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知ってる?「換骨奪胎」の意味と読み方、使い方

2020.11.09

『換骨奪胎』の読み方や意味について知っていますか?あまり見慣れない漢字かもしれませんが、実はきちんとした由来を持つ言葉です。正しい意味で使えるように、この機会に成り立ちや使い方を覚えましょう。合わせて類語や言い換え表現についても紹介します。

換骨奪胎はどんな意味?

難読漢字のテストに出てきそうな『換骨奪胎』ですが、どのような意味を持つのでしょうか。まずは、読み方や言葉の意味についてご紹介します。

他から影響を受けた作品を指す

換骨奪胎は『かんこつだったい』と読むのが正解です。奪ではなく脱を用いて『換骨脱胎』と書くこともありますので、覚えておきましょう。

主に小説や漫画のような創作物に対して使われる言葉で、他人の発想や表現を取り入れること、他から影響を受けた作品のことを指しています。

換骨と奪胎の意味

換骨奪胎は、『換骨』と『奪胎』が組み合わさった言葉です。この二つを合わせて、なぜ『他から影響を受けた作品』という意味になるのでしょうか。そのヒントは、それぞれの意味にありました。

換骨は、『骨を交換する』が転じて『人のものを自分のもののように見せる』という意味を含んでいます。

胎(子宮)を奪うと書く奪胎は、『他者のものを取り入れて、新しく自分のものを作る』という意味です。

創作物の骨組みは、作品の命といっても過言ではありません。その命を取り入れて自分の作品を作り出す、つまり『他から影響を受けた作品』となるわけです。

オマージュやインスパイアに近い

換骨奪胎の意味と似ている言葉に、『オマージュ』や『インスパイア』があります。それぞれの意味と違いはどこにあるのでしょうか。

オマージュはフランス語で『敬意』や『賞賛』という意味があり、『尊敬する人の作品に影響を受け、近しい作品を創作すること』を表す言葉です。

そして、インスパイアは『閃き』を意味する『インスピレーション』の動詞形で、『尊敬する作品と同じテーマの作品を作る』ことを指しています。

ただ他者に影響を受けているのではなく、その背景には『作品への尊敬』があるといえるのです。

換骨奪胎の語源

換骨奪胎という言葉は、中国で生まれた言葉といわれています。語源をチェックして、豆知識として頭に入れておきましょう。

道教の肉体改造法が由来

換骨奪胎は中国の『道教』が由来です。仏教・儒教と並ぶ『中国三大宗教』の一つで、『無為自然』という、作為がなくあるがままにまかせることの概念を核としています。

換骨・奪胎は、どちらも『仙人になるための肉体改造方法』を指す言葉です。換骨は仙人の術を用いて、人間としての骨から仙人の骨に換えることを指しています。一方、奪胎は子宮を奪うという意味ではなく、腹の奥深いところ=内臓を変えるという意味があるそうです。

道教においては、あらゆる秘術を使える不老不死の人間であり、なおかつ理想の修行者である人を『仙人』としています。骨と内臓を変えることで、『別の人間になる=仙人となる方法』が、元々の言葉の意味と解釈することができます。

宋代に詩の作法として普及

換骨奪胎が一般的に使われるようになったのは、中国の王朝・宋代に『詩の作法』が広まったことがきっかけといわれています。

古代中国の逸話集『冷斎夜話』に登場する詩人・黄庭堅(こうていけん)が、漢文を作る際に『意味はそのままに言葉だけを新しく変える方法』を主張したそうです。

つまり換骨奪胎は、創作作りに悩む人に向けた『創作のコツ』といえます。「どんなに才能がある人でも、その才能は有限だ。そんなときは換骨奪胎して書くしかない」と主張しており、創作の苦しみに向けたアドバイスだったのかもしれません。

本来は肯定的な意味

換骨奪胎は『自分から生み出したように見せる』という意味なので、ネガティブな印象を受ける人もいるかもしれません。しかし、本来は肯定的な意味で使われる言葉です。実際に使用する際に誤用しないためにも、その意味をしっかり理解しましょう。

古典を参考に創作すること

『誰かの作品を丸ごと真似する』の意味で、換骨奪胎を使うのは誤りです。換骨奪胎は、テーマやモチーフは同じでも、あくまで『新しい作品』を作る場合に使われます。

古典のように古くからある作品は、長い歴史の中でたくさんの人たちに読まれてきました。そしてそれを元に、多くの作品も生まれています。『丸ごと真似た作品』ではなく、工夫を凝らしたオリジナル作品として、生み出されているのです。換骨奪胎はまさしく、このような作品に使われる言葉といえます。

一方、丸ごと真似た作品のことは『コピー作品』として受け取られ、あまりよい評価は受けません。作品のテーマだけでなく、物語の流れや台詞までもがそのまま使われ、新鮮味に欠けるからです。

換骨奪胎した作品は工夫を凝らして作られますが、コピー作品はよいところを書き写しているだけであり、そこにリスペクトや工夫しようとする意識はありません。

批判的に使われる場合も

自分のアイデアや工夫を取り入れていたとしても、土台は過去の作品です。過去の作品に影響を受ける行為は、考え方によっては批判されることもあります。

0から1を生み出すのは簡単なことではありません。創作に慣れている人であっても、0からアイデアを生み出すのはとても難しいのです。そのため、『アイデアを他者から得て作品作りをしている』と考える人もいるのです。

換骨奪胎して創作物を作る場合は、元になる作品・作者へのリスペクトの姿勢が大切といえます。ただ真似をするだけではアイデアを奪うことと同義になり、批判の対象になりかねません。

パクリの意味で使うのは誤用

他者の作品をそっくりそのまま模倣したり、よく似た作品を作ったりすることを『パクリ』といいます。言い換えれば『盗作』ですが、換骨奪胎をこの意味で使うのは誤用です。

パクリは他者の作品をそのまま自分のものにする行為であり、それにより評価されることが大事で、そこに他者の作品への尊敬の気持ちはないのです。

一方、換骨奪胎するためには、他者の作品への尊敬と理解が必要です。作品の魅力を知っているからこそ、よい面に影響を受け、自分の感性が刺激され、新たな作品を生み出します。

正しい使い方と類語を紹介

日常生活で換骨奪胎という言葉を使う機会は多くないかもしれません。だからこそ、ここぞという場面で正しく使えるように、正しい使い方と類語を学んでおくことが大切です。

換骨奪胎を用いた例文

『換骨奪胎された作品』のように、換骨奪胎という言葉は、創作物に対して使います。具体的な使い方は以下の通りです。

  • あの作品は古典を換骨奪胎したものだ
  • 漫画『〇〇〇』をうまく換骨奪胎した作品だ
  • あの人は童話を換骨奪胎して名作を生み出した

先人に学び、新しく作られた作品に対して使う言葉ですので、ネガティブな意味を含まないようにしましょう。使いどころは難しいですが、過去の作品への尊敬が感じられる作品に対して使うことがポイントといえます。

言い換え可能な表現

言い換え方法はいくつかありますが、換骨奪胎よりよく知られた言葉に換えるなら『温故知新』が適切です。昔の事柄から学び得たことに、新しい知識や考えを加えるという意味があります。創作物だけでなく、意見や考え、課題などより広いシーンで使えるでしょう。

また、平凡な作品を素晴らしいものに仕上げるという意味の、『点鉄成金(てんてつせいきん)』という言葉も使えます。こちらには元の作品を尊敬するようなニュアンスはないため、使うシーンには注意しましょう。

構成/編集部

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