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説明できる?「朝令暮改」の意味と正しい使い方

2020.11.11

『朝令暮改』にはどのような意味があるのでしょうか。漢字の成り立ちから意味は想像できても、「読み方が分からない」という人もいるかもしれません。ビジネスシーンで使われることも多いため、この機会に正しい読み方や意味を知っておきましょう。

朝令暮改はどんな意味?

朝令暮改の意味を正しく解釈するためには、その由来についても知ることが重要です。ここでは朝令暮改の意味や成り立ちを解説します。

命令や法律がすぐに変わる意

朝令暮改は、『ちょうれいぼかい』と読みます。『令』は法律・命令を指し、『暮』は文字通り夕暮れのことです。

漢字の意味を並べると、『朝の法律が夕暮れには改められる』と読み取れます。つまり、『命令や法律がすぐ変わる』という意味です。本来は法律の変化を指す言葉ですが、会社の制度や上司の指示などをこれに例えて、ビジネスシーンでも使われるようになりました。

由来は中国の故事から

朝令暮改は、昔の中国で起こったことや古典を語源とする言葉、故事成語の一つです。言葉自体は、中国の『漢書』の中にある文化・経済に関する記録をまとめた『食貨志』に登場します。

紀元前180年ごろ、中国の漢では文帝という皇帝が国を統治していました。当時の法律は、作られては改められるばかりで定まらず、コロコロと変わる内容に農民たちが困り果てていたそうです。

そこで、臣下の晁錯(ちょうそ)が文帝に宛てて意見書を出しました。その中で、民が振り回され、苦しむ様子を伝えた言葉が『朝令暮改』です。これには暗に『当てにならない』といったニュアンスも含まれています。

朝令暮改の主な使い方

朝令暮改という言葉は、どのようなシーンで使うのが適切なのでしょうか。言葉の意味も踏まえて、正しい使い方を考えてみましょう。

元はネガティブな言葉として使用

前述の語源にあるように、朝令暮改は批判の意味も込めた『ネガティブな言葉』として使われていました。言葉通りに『すぐ変わる様』を指す他、『いいかげんな』『当てにならない』といった意味合いでも使われます。

ビジネスシーンでは、『方針がコロコロと変わる』『部下や関係者が振り回されて迷惑がかかっている』などのニュアンスを含むことが多いです。

肯定的な意味で使われる場面も増加

一方で、最近では『肯定的な意味』として使われることも増えました。

ネット社会ともいわれる現代では、さまざまな情報が日々更新されます。ビジネスにおいては、スピード感を持ち、臨機応変な対応が求められる職種もあるでしょう。

そのため、朝に決めたことを夕方にはシフトチェンジするなどの『素早い対応』をアピールするニュアンスとして、あえて『朝令暮改』が使われることがあります。さらには『朝令朝改』のように、朝令暮改よりも早い変化を指す言葉も使われることがありますが、朝令朝改は朝令暮改をもじった造語です。

もともとの意味で使われるケースが多いですが、素早い対応を求められるビジネスの世界では、あえて肯定的な使われ方をすることも知っておきましょう。

さまざまなシーンで利用可能

朝令暮改は、肯定的にも否定的にも使える言葉です。

しかしながら、もともとは、『法令や命令に振り回されて困る』などのネガティブな意味であることを忘れてはいけません。ポジティブな意味で使う場合は、褒める言葉を付け加えるなど、ネガティブな内容だと相手に受け取られない『配慮』が必要です。

適切に伝わるように、シーンに合わせてうまく使い分けましょう。

朝三暮四との混同に注意

朝令暮改は四字熟語で、似たような並びの漢字の言葉と間違えて覚えている人も多いかもしれません。特に間違えやすいのが、『朝三暮四』です。朝三暮四の正しい意味を知って、混同しないよう適切に使い分けましょう。

字面が似ているが意味は異なる

『朝令暮改』と『朝三暮四』は、構成の文字がとても似ている言葉です。しかし、意味は全く別物なので、間違えて使うと大恥をかくことになりかねません。

朝三暮四は『ちょうさんぼし』と読み、『目先の違いにばかり捉われて、結果が同じであることに気が付いていないこと』を意味しています。

中国の『列子』や『荘子』の説話がこの言葉の起源です。中国の春秋時代、宋の国で猿を飼っている狙公(そこう)という人がいました。この狙公が、猿のエサである木の実を減らそうとする話です。

エサを減らすことで「猿に嫌われるのでは」と恐れた狙公は、猿を騙そうとします。「木の実を朝に三つ、暮れに四つ渡す」と伝えたところ、やはり猿に反発されました。次に、「木の実を朝に四つ、暮れに三つにしたらどうか」と伝えたところ、猿は喜んで受け入れたそうです。これが朝三暮四の由来です。

この由来から、『全体を見れば同じことを、言葉たくみに伝え、他人をあざむく』という意味があります。

朝三暮四の使用例

朝三暮四は、『目先の違いにこだわったが、結果は同じだった』という場合に使うのが適切です。会話に使用する場合は、以下のような例文を参考にしましょう。

・安売りに目がくらんだ結果、必要ないものまで買ってしまって朝三暮四な状態だ
・減税はうれしいが、物価が上昇する状況では朝三暮四かもしれない
・朝三暮四な意見はすぐに見破られる

相手に分かりやすく伝えたいのであれば、朝三暮四という言葉を使わず、「目先の損得だけではなく、長期的な利益も考える」などと表現してみるのも手です。

例文と言い換え表現

朝令暮改の意味をポジティブに使いたい場合は、別の言葉に言い換えることも検討しましょう。ここでは朝令暮改の例文や言い換え表現について解説します。

朝令暮改を使った例文

朝令暮改を本来の意味で使う場合は、以下の例文を参考にしましょう。

・指示を明確な根拠なしで出してしまったため、朝令暮改の結果となった
・新しい制度が出されても朝令暮改になる不安から、思うように利用できない
・朝令暮改な指示を出す上司に困っている

朝令暮改は上からの指示の結果部下が振り回される、指示がいいかげんなどのニュアンスを一言で簡単に言い表すことができます。

二転三転、朝変暮改など言い換え可能

朝令暮改は普段使われる頻度が多い言葉ではないですが、別の言葉の言い換えも紹介します。

分かりやすい例としては『二転三転』という言葉があります。これは朝令暮改のように上司の指示や会社の制度に対して同様に使える言葉です。この言葉の場合、「事態が二転三転した」のように状況に対しても使えます。

同様の意味で、『朝改暮変』『朝改暮令』『朝変暮改』『朝出暮改』もあります。これらは、一見すると誤字のようですが、朝令暮改と同じ意味で使われており、言い換え表現として覚えておきましょう。

その他は、『三日法度(みっかはっと)』という言葉もあります。法度とは法律のことで、三日ほどの短い期間しか守られない規則や法律という意味です。

肯定的に言い換えるなら

朝令暮改を肯定的な言葉で使いたいと思っても、もともとの意味のネガティブな表現として受け取られてしまうことが不安に思う人もいるでしょう。この場合は別の肯定的な表現で言い換えるのがおすすめです。

分かりやすい言い換え表現としては『臨機応変』があります。この言葉は肯定的に使われる言葉のため、安心して言い換えやすい表現でしょう。「臨機応変に対処した」など、ビジネスでもよく使用する言葉です。

また、単語ではありませんが、同じ意味で「スピード感を持って柔軟に指示を出す」のように表現することもできます。

構成/編集部

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