で証券会社を選んでも良いでしょう。

立会外分売の買付は、売却利益が非課税になるNISA口座で買付することも可能です。

立会外分売実施前日の夕方から当日朝までに、購入資金を入金、申込をし、実施日の朝当選確認をして、当選したら買付手続きをして、はれて立会外分売の株式を保有することができます。

その手続き後からすぐに売却可能となります。

相場は9:00からスタートするため、当選発表が9:00前であればいち早くその日に初めて値段が付く「寄付」で売却することができます。寄付で売却したい場合は寄付前に当選発表がある証券会社を選ぶのがおすすめです。前日の終値から割引された価格で購入しているため、実施日に前営業日と価格が変わらなければ、売却手数料を引いた割引分が儲けとなります。

立会外分売の申込は、立会外分売情報のこまめなチェック、早い購入判断が必要です。

買付手数料無料で、割引価格でお得に株式を買える制度なので、是非利用してみてはいかがでしょうか。

文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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